~ プロローグ ~ |
雲一つなく、青空が一面に広がり、太陽が地上を明るく照らす何とも気持ちが良い日。 |
~ 解説 ~ |
●目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
大切な人と喧嘩した後、冷静になった途端にすごく落ち込みますよね。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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※アドリブ歓迎します ※謝るほう …そんな大人っぽい服、ララには似合わないよ。 大体胸元開きすぎだし、スカートは短すぎだし、 君はまだ子供なんだから…って、どこへ行くのさ、ララエル! (少し言い過ぎたかな…大体、ララにキスをして あんなこと(シチュエーションノベル)までしたのは僕だし…) (帰ってきたララエルに対し片膝をつく) ララエル…さっきはあんな事言ってごめん。 この前、僕が君の騎士になって、守るって言ったよね。 これはその誓いだよ(ララエルにアクアマリンのブレスレットをはめる) 今度こそ騎士として君の心まで守る。 それから…君の事は僕が奪うから。 |
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謝る相手: 祓魔人 ※喰人視点 【行動】 経緯) レストレンジに新作のケーキが食べたいから一緒にカフェに行かないかと誘われる。 ル:「任務じゃないんだから1人で行って来たら。」 モ:「ルイは我と一緒に行くのは嫌なのか?」 ル:「そういう訳じゃないけど僕甘い物はあまり好きじゃないから。」 モ:「だったらそう言えばいいのに。コーヒーだけでも飲みに行かない?」 ル:「しつこいな1人で行けばいいじゃん。」 モ:「パートナーなんだからもっとお互いの話をしたいのにルイって全然自分の話してくれないよね。」 ル:「レストレンジには関係ないから。」 モ:「ルイっていつもそうだよね。関係ないからってそればっかり。我ってそんなに信用ない?」 |
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喰人が謝る 【台詞】 テ:レミネっさっきからすまなかったと謝っているだろう? 君と拗れるのは嫌だ。…人形なんて言って本当すまない… レ:……。私、あの子(片割れ)と同じじゃないと…いや、で。そうじゃないのは私じゃないみたいで。ダメって、分かってるけど、 あなたに人形みたいって言われて、驚いて。…それで、あんな態度に… ご、ごめんなさい…! テ:そう、だったのか…。何も知らないのに人形だなんて…本当に悪かった。話してくれてありがとう …何か食べたか?まだなら食事に行かないか レ:…うん。ありがと…行く テ:良かった。なら、行こうか レ:ま、待って、ティーノ…!(先を行く相方を追う テ:(ん?今…名前を…。レミネが?) |
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~ リザルトノベル ~ |
教団内を一人で歩いている祓魔人『ラウル・イースト』。 特にこれといった指令がないのでこれからどうしようかと思う彼に、ふと背後から走ってくる足音が聞こえた。 別の浄化師が知り合い、またはパートナーを見つけて駆け寄っているか……いや、その足音は自分に向かって来ている。 それが一体誰なのか、気になった彼は後ろに振り返る――すると。 「ラウル、見てください! 新しいお洋服を買ったんです!」 笑みを浮かべ、そう言いながらパートナーの『ララエル・エリーゼ』がやってきた。 どうやら彼女は新しい服をいの一番にラウルに見せたかったようで、走ってきたらしい。 なるほど、その気持ちはとても嬉しいものだ。 「どうですか?」 嬉しそうにその場で一周するララエルに、だがラウルはこう答える。 「……そんな大人っぽい服、ララには似合わないよ」 一刀両断――そう思える言葉がララエルの体を停止させた。 そも、先ほどララエルはこう訊いてきた――『どうですか?』と。 それはつまり、その服が自分に似合っているかどうかを訊いたもの。 気持ちと感想はまた違うものだ――似合うか似合わないか、どちらかを答えろと言われれば、ラウルが答えるのは後者。 正直に言った感想にララエルは言葉を失うが、ラウルはそれに気づかずにその理由を述べる。 「大体その服、胸元開きすぎだし」 「…………」 「スカートは短すぎだし」 「………………」 流れるようにララエルが選んだ服を否定するラウルに、ララエルは俯いた。 胸元が開きすぎ――それはいけないことなのだろうか? スカートが短い――それは何が悪いのだろうか? 確かに今の自分にはまだ早いかもしれない、だがしかし。 それをパートナーであり、王子様であり、騎士様であり。 大好きで、大切な人であるラウルに真っ先に見せようと胸を躍らせて。 どういう反応をしてくれるだろうか、と。喜んでくれるだろうか、と楽しみにしていたのに。 「そもそも君はまだ子供なんだから――」 「……そこまで言わなくても良いじゃないですか……」 それを否定するのが、『まだ子供だから』では納得できるわけない! 「……私は、ラウルが私を欲しいって言ってくれたから……」 ――東方の島国ニホンのエドにて言ってくれたあの言葉は一体なんだった? 「それがどういう意味か知りたくて……大人っぽくしてみたのに……」 ――訊いてもラウルは教えてくれなかった。だから自分でなりに考え、出た答えが自分を一人の女性として欲しいのではないかと、そう思った。 それを確かめるためにこの服を買った……きっと、喜んでくれるだろうと。 なのに、ラウルから見れば、頑張った自分は背伸びをした子供でしかないのだと! そんなの、あんまりじゃないですか――ッ! 「もういいですっ! ラウルなんて大嫌い!」 「ッ――どこへ行くのさ、ララエル!」 湧き上がる悲しみを抑えきれず、ララエルは走って教団から飛び出して行った。 ラウルは彼女を止めようと手を伸ばすが、反応が遅れたために、その手は何も掴むことはなかった。 (……少し、言い過ぎたかな) ラウルは考える――何故そこまでして大人の女性として見られたいのかを。 ……いいや、それは考えるまでもない。 (大体、ララにキスをしてあんなことまでしたのは僕だし……) 自分の言動が原因なのだ。 ――それは、クリスマスの時。 ケーキを持って嬉しそうにラウルの部屋に入ってきたララエルを、彼はベッドに運んで覆いかぶさった。 何が起きたのか、困惑するララエルに彼は言った――『いつだって我慢できるわけない』と。 そして欲望の赴くままに彼女を求める獣と化した彼は、だが彼女の小さな花のような笑みを見たことで正気に戻り、その先の展開に進むことなくクリスマスを、一緒にケーキを食べることができた。 だが、彼女を求めたのは事実で。 それは、ララエルを一人の女性として見たということ。 彼女はその想いに応えようとしただけのこと。それをラウルは拒絶するかのような言葉を言ったのだ。 ならば一体どうすればいいのか、そんなものは簡単だ。 考えを行動に移すべく、ラウルは足を動かす。 ――――………… 「ラウルなんて……ラウルなんて……」 教団から走って飛び出したララエルは街を歩きながらパートナーのことを呟く。 せっかく勇気を出してこの服を買ったのに、ラウルはそれが気に入らなかったらしい。 子供なんだから、とそう言って。 では、あの時言った言葉は一体どういう意味だったのか。 あの日、彼がした行動は何だったのだろうか。自分を弄んでいただけなのか。 そう考えると不満、怒り、悲しみが更に沸いてくる……でも。 (ラウル……凄く傷ついた顔してた……) 大嫌い――自分がそう言った時の彼の顔は、とても傷ついていたように見えた。 傷ついた自分は彼も傷つけてしまった、それは。 (私も、悪かったのかな……) そう考えたララエルは足を止め、後ろに振り返り、来た道を戻り始めた。 大好きな彼に、自分も悪かったと言うために。 ――――………… 教団に戻ってきたララエルは、先ほどと同じ場所にいたラウルに向かって駆け寄る。 その姿に気づいたラウルに、彼女は話しやすい位置で立ち止まり、 「あの、ラウル……私、言い過ぎ――」 自分が悪かったと謝罪をしようとする、が。 「ララエル……さっきはあんなこと言ってごめん」 先に謝罪の言葉を言ったのはラウル――片膝をついて謝罪をした。 思わぬ展開にララエルは一瞬動きが止まるが、ラウルは止まらない。 「――この前、僕が君の騎士になって守るって言ったよね」 「え、あ……」 「これは、その誓い。証だよ」 そう言いながら、ラウルは隠し持っていたアクアマリンのブレスレットを取り出して彼女にはめた。 「……これって……?」 「今度こそ、騎士として君の心まで守る」 片膝をつく――それは相手を一生守り抜くという誠意を表すもの。 その言葉を、その姿勢をする彼のどこに非があるだろうか。感謝こそすれ、文句などあるわけがない。 「ラウル、ありがとうございます……そして、私の方こそごめんなさい」 嬉しさのあまりに涙を数滴流すララエル、だが。 「――それから」 ラウルの言葉はまだ続く。 「君のことは、僕が奪うから」 「えっ? えっ……? それって……!?」 立ち上がり、囁くようにそう言ったラウルの言葉に、ララエルは赤面する。 それは心も体も、自分のすべてを奪うことだと、そう捉えたから……。 ■■■ ほんの数十分前、ある出来事が起きた。 それは浄化師の『モナ・レストレンジ』と『ルイス・ギルバート』のやり取り。 突然、モナが新作のケーキが食べたいからカフェに行かないかと、ルイスにそう言ったことが始まりだ。 新作のケーキ……一体どんな味がするのだろうかと、楽しそうな顔をするモナに、だがルイスはこう返した。 『任務じゃないんだから一人で行って来たら?』 ――浄化師が共に行動をする、それは主に指令をこなす時だ。そうしなければできるものもできない。 だがしかし、別に指令の時以外であっても共に行動をするのは何も問題はない。 でも、そう答えるということは。 『ルイは我と一緒に行くのが嫌なのか?』 一緒に行動をするのが嫌だということだろう。 今まで一緒に行動していた時、ルイスは苦痛だったのだろうかと。 そう思うモナに、ルイスはこう説明する。 『そういうわけじゃないけど、僕、甘い物はあまり好きじゃないから』 『だったらそう言えばいいのに。じゃあ、コーヒーだけでも飲みに行かない?』 甘い物が苦手――なら別の物を頼めばいいじゃないかと、モナはそう提案した。 嫌ってはいない、ただ甘い物が苦手なだけ。 ならばこれで何も問題はない、とまるでチェックメイトをかけたかのように。 ――だが。 『しつこいな、一人で行けばいいじゃん』 ルイスはそれでも頑なに行こうとはしない。意地になっているのかもしれないが、そこまで一緒に行きたくないのか、と少し不満そうなモナ。 『パートナーなんだからもっとお互いの話をしたいのに、ルイって全然自分の話をしてくれないよね』 それじゃあ全然相手のことがわからない――そう言ったモナに、ルイスは一言。 『レストレンジには関係ないから』 『――――っ』 その一言を言った瞬間、モナの雰囲気が変わった。 楽しそうにカフェに誘う彼女の姿は、もうどこにもいない。その場から消えてしまった。 ……それもそうだろう。 関係ない――共に行動をし、危ない目に遭い、助け合ったパートナーからそう言われたのだから。 それは彼女にとっては何よりも傷ついた言葉だろう、一瞬で悲しい気持ちでいっぱいになったことだろう。 『ルイっていつもそうだよね、関係ないからってそればかり。我ってそんなに信用ない?』 傷ついたことで辛そうな表情になったモナはそう問うた。 相手を信用していたのは自分だけなのかと。 ルイはまだ自分に心を開いてくれていないのかと。 今までの時間は一体何だったのか、と。 その言葉にルイスは何かを言おうとした――だが、モナはルイスの言葉を聞く前に彼に背を向けてどこかに行ってしまった。 ――これが、先ほど起きた出来事の内容。 そして今現在――。 (また本心が言えずに思ってもないことを言ってしまった……) ルイスは一人、椅子に座って落ち込んでいた。 先ほどモナに言った言葉――あれは決して自分の本心から出た言葉ではない。 できることなら、彼女と一緒にカフェに行きたかった。 一緒に食事をし、色んな話をして楽しく過ごしたい気持ちはあった。 だが――それはできなかった。怖かったから。 もし自分が彼女と一緒にカフェに行ったとしよう。そこで一緒に食事しながら他愛の話をするだろう。 最近の出来事や冗談、好きなものやその他のことを笑いながら話をするだろう。もちろん、流れによっては相手が知らない自分の過去の話も。 ――それが怖いのだ。 自分の過去を知られれば、彼女に受け入れてもらえなくなるかもしれない。 自分が元サクリファイスの信者だと。彼女の村を滅ぼした相手であると。 それを彼女が知れば一体どう思うか、どういう反応をするか……それらを予想することは容易い。 少なくとも今は思う――きっと彼女は自分を拒絶するだろう。 家族を、友達を……村の皆を殺し、滅ぼした憎き相手が目の前にいるのだ、そうならないはずがない。 だがそうなってしまえば、自分がこの世界に生きている意味がなくなってしまう。 モナ・レストレンジに嫌われる――それが何よりも……怖い。 そうならないためにも極力自分のことを話す機会は少ない方が良い――そう思う臆病者故の言葉。 しかしそれは、逆に彼女を傷つけることになってしまった。 それでは一体何のために断ったのか、その意味が全くない。逆に恐れていたことに近づいているではないか。 ……いや、まだ関係を修復することは可能だ。 そも、今回の原因は自分の素っ気ない態度、言葉にある。 ならばまずはそれらを謝ることから始めなければいけない。 (でも……どうやって謝ればいいんだ……) そう考えたものの、どうすればモナに許してもらえるのか、それがわからない。 考えに考え、思考を最大限にまで働かせ――そして一つの案が浮かんだ。 その案は――……。 ――――………… 「――レストレンジ」 「……ルイ」 先ほどの非を謝るためにモナを探したルイス。 ようやく見つけて彼女の前に現れたが、モナはルイスを見た途端、視線を逸らした。 ……よほど傷ついているのだろう。 「その……関係ないとか、しつこいとか言ってごめん」 口を開かないモナに、これ幸いとルイスは謝罪の言葉を口にする。 「僕が自分の話をしないのは、レストレンジに受け入れてもらえないんじゃないかと思って……その、臆病な僕を許してほしい」 「…………」 視線を逸らしたままの彼女は応えない。 そこで彼は先ほどの案を実行する。 「一緒に行けなかったお詫びに、レストレンジが食べたかったケーキも買ってきたんだ」 ルイスの考え――それはモナが食べたがっていたケーキを買ってくることだ。 だがしかし、彼女はただそのケーキが食べたかったわけではない。自分と一緒に食べることを楽しみにしていたはずだ。 だから、これはあまり効果がないのはわかっている。 (本当は一緒に食べに行こうと言えたら良かったんだろうけど) けれど、臆病だから言えない――これが今できる限界なのだ。 しかしそれでも受け取ってくれなかったら、許してくれなかったら。 最悪の展開を予想し、内心怯えるルイスに、 「――どんな過去があったとしても、受け入れるって決めたから」 逸らした視線をゆっくりとルイスに向けながら、モナは言う。 「それに、我が知りたいのは好きな物とか嫌いな物とか、もっと些細なことだから」 知られたくないことは訊かない――そう告げる瞳を向けて。 自分も申し訳なかった、とモナは頭を下げてルイスに謝った。 ■■■ 申し訳なさそうな態度で、浄化師の『ティーノ・ジラルディ』は謝罪の言葉を口にしていた。 その相手は彼のパートナーである『レミネ・ビアズリー』だ。 「レミネ、さっきからすまなかったと謝っているだろう? 君と拗れるのは嫌なんだ」 一体何故彼が謝っているのか。 彼は彼女に何をしたのか、謝罪をする原因は先ほど彼が言った言葉にある。 「……人形なんて言って、本当にすまない……」 ――レミネ・ビアズリー、彼女には双子の姉妹がいる。しかし、どちらが姉か妹かはわかっていない。 そんなレミネは、双子の片割れとお揃いであることを好む。――全てにおいて。 それは言い方を変えれば、双子の片割れと『なんでも』同じでなければ嫌ということ。 ……いや、彼女の場合は言い方を変えた方がしっくりくる。 片割れがキラキラしたものやメイク道具を集めれば、自分も同じようにする。 片割れがこうすれば自分もこうする――それがレミネの行動。 お揃いでなければ、それは彼女にとってはストレスでしかない。 故に、今日の彼女は片割れの好みであるクールな装いで身を包んでいた。 だがしかし、幼い頃から彼女を……二人を知っているティーノはすぐにその理由がわかる。それは片割れの装いだと。 『今日はクールな感じだな』 今日も双子は同じ装い……そう思うティーノに、レミネはこう返した。 『あの子と同じじゃなきゃ嫌だから』 あの子――レミネは片割れのことをそう呼んでいた。 「……、私、あの子と同じじゃないと……いや、で」 「…………」 「そうじゃないのは私じゃないみたいで……ダメって、わかっているけど……」 「――レミネ」 「あなたに人形みたいって言われて、驚いて……それであんな態度に……」 ――常に片割れを模倣するレミネに、ティーノは思わずある言葉を口にした。 『お前は人形か? まるで意思が感じられない』と。 誰かの模倣をする……それは決して悪いことではない。時と場合によれば、むしろ褒められるものだ。 だが何事にも限度というものはある。そこに模倣は例外ではない。例え双子であってもだ。 自分以外の者を『常に』模倣するのであれば、ティーノが言ったように、彼女は人形に他ならない。 何かをすれば自動的にそう動くように設定されている人形のように――そこに自分の意思が存在していない。それではただの道具と同じだ、人間ではない。 ……だが、それは今に始まったことではない。 レミネがそういう在り方であることをティーノは知っている。常に人形のようだと思っていた。 だから、いつものように「そうか」と言えば拗れることはなかっただろう。 しかしそう言ってしまった――その言葉にレミネはこう返した。 『……私の勝手じゃない』 『……何故、そんなことを言うんだ?』 トゲのある言い方に疑問を抱いたティーノがそう訊くと、突然レミネは走り去ってしまった。 人形と言われて驚き、混乱し、自分でもどうすればいいのかがわからなくなってしまったがゆえの防衛手段なのだろう。 何が彼女をそこまで追いつめてしまったのは、ティーノはそれを考えた。 考えて、考えて……そのきっかけが、自分が言った言葉であると理解し、彼はレミネを追いかけ。 街の中を探し、そしてようやくティーノはレミネを見つけて謝ろうとした。 ……だが。 「ティーノ……ご、ごめんなさい……!」 ティーノの後にレミネが頭を下げた――悪いのは自分の方だと。 そもそも始めから彼に非はない。あるのは自分の方だ。 常に誰かの模倣をする――ああ、それは傍から見ればまさに人形にしか思えないだろう。 自分一人では何もできず、ただ他者の模倣することで存在する、まるで鏡に映った虚像だと。 そういう在り方……自分の意思がない人生――果たしてそれは『生きている』と言っていいのだろうか。 呼吸をし、食事をし、睡眠をとり、言葉を交わすことで生きていると見せかけているだけで、その姿は命令を待っている人形に他ならない。 ならばそれは、死んでいると同義だ。生きてなどいない。 それらを思い知らせる言葉が、ティーノが言った言葉だ。 現実を突きつける彼の言葉に、レミネは何も言えなくなり、逃げてしまった。 逃げた理由は、何も考えなくていいから。逃げてしまえば答える必要はないから。 安全圏に逃げ込むことで自身を守る手段のそれは、だが逆にティーノの心を傷つけてしまった。 迷惑をかけてしまったと、レミネが頭を下げるのはそういったものを含めてのものだ。 「――そう、だったのか……」 レミネが何故あのような言葉を言ったのか、何故走り去ったのか――その理由を聞いたティーノは更に申し訳ない気持ちになった。 「何も知らないのに人形だなんて……本当に悪かった」 今回の原因は自分のせいだと。 何も知らない無知な自分が悪かったと、頭を下げるレミネにティーノはそう言う。 「……でも、話してくれてありがとう」 無知であったためにレミネを傷つけてしまった。だがそのお陰で彼女の想いを知ることができた。 きっかけは嬉しくないものだが、しかし教えてくれたのは有難いと思える。 これで仲が深まったのではないかと、そう思えるから。 「――そういえば、何か食べたか? まだなら食事に行かないか?」 喧嘩別れをしてかなりの時間が経っている。 問題が解決したことで空腹感に気づくことができたのか、それともこの重い空気を何とかしたかったのか、ティーノは食事に誘った。 無論、レミネの方も何も食べていない。そんな余裕などなかった。 だから断る理由はなく、 「……うん、ありがと。……行く」 少々間をおいて返事をした。 「よかった。なら、行こうか」 「あ、ま、待って、ティーノ……!」 返事を聞いたティーノはすぐさまどこで食事にしようかと、場所を決めるために先を歩き。 レミネは置いて行かれないように彼の後を追い――ふと、ティーノは思わぬことに気づいた。 (今……名前を……、まさかレミネが?) 普段は名前を呼ぶことがないレミネだが、たった今彼女は自分の名を呼んだ。 それは一体どういうことだろうか、何がきっかけなのか。 考えるが、だが答えは出てこない。 見つからない答えを探すことに疲れた彼は、レミネと共に食事処を探す。 いつかまた、その名を呼んでくれることを願って……。
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*** 活躍者 *** |
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[9] ララエル・エリーゼ 2019/09/18-12:03
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[8] レミネ・ビアズリー 2019/09/18-08:01
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[7] ララエル・エリーゼ 2019/09/17-21:27
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[6] モナ・レストレンジ 2019/09/17-19:37
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[5] レミネ・ビアズリー 2019/09/17-18:20
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[4] ララエル・エリーゼ 2019/09/17-06:17
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[3] モナ・レストレンジ 2019/09/17-00:55
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[2] ララエル・エリーゼ 2019/09/15-15:15
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