~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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神との最終決戦も終わり、ヨハネの使徒も数を減らしてきた今日この頃 毎日どこかぼーっとしている …へ?なになに、指令? へぇニホンに、あっちも平和なんじゃない? まぁいいや!ひめちゃんにちゃんとお礼言ってなかったからね! ということでいざニホンに! ニホンって和服なんだっけ?わぁ可愛い! 着いた京都で早速着物に着替える どうどう?似合う? …と、当然よねー!あたし美少女だもの! 屋台でりんご飴やらたい焼きやらを買い食いしつつ 桜夜姫の下へ ひめちゃんやっほー!元気? あたし?あたしはまぁ、ほら元気!(当然から元気) お礼そういえばちゃんと言ってなかったからさ ありがとう あんた達の助けもあったから あたし達は生きることができる |
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~ リザルトノベル ~ |
最後の戦いから、少しの時が過ぎた。 全ての争いが、消えた訳じゃない。 ベリアルも。ヨハネの使徒も。まだ残党が残っていて、散発的に騒ぎを起こす。 けれど、それはほとんどスケール1・2と言った知能を持たない低スケールベリアルの仕業。本当の脅威となる筈の高スケール達は、ほぼ鎮静化している。 知恵を持ち、心を持つに至った彼ら。先の大戦での敗北と、その中で見定めた人の可能性。そして、それに対する『同胞だった者達の結論』。コッペリアが散り際に放った最期の『最操』による共有で全てを知って、そして全てを受け入れた。 争う意味も、意思もすでになく。報告を受けた浄化師達が討伐に赴けば、抵抗もなく受け入れる場合も多かった。 彼らは、誰よりも理解していた。もう、『ベリアル』の役目は終わったのだと。 悔恨も。憎悪もなく。確かな、充足と共に。 使徒の場合は、もっと単純。主である創造神も。統率機構であるデウスマギアも失ったソレは、文字通りのガラクタ。 当てもなく彷徨って、定められた行動原理の残滓をなぞって人を襲う。 けれど、そこにはかつての統率力も目的とする答えもなく。 ただ空回るだけの機兵は、浄化師でもない民兵の手で容易く壊された。 争いは消えない。 憎しみも、悲しみも、きっとそのまま。 けれど。 それでも。 世界は、ほんの少し。 けれど、確かに。 ほんの一握りの、誰かさんの心。 幾ばくかを、置き去りにして。 ◆ 「はあ……」 自室の窓から外を眺め、『ラニ・シェルロワ』は細い溜息をついた。妙に黄昏たその様子から、彼女の売りである快活さがなりを潜めているのは明白だった。 『……駄目ね』 戸の隙間から覗く、『シィラ』が言う。 「……腑抜けてるなぁ」 隣りで覗く、『ケイト』も呟く。 「……黄昏てるな」 その上から覗く、『ペトル』もポソリ。 「魂が、萎びておる……」 で、その隣りで覗く『エフェメラ』。 「深刻だな……」 最上段で覗く『グリージョ』も、思案顔。 重なり合ってうら若き婦女子の個室を覗く四人。行く人々が物凄く不審げな視線を投げかけるが、取り合えず咎める声はない。彼らが部屋の主の友人と知れているのもあるが、普通に関わり合うのがイヤだ。 そんな周囲の目など気にもかけず、四人は扉前にしゃがみ込んでヒソヒソと話し合う。 『創造神との決着がついてから、ずっとあの調子……』 「残党討伐の時なんかは、ちゃんと戦うんだけどね……」 「常時になると、どうもいけないな……」 困る若者(?)三人。エフェメラが、思案する。 「ラニはここまで、町を滅ぼした使徒に対する憎しみを糧に生きてきた。それの消失は、そのまま存在目的の消失だ。生きる目的がない。危惧すべき事ではあったが……」 『……いつまで囚われてるのよ……。ホント、馬鹿なんだから……』 苦悩を浮かべて呟くシィラに優しい視線を送り、グリージョも唸る。 「燃え尽き症候群の様なモノか……。それなりの休暇をとらせるべきだろうが、承知はしないだろうな。まだ、ベリアルや使徒が消えた訳ではない。このままでは、戦闘時に足元をすくわれかねないが……」 「どうしたもんかなぁ……」 「困ったなぁ……」 「……何やってんだ? お前ら……」 呆れた声に顔を上げると、馬鹿を見る様な目で見下ろす『ラス・シェルレイ』。 しばし見つめ、『やっぱコイツしかいないな』と頷き合う。 「ラス、これはお前の使命だ」 「全力全霊で、解決しなさい」 「な、何だよ? 急に」 ズズイと迫って来たケイトとペトラに若干怯えながら、視線を送るのは常識人組の方。気づいたグリージョが、黙って扉の方を示す。 「ああ……」 すぐに察したラスの様に、シィラは溜息をつく。 『……やっぱり、分かってたのね?』 「当たり前だろ……」 そう言って、手に持っていた紙を見せる。 「指令か?」 「ああ。まあ、要請したのはオレなんだけど」 エフェメラの問いに、ポリポリ頬を掻きながら答えるラス。覗き込んだ皆が、ホウと声を上げる。 「気の利いた事するじゃない」 「こんな洒落た気回しが出来たんだなぁ。お前」 好き勝手言うケイトとペトラを無視して、ノックする。『どうぞ~』と気の抜けた返事を聞いて、中に。 その後ろ姿を、五人は黙って見送った。 ◆ 「何だ~。ラスじゃん~。どうしたの~」 「……相変わらずだな。陸上げされた烏賊みたいだぞ」 「……喧嘩売ってんなら、買うわよ~?」 「ほら」 差し出された包みを見て、フッと笑う。 「食べ物だと? そんなモノであたしが釣られ……」 「スイートドリームの特製・夢魔の誘惑プリンだ」 「くまー!!!!」 食い意地があるのが、まあ救い。 ◆ 「うまー!」 プリンを頬張って、顔を蕩かせるラニ。 「よく手に入ったわね~。相変わらず、大人気なのに」 「最近、夢魔の誘惑(サキュバス・ペイン)の生産量が増えて、供給が安定したからな」 「ハニーが例の蜂ベリアルの能力を解析して、シャドウ・ガルデンに技術提供したんだっけ? やるわね~、あの娘も」 「ま、『アイツら』のお陰もあるけどな」 そう。その功績の陰には、謎のアルバイト三人組の尽力あり。ハニーと養蜂業者さん達の嘆願により、教団絶賛黙認中。 「この事知ったら、『アイツ』も喜んだでしょうにね~」 思い出すのは、気に食わないけど甘味の趣味だけは合った『アイツ』。 創造神がかけていた保険で、消えたベリアル達は別な存在として転生出来るらしい。アイツも、そうなのだろうか。もしそうなら、一度くらい……。 ボンヤリと考えていると、ラスが一枚の紙を差し出した。 「……へ? なになに、指令? へぇ、ニホンに? あっちも、平和なんじゃない?」 「まぁいいや! ひめちゃんにちゃんとお礼言ってなかったからね! 「気分転換も兼ねて、行ってみないか? あんまり、見て回ってなかったしな」 ラスの誘いに、ちょっとだけ考えて。頷く。 「まぁいいや! 『ひめちゃん』に、ちゃんとお礼言ってなかったからね!」 浮かべるのは、絆を結んだ二ホンの八百万。『桜花の麗精・珠結良之桜夜姫』の顔。正直、会いたい。 「じゃ、行くか」 「いざ、二ホンに!」 外で聞いていたシィラ達が走る。 『急ぐわよ!』 「完璧なプランを!」 「言われるまでも!」 「……やれやれ、若いモンは忙しないな……」 呆れ声で見送るエフェメラの隣り。グリージョは気にかけていた『もう一人』の奮起する姿に、嬉しげに微笑んだ。 ◆ 決めてしまえば、行動は早い。次の日にはもう、二人の姿は二ホンのキョウトにあった。 「ニホンって和服なんだっけ? わぁ、可愛い!」 雅で華やかなキョウトの町中。見つけた店に飾られた着物に目を奪われるラニ。年相応。華の様な、笑顔。 店の女将に誂えて貰った品に、早速着替える。 「どうどう? 似合う?」 詰め寄ってくる彼女に苦笑するラス。でも、心から。 「うん。似合ってるよ」 思いもしなかったくらい、ストレートな賛辞にキョトンとして。 「……と、当然よねー! あたし、美少女だもの!」 はにかむ顔を見つめながら、手を伸ばす。 「髪、下ろすか? ほら、かんざし買ってやるから」 「う、うん……」 照れるラニ。穏やかに薙ぐ心。ずっと、夢見ていた時間。 りんご飴にたい焼き。みたらし団子にわらび餅。 道中、屋台で色々買ったり食べたり。 いつしか、日が西に傾く。 黄昏時。 逢魔が時。 辿り着いたのは、町外れの社。 約束の、場所。 日が沈み。 灯が灯る。 フワリ。フワリと。 季節外れの、花弁と共に。 いつしか目の前に、大きな牛車。引く牛の姿もないのに、カラカラと輪を繰るソレ。『朧車(おぼろぐるま)』と言う妖怪。かの姫の、使い。 『ラニ・シェルロワ様とラス・シェルレイ様とお見受けいたす。我が主が、殿にてお待ちなれば』 案内するのは、蓑を被った一本足の童子。『呼子(よぶこ)』と言う、山気の化生。クルクルクルと、独りでに簾が上がる。招くのは、仄かに甘いお香の香り。 『どうぞ、御乗り下されませ』 促され、ラニとラスは中へと乗り込む。 舞い上がる感覚。 カラカラカラと、星が巡る。 ◆ 『よう参ったな。ラニ公、ラス坊』 夜空を駆けたはどれ程か。着いた旨を受け、簾を上げるとソコはもう大広間。宴の準備が整ったその中心で、珠結良之桜夜姫は穏やかな。そして嬉しそうな笑顔を浮かべて、待っていた。 「ひめちゃん、やっほー! 元気?」 朧車から飛び降りて駆け寄ったラニを、桜夜姫が抱き止める。 「当たり前じゃろ? 妾は樹霊ぞ? そうそう病みはせぬよ。むしろ、心配なのは人の身なる其方らの方じゃ」 そう言って、ラニの顔を見上げる。実は、姫の方が背が低かったり。 「あたし? あたしはまぁ……ほら、元気!」 『そうかのぅ?』 小首傾げる、黒真珠の瞳。見透かされそうな気がして、慌てて話題を変える。 「お礼、そう言えばちゃんと言ってなかったからさ!」 言って、小さな手を握る。 「ありがとう。あんた達の助けもあったから、あたし達は生きる事が出来る」 『誠、阿呆じゃなぁ』 下げられたラニの頭を優しく撫ぜる。 『アレを成したは、紛う事なく其方らの力じゃ。其方らの想いがなければ、妾や御母上はともかくも、高位の偏屈共は動かんかった。誇れ。全ては、其方ら人が掴みし道じゃ』 クシャクシャと、朱い髪を手櫛が削る。愛しい我が子を愛でる様に。 くすぐったそうに笑うラニ。 じゃれあう二人を、ラスは遠間から見守っていた。 優しく安らぐ。 満たされた想いで。 それから催された宴は、楽しかった。 数多の樂妖が曲を奏で。 蝶や小鳥の妖魅が舞を舞い。 書や絵画の化生が小話を繰る。 次々と運ばれてくる、滋味溢れる料理に甘美な菓子。話に聞いていた神露(しんろ)は違わず美味く、ラニは幾つも杯を空ける。 まあ、酒みたいに毒にはならないと聞いてはいるけど。 些か、心配。 「こっちも、何事もなかった様で何よりだ……」 酔い潰れて眠ってしまったラニを横に眺めなら、ラスは桜夜姫と語る。 「……ラニが楽しそうで良かった。ありがとう」 『……些か、病んどる様じゃな?』 姫の指摘に、苦笑する。元より、誤魔化せる相手ではないけれど。 「いざ平和になったら、落ち着かなかったみたいでな。気晴らしになったなら……」 『ラス坊』 「ん?」 『ラニ公の事は、大事か?』 急な問いに、キョトンとする。 「……ラニの事? 大事に決まってる」 『何故じゃ?』 「どうしてって……何故だろう?」 言われて、戸惑う。まるで、夢から覚める様に。 「出逢った時から……まるでそっくりで……」 そう。そっくりだった。血が繋がっている訳でもないのに。 「一緒にいたら……落ち着くし……」 落ち着くのだ。まるで、もう一人の自分といる様で。 『のう、ラス坊……』 顔を、上げる。見つめる、姫の眼差し。優しく、揺れる。 『其方は、其方じゃ。そして、ラニ公も、ラニ公以外の何物でもない……』 「……?」 『放すなよ。見失うなよ。其方らの大事なモノは、何が在ろうと変わりはせん……』 「何を、言って……?」 『知らずに済むのなら、其れがいい……』 花弁の様な唇が、フッと呼を吹く。華の香が揺蕩い、眠気が襲う。 『寒うない様に、してやれよ』 眠りに落ちた二人を寝屋に運ぶ妖達にそう言って、姫はクイと神露を煽る。 『……誠、人の業とは深いなぁ……』 溜息と共に零す声。 酷く酷く。 悲しく愛しい。
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*** 活躍者 *** |
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該当者なし |