~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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トゥーレからふたりを連れ出し リュミエールストリートへ ルシオさんはにこやかに カミラさんは少し困った風に シリウスはどうしていいかわからない無表情 小さな頃のシリウス どんな子だったんですか? ショーンさんは昔はちっちゃくて可愛らしかったって… 焦ったように名前を呼ばれ ふふと笑顔 お互いにプレゼントを選びましょう? カミラさんはわたしと! 悩む彼女を引っ張って近くのお店へ シリウスへの物を選び ルシオさん宛を一緒に探す 喜んでくれるかって… 勿論です ルシオさん カミラさんのこと大好きじゃないですか はにかんだ笑顔に ああ、シリウスに似ていると笑い返す プレゼント交換 誕生日おめでとう の声に満面の笑み 覚えていてくれたの? ありがとう! |
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~ リザルトノベル ~ |
トゥーレに『シリウス・セイアッド』と共に訪れた『リチェルカーレ・リモージュ』は、満面の笑顔で言った。 「一緒にクリスマスプレゼントを買いに行きませんか?」 「……プレゼント?」 困惑したように聞き返したのはカミラだ。 何をどうすれば良いのか分からない、というのが見て取れる。 そんな彼女の背中を押すように、ルシオが言った。 「ありがとう、誘ってくれて。カミラも一緒に行こう」 「私は……」 カミラは迷っているように言いよどむ。 するとルシオは苦笑したあと、シリウスに視線を合わせ言った。 「シリウスも一緒に来てくれるんだろう?」 「……ああ」 静かに返すシリウス。 嫌がっている様子はないが、カミラと同じく、何をどうすれば良いのか分からない、と全身で語っているようだった。 (大人になっても正直者だな、シリウスは) シリウスの様子に、くすりとルシオは笑みを浮かべる。 同時に、安堵した。 幼い頃、実験体として扱われ。 離れている間に、生きているのか? そして、変わってしまっていないだろうか? ずっと気に掛けていた。 けれど今、目の前に居るシリウスは、あの頃の面影を失わないでいてくれる。それはきっと―― (彼女のお蔭だな) リチェルカーレに感謝する。 (シリウスの傍に居てくれて、ありがとう) 心から、思う。 それを形にするためにも、リチェルカーレの申し出は願っても無かった。 ルシオとカミラがいるトゥーレに2人が来てくれたのは、昼よりも少し前。 トゥーレが諸外国から正式に国家として認められ設置された転移方船を通ってやって来たのだ。 会いたいという連絡を受け、すぐに向かい。 そこで切り出されたのがクリスマスプレゼントの買い出しだ。 一緒にリュミエールストリートへ4人で行こうと誘ってくれた。 「楽しみだよ。リュミエールストリートの話は聞いたことはあったけど、実際に行ったことは無かったから。姫さまやエルリアさん達のプレゼントも用意したいと思ってたし、ちょうど良かった」 にこにこ笑顔のルシオに、カミラは小さく頷く。 そんな彼女の表情は、少しだけ柔らかい。 (ルシオさんが嬉しそうだから、カミラさんも嬉しいのね) 2人の様子を見ていたリチェルカーレは、自分のことのように嬉しくなる。 シリウスに視線を向ければ、彼も柔らかな表情を見せていた。 (好かった。シリウスも喜んでくれてる) みんなが喜んでくれて、リチェルカーレの心はぽかぽかと温かく、幸せな気持ちに包まれる。 だからみんなの笑顔がもっと見たくて、リチェルカーレは誘いの言葉を口にする。 「ルシオさんもカミラさんも、シリウスも一緒に行きましょう」 これにルシオは笑顔を浮かべ、シリウスとカミラは不器用な笑みを小さく浮かべ応えた。 そして今、4人はリュミエールストリートにいる。 「うわぁ、すごい。人でいっぱいだ」 小さな子供のように、ルシオは歓声を上げる。 ルシオの言葉通り、リュミエールストリートは大勢の人々で賑わっていた。 種族も構成も様々で。 親子連れもいれば、友達らしい数人のグループが談笑しながら歩いている。 そして恋人同士らしいカップルも。 共通しているのは、皆が笑顔で楽しそうだということだ。 「いつもここは、こんなにいっぱい人が居るのかな?」 ルシオの素朴な疑問に、リチェルカーレが笑顔で応える。 「クリスマスが近いから、いつもより人出は多いです。でも、今日ほどじゃないですけど、いつも賑わってるんですよ」 「そうなんだ……すごいね。やっぱり、世界は大きいや」 目を輝かせながら、ルシオは言った。 それには感嘆と、喜びがあった。 幼いころから実験体として扱われ、シリウス達の活躍が無ければ、今こうしてここには居ないはずの彼にとって、何でもない日常が驚きの対象なのだ。 それはカミラも変わらない。 どこか場違いだというような表情を見せながらも、周囲の賑わいに驚きを隠せないようだった。 そんな2人に、リチェルカーレが呼び掛ける。 「行きましょう。案内しますね」 リチェルカーレを先頭に、4人でリュミエールストリートを進んでいく。 道中、ルシオが目を輝かせながら尋ねてくる。 「あのお店、何なのかな? ご飯屋さん?」 「アモールっていうカフェテリアです。ラテアートを店長さんが描いてくれるんです」 「うわ、何だか楽しそう。買い物終ったら、みんなで寄ってみる?」 「好いですね」 ルシオの提案に喜ぶリチェルカーレに、シリウスとカミラの2人は静かに頷く。 頷きながらシリウスとカミラの2人は、リチェルカーレとルシオを護るように少し後ろを進む。 道中、主にお喋りをしているのはリチェルカーレとルシオの2人。 シリウスは、ルシオはともかくカミラにどう接すれば良いのか分からないでいたが、ちらりと見た先で合わせた視線は、彼女も同じようなことを思っているように感じた。 そうして進みながら、お喋りを楽しんでいたリチェルカーレはルシオに尋ねる。 「そういえば、小さな頃のシリウス。どんな子だったんですか?」 「大人しくて、優しい子だったよ」 昔を思い出しているのか、優しい笑みを浮かべながらルシオは言った。 「今は、おっきく育ってくれたけど、昔は小柄な子でね。シリウスは男の子だから、こういう言い方は変かもしれないけど、可愛い子だったよ」 「やっぱり!」 リチェルカーレは笑顔を浮かべながら言った。 「ショーンさんも、昔はちっちゃくて可愛らしかったって言ってました」 「リチェ……」 嬉しそうに言葉を続けようとするリチェルカーレに、焦ったようにシリウスが名前を呼ぶ。 恥ずかしいのか、僅かに頬が赤かった。 「ふふ」 リチェルカーレはシリウスの様子に、微笑ましげに笑顔を浮かべ。 同じように、ルシオも笑みを浮かべている。 楽しそうな2人を見て、カミラの表情は綻んでいた。 皆の様子に、シリウスは力を抜くように苦笑する。 和やかに進み、やがてフリーマーケットである「オルヴワル」に到着する。 「ここからは男女で分かれてプレゼントを探しましょう。プレゼントを渡すまで中身は秘密ね」 茶目っ気のあるリチェルカーレの提案に、ルシオは頷きシリウスを引っ張って連れて行く。 残ったカミラは困ったような顔をしながら、リチェルカーレの護衛に就くように、少し後ろを進もうとする。 そんな彼女の手を繋ぎ、リチェルカーレは引っ張っていく。 「カミラさんはわたしと!」 「ぁ……ああ」 リチェルカーレに連れられて、カミラはプレゼント探しに出発。 「ルシオさんは、どんなものが好きなんですか?」 プレゼントに悩むカミラを助けるように、リチェルカーレが聞いていく。 「ルシオは……動物が好きだけど、プレゼントするには違うと思う」 考え込むと、助けを求めるように訊いてくる。 「貴女は、何をプレゼントするつもりなんだろうか? もしよければ、教えて――」 「リチェって呼んで下さい、カミラさん」 「ぁ……うん」 どこか恥ずかしそうに目を伏せてしまったカミラに、リチェルカーレは言った。 「懐中時計の鎖を探そうと思うんです」 それはシリウスの父親からの贈り物。 形見ともいえるそれを大事に出来るよう、シリウスのことを想っての物だった。 「そうか……喜ぶと思う、リチェ」 柔らかな笑みを浮かべるカミラ。 そして2人はプレゼントを手に入れる。 リチェルカーレは懐中時計につける白金の鎖。 そしてカミラは、万年筆を選ぶ。 「ルシオ、珍しい動物を見つけると、すぐにメモしたりするから」 そしてどこか苦しそうに呟いた。 「……喜んで、くれるかな……」 「勿論です」 リチェルカーレは自信を持って言った。 「ルシオさん。カミラさんのこと大好きじゃないですか」 リチェルカーレの言葉に、はにかんだ笑顔をカミラは見せた。 (ああ、シリウスに似ている) カミラの笑顔に自然と思ったリチェルカーレは、笑顔を返した。 2人がプレゼントを決め終る頃、シリウスは悩んでいた。 「大切なプレゼントなんだな」 カミラのための猫のぬいぐるみを買ったルシオがシリウスに尋ねる。 するとシリウスは、静かに応えた。 「誕生日プレゼントも、一緒だから」 「誕生日って、リチェちゃんの? だったら、特別なものは贈らないのか?」 なんのことかわからず首を傾げるシリウスに、ルシオは苦笑しながら言った。 「指輪とか」 聞いた瞬間は意味が理解出来なかったシリウスは、しばらくして完全に硬直して返事もできなくなる。 「そういう選択肢もあるということだよ」 勇気づけるように温かな笑顔を向けるルシオに、シリウスは何かを応えようとするが出来ない。 (まだ、自分に自信がない) それはリチェルカーレを大切だと思うからこそ。 隣りにいて良いのかどうかすら、迷ってしまう。 けれど、願ってしまう。彼女の傍に居たいと。 そして誰にも渡したくないとも、想ってしまうのだ。 だけど、ずっと一緒にと言える勇気がまだなくて―― 「大丈夫だよ、シリウス」 ルシオはシリウスを安心させるように言った。 「リチェちゃんは、シリウスの傍に、一緒にいてくれてるんだ。シリウスも、同じだろう?」 言葉にして応えることは、シリウスには出来なかった。 けれど祈るように思わずにはいられない。 (いつか、願うだけなら……――) 想いを抱くシリウスを、ルシオは愛おしむように見詰めていた。 そうしてプレゼントを買い終る。 買い物を終え、カフェテリア『アモール』で小休憩。 そこで店長自慢のカプチーノを飲みながらお喋りを楽しんで、その日は帰宅した。 日が過ぎて、クリスマス当日。 この日は特別に、寮で異性を呼んで過ごすことも許されている。 リチェルカーレもシリウスを呼んで、ささやかなクリスマスパーティを。 料理の用意をして、シリウスは飾りつけを担当する。 そして一緒に夕食を楽しみ、一休みした所で、プレゼント交換。 「シリウス」 リチェルカーレが用意してくれたのは、シリウスの父が遺した懐中時計に合う白金の鎖。 シリウスに合ったシンプルなデザインの鎖には、お守りのように小さな翡翠が一粒あしらわれている。 「ありがとう、リチェ」 僅かに震える声で、嬉しそうに目を細めるシリウスに、リチェルカーレも嬉しくて笑顔になる。 彼女の花開いた笑顔も贈り物として受け取ったシリウスは、今度は彼女へのプレゼントを差し出した。 「誕生日おめでとう」 「覚えていてくれたの? ありがとう!」 満面の笑顔を浮かべるリチェルカーレにシリウスは耳元を赤くしながら、願うように言った。 「付けても良いか?」 笑顔のまま頷くリチェルカーレに、シリウスは贈り物であるネックレスの留め金を外す。 シリウスが用意したネックレスは、雨粒のような小さな青い石が連なるネックレス。 彼女の瞳の色のような澄んだ色が似合うだろうと選んだそれは、実際よく似合っていた。 震えそうになる手でネックレスをつけ、祈るように想う。 (もう少し、自分に自信が持てたら。その時は――) その想いを誓うように、髪を一筋すくい。気づかれないよう口づけした。
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*** 活躍者 *** |
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