ハミングバード
とても簡単 | すべて
5/8名
ハミングバード 情報
担当 GM
タイプ ショート
ジャンル コメディ
条件 すべて
難易度 とても簡単
報酬 少し
相談期間 7 日
公開日 2018-06-02 00:00:00
出発日 2018-06-12 00:00:00
帰還日 2018-06-29



~ プロローグ ~

 その少女は、今日も一人、この路地裏でその歌声を披露していた。

 澄み切った歌声は、その路地裏に響いていた。
 しかし、その歌声は誰の耳にも届くことは無く。
 ただの雑音として、人々の耳に届くのみで、その歌声に関心を持つ者は誰もいなかった。

「あぁ。いつかわたしも、あの舞台で、歌えるときが来るのかしら」

 その脳裏に浮かんでいるのは、かの有名なミュージックホール、「フィルハーモニー・ディ・ミラノ」。
 由緒正しいこのホールに、一人立って歌いたい。彼女には、そのような夢がありました。

「……まぁ、無理よね、こんな身なりのわたしには」

 あのような、素晴らしいステージに立てるのは、貴族のような上流階級の人間が多い。自分のような庶民には夢のまた夢。
 自分はそのような想像をするだけで、十分だった。

 そう、彼に出会うまでは。

「やぁ、小さなレディ。その歌声、私に預けてくれないか?」

「……さぁ。自己紹介をしてごらん?」
 所変わって、教団。
 一人の貴族と一人の少女が訪れていた。

「こんにちは、わたしはユミール・ベルナールド。声楽が得意です。好きなことはダンスと歌。宜しくお願い致します」

 少々ぎこちないが、恭しく礼をするユミール。

「彼女をな、一流のアイドルにしたいんだ。その手始めに、1週間後に広場でやるという歌のコンクールに出場させたいのだ。そのために、彼女のプロデュースを頼みたい。用意してほしいものは何でも用意する。頼んだぞ」

「よ、宜しくお願いします!」

 ユミールは、君たちに向けて元気に挨拶をするのだった。


~ 解説 ~

 今回は、一人の少女をアイドルとしてプロデュースして頂きます。
 その少女のプロフィールは以下の通りとなります。

名前:ユミール・ベルナールド
身長:156cm
体重:秘密
年齢:16歳
スリーサイズ:秘密
特技:澄み切ったハイトーンの歌声
趣味:ダンス、歌うこと

 この少女をプロデュースして頂きます。
 衣装や歌など、必要な物は全て貴族の方が用意してくれます。
 ……が、自分のセンスで用意したい、と言うのであれば自分で調達、作成なども可能です。

 そして、1週間後に迫ったコンクール。このコンクールは、優勝したらエクリヴァン観劇場でのライブと言う道も開ける可能性のあるコンクールです。
 審査員は3人、それぞれ歌唱力、パフォーマンス力、ビジュアル力を見ています。この3人の評価が高ければ、優勝になるでしょう。

 しかし、コンクールに出て来るライバルも手強いです。
・アーティ 歌唱力は参加者内でTOP
・ダース ダンスは人一倍。
・プリティ 着こなしは誰にも負けない

 この3人が、現状の優勝候補とされています。この三人に勝てれば、優勝は目の前でしょう。

 また、ステージに立つのは一人だけとは限りません。皆様も、ステージに立ってパフォーマンスをしても構いません。


~ ゲームマスターより ~

 どうも皆さん初めましての方は初めまして、そうでないかたはこんにちは。おじやしげきと申します。

 今回は、一人の少女をアイドルとしてプロデュースして頂きます。
 1週間という短い期間で、その少女はどのように成長し、アイドルとしての一歩を踏み出すのでしょうか。

 それと、基本的に面白いと思ったことは採用します。それは、上記プロフィールの「秘密」も含みます(もちろん、食い違いがあれば採用しませんが)。
 それだけ自由度の高いシナリオになっていると思いますので、皆様楽しんでくださいませ。

 それでは、一人の少女の物語。どうぞお付き合いくださいませ。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

エイル・アース ミカヅチ・タケ
女性 / エレメンツ / 陰陽師 男性 / 生成 / 拷問官
空詩・雲羽 ライラ・フレイア
男性 / エレメンツ / 占星術師 女性 / マドールチェ / 魔性憑き
基本的に褒めて伸ばす方針
衣装に関しては他の人に丸投げ


プロに作詞作曲をお願いしたいけれど
時間が掛かりそうなら僕が作詞作曲してもいいかな(作曲

どーもはじめましてこんにちはアイドル志望のお嬢さん♪(ニコニコ

あ、早速聞きたいんだけど
君は音楽が好きだから得意なのかな?それとも得意だから好きなのかな?
ほら心が先か技術が先かで指導の仕方も変わるかもだしさ?

心が先ならそのままその「好き」を前面に押し出せばいいし
技術が先なら確固たる自信を持てるまで練習し尽くせばいい

僕も音楽は大好きだからさ、一緒に楽しく上手になろう♪
大事なのは楽しむ心さ


本番
生演奏+彼女の歌声を引き立てるよう邪魔にならない程度にハモる(楽器+歌
リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者
歌唱・植物学スキル使用

頑張っているひとは応援したい
ユミールさんの夢をかなえるお手伝いを

一緒に歌の練習
得意なハイトーンのメロディが綺麗に響く歌がいいんじゃないかしら?
音程を取ったり強弱をつけたり わかる範囲でアドバイス
シリウスにも どう?と感想を
返ってきた答えに口を尖らせる

衣装とユミールさんを引き立てるような花を選び 髪飾りとコサージュを
結果も気になるけど 歌は気持ちを表現するものだと思うの
ユミールさんの想いを皆さんに聞いてもらってね
がんばって と笑顔
邪魔にならなければ コーラスで参加

優勝できたら やった!おめでとう!とぴょんぴょん飛んで大喜び

わたし?
わたしは大事なひとたちに聞いてもらえたら、それでいいの
杜郷・唯月 泉世・瞬
女性 / 人間 / 占星術師 男性 / アンデッド / 狂信者
◆アイドルの力になる
・瞬の演技力による表現力指導(褒め伸ばし型)
・唯月は水分補給用の水を用意したり
リチェさん要望のリボンを選んだりと雑用へ
瞬「演技をやってる人間だから
俺からは表現力に関して伝えるね
歌にはハイトーンやウィスパーとかたくさんの技術もあるけど
そこにちゃんと気持ちがないとお客さんには伝わらない
歌って踊れるアイドルは凄い事だけど
ちょっとした表情を意識するだけで大分変わると思うから頑張ろーね!」
唯(…瞬さんがこんな指導してる姿…初めて…見ました…
わ、私も頑張らなきゃ…!)
唯「リボンの色…パステルカラー等は…?」

◆彼女を見届ける
・優勝出来ても出来なくても前向きな言葉を
夢を諦めないでほしいから
シュリ・スチュアート ロウハ・カデッサ
女性 / マドールチェ / 占星術師 男性 / 生成 / 断罪者
◆シュリ
技術面では力になれないから雑用を手伝う
あとは、休憩中の彼女の話し相手になるわ

ユミールさんはどうして歌とダンスを好きになったの?
わたし、打ち込めるものってないから…なんだか羨ましいわ

彼女が歌やダンスを披露したり、衣装合わせの時
すごい、素敵、綺麗…!と拍手と賞賛の言葉を送る
少しでも彼女の自信に繋がりますように
本心だけどね


◆ロウハ
歌やダンスや衣装方面は得意な奴に任せる
雑用の手が必要なら手伝う

休憩中に糖分補給用の菓子を差し入れる

アイドルには技術も必要だが、それ以上に心に訴えるものが必要だ
あんた、さっき歌やダンスのことを話してた時、いい顔してたぜ
その心からの思いを表現すれば、きっと誰より輝ける


~ リザルトノベル ~

「み、みなさん宜しくお願いします!」
 ユミールは、一行の前で改めて大きくお辞儀をする。
「皆さんは凄腕のプロデューサーだと、おじさまから伺っております! 宜しくお願いします!」
 深々とするお辞儀に、皆への期待がヒシヒシと伝わってくる。ヤル気は十分のようだ。
「ユミールさん。こちらこそ、一週間よろしくお願いします」
 ライラ・フレイアが、改めて大きくその頭を下ろす。
 他の面々も各自分らしく挨拶を交わす。
「おじさまの言ってたとおりです! コレで、わたしも頑張れます!」
 小さくガッツポーズをするユミール。がんばるぞい、と小さくつぶやいたような気がした。

「どーもはじめましてこんにちはアイドル志望のお嬢さん♪」
「え、あ、はい、宜しくお願いします……」
 ユミールは、その矢継ぎ早な言葉に少々ドギマギしながらも、空詩・雲羽のそのニコニコとした顔に笑顔を返す。
「あぁ、僕は空詩雲羽。宜しくね。早速だけど、一つ聞きたいことがあるんだけど、良いかな?」
「あ、はい、なんでも聞いて下さい!」
 ユミールの言葉に大きく頷きながら、空詩は言葉を続ける。
「君は音楽が好きだから得意なのかな? それとも得意だから好きなのかな?」
「え、えっと……。考えたこと無かったですけど…… うーん」
 考えたことが無かったのか、少し考え出すユミール。
「ほら心が先か技術が先かで指導の仕方も変わるかもだしさ?」
 空詩が、そこに言葉を続ける。
「えーっと、そうですね…… わたしは、やっぱり歌うのが好きだから、得意なんだと思います……」
「ふむふむ、それで?」
「最初、私はそこまで声出せなかったんですけどね……。今ではある程度出せるようになりましたから」
 ふむふむ、とメモを取りながらいろいろなプランを頭に巡らせているようである。
「うーん、心が先……か。それなら、その『好き』を前面に押し出せば良いかな?」
 前面に押し出す……? と首を傾げるユミール。その頭上にははてなマークが浮かんでいるように見えた。
「うん、大事なのは楽しむ心さ。僕も音楽は大好きだからね。一緒に楽しく上手になろう♪」
 空詩のその笑顔にユミールは、また笑顔を浮かべた。

「ワン、ツー! ワン、ツー!」
 アイドルたるもの、ダンスが出来なければならない……と思う。
 ライラは、一度そのダンスを見て、何かアドバイスできないか、と考えていた。
(しかし、私のダンス自体独学だから…… アドバイスできるか分からないのよね)
 少々不安に思っていることはあるものの、それよりもユミールのために少しでも教えてあげることが出来ないか、と真剣にその様子を観察していた。
「貴方は、どんなダンスが好きなの?」
「え、ええと……考えたこと無かったですね……」
 少しドギマギしながらも、真剣にウンウンうなるユミール。
 すこし、難しく考えているようではあるその顔は少し険しい。
「うーん、えーっと、あ、そうだ! ツーステップ? って言うんですかね? それが好きです!」
 ふむふむ、とその言葉を聞きながら、ライラはその言葉を元に、振り付けを考えて見る。
「あっ、その踊り、凄く良さそうです!」
「……えっ?」
 ユミールのその言葉に、自分の身体が思いがけず動いていたことにライラは気がついた。
「ライラさんって、ダンスがお上手なんですね!」
 目をキラキラと輝かせながら、そのステップに感銘を受けている。
「そ、そうですか……?」
 その言葉に少々照れくさそうにする。自分のダンスは自己流という事もあり、どこまで参考になるか、と考えていた。
「はい! すごく、綺麗で、鳥みたいでした!」
 ふふふ、と笑いながらユミールはクルクルと回る。
「そ、そう……?」
 くすぐったそうにそう笑うライラも、ふふ、と微笑み合う。
 その笑顔は、アイドルそのものであった。
 
 
「フフフフフフフフフー♪」
 発声練習。軽やかな歌声が広場に響き渡る。
 その軽やかな歌声を聞きながら、リチェルカーレ・リモージュはそこにハモりを加える。
 二人の音が合わさって、そこには綺麗なハーモニーが広がっていく。
「素晴らしいハイトーンですね」
 リチェルカーレは、その声を確認し、改善点を探していく。
 もちろん、今のままでも十分すぎるほど素晴らしい出来である。
 しかし、それ以上にもっと良くなる点が無いか、それを探していた。
「うん、確かに良いですね。この部分をもう少し、楽しげにやるともっと良くなるかも知れないですね」
 泉世・瞬も、自分の出来る範囲でのアドバイスをする。技術的なことは分からないが、演技力、表現力という物に特化したものだ。これも、瞬の演技力の賜物であろう。
「演技をやってる人間だから、俺からは表現力に関して伝えるね。歌にはハイトーンやウィスパーとかたくさんの技術もあるけど、そこにちゃんと気持ちがないとお客さんには伝わらない。歌って踊れるアイドルは凄い事だけど、ちょっとした表情を意識するだけで大分変わると思うから頑張ろーね!」
 瞬は、ニカッと笑いながらユミールにそう語りかける。その指導は的確そのものである。
(……瞬さんがこんな指導してる姿……初めて……見ました……。
わ、私も頑張らなきゃ……!)
 笑顔ではあるが、真剣そのものであるそのアドバイスに、一番驚いていたのは杜郷・唯月であった。
 瞬のその指導している姿を初めてみた唯月は、少し驚いた様子でもあるが、自分も頑張らないと、と改めて思う。
「それでは、私は技術面を中心に、ですかね。分かる範囲で、ですけど」
 歌唱に関して覚えがあるリチェルカーレは、瞬とはまた違う方向から、ユミールにアドバイス。
「ねぇ、どう思う? シリウス?」
「まぁ、少し低いと思うが、良いんじゃ無いか?」
 シリウス・セイアッドは、自分の能力で正確な音階を伝える……のだが。
「もう、ちゃんとしてよー」
 その無表情と淡々としたシリウスのしゃべり口に、リチェルカーレがその可愛らしい口をとがらせる。
「い、いいだろう別に……」
 その小さな口をとがらせているリチェルカーレに対して、少々決まりが悪いようにその視線を逸らす。
「でも、お二人とも本当に良い感じですよね……」
 その二人の様子をみて、ユミールはそう一人つぶやいたのであった。
 
「はい、お飲み物の用意出来ましたよ」
 唯月が、休憩しているユミールに紅茶を差し出す。
「おう、甘い菓子も用意したぞー」
「あ、ありがとうございます!」
 水をコクコクと飲んでいるところに、ロウハ・カデッサが甘い蜂蜜レモンのゼリーを差し入れる。
 その横には、シュリ・スチュアートが雑用も一段落してユミールの隣に座る。
 レッスンが一段落し、テーブルの上には紅茶と蜂蜜レモンのゼリー。ティーパーティの始まりである。
「ユミールさんって、本当に可愛いですよね……」
「本当にそうですね……。わたしなんかとは」
「いやー、シュリさんは可愛いですよー!」
 女性が3人揃うと姦しい、とはよく言ったものである。
 唯一の男性であるロウハも、ここに上手く馴染めているのがさすがの適応能力である。
「……ねぇ、ねぇ、ちょっと」
「ん? どうした?」
 シュリが、ロウハに小さく問いかける。
「……アイドルって……何?」
 はぁ? と呆れたような顔を浮かべつつ、少し考えて、こう続ける。
「アイドルってのは……人の心を魅了する存在だ」
 その言葉の裏に思い浮かぶのは、とある歌手の歌声。その昔、故郷で聞いたその歌声はとても澄み切っており、ロウハの心にしみこんでいくのは明らかであった。
「そういえば、ユミールさんはどうして歌とダンスが好きになったの?」
「そうですね……。何というか、歌って踊っていると、いつもの私とは違うわたしになれる、そんな気がするんです」
 シュリの質問に、真面目に答えていくユミール。
 本当に可愛いですよね、と唯月も相槌を入れていく。
「私は庶民の出で、本当に毎日パッとしない生活だったんです。でも、そんな中、どこからか歌声が聞こえてきて……」
 ユミールの話は熱を帯びてきて、3人もその話を聞き入っている。
「こうして、歌ってると私は背中に羽が生えたみたいで…… って、あ、すみません、私ばっかり話してしまって」
「ああ、気にすんな」
「そうです。わたし、打ち込めるものって無いから…… なんだか羨ましいわ」
 しゅんとしてしまったユミールに、シュリとロウハは口々に告げる。
「そうですよー。凄い生き生きしてましたし、例えば、ほら、パステルカラーのリボンなんかも似合いそう……」
 唯月も、熱く語るユミールを見ながら、その衣装について思いをはせていた。
「このアイディア、リチェさんに伝えないと……!」
 そう言ってアイディアを真っ先に伝えようと席を立つ。
「よーし、それじゃあこのあとも頑張ろー!」
「「おー!」」
 そうして、日は過ぎていく。
 
「Ladies & Gentlemen! Boys & Girls! 今日は、皆来てくれてありがとう! 楽しんでいってね! それでは、開幕です!」
 司会の女性が、マイクで高らかに開幕を宣言する。その宣言に呼応するように、客席からは歓声という衝撃波が控え室になっているテントにまで響いてくる。
「うぅ…… 緊張します……!」
 ユミールの声からは、少々、いやそれどころでは無い緊張が漂っていた。
「まぁ、でもそんな顔をしてると折角のドレスも輝きませんよ?」
「うー、そうだけど……」
 ユミールが今身に纏っているのは、ピンクを基調にしたドレス。女性らしさをアピールした上で、ダンスでも邪魔にならないように装飾は少なめ。ユミール自身の美しさを表現している。そんな中で、ひときわ目を引くのは、パステルカラーの髪飾りと、ワンポイントの花のコサージュ。その二つがユミールの美しさをより引き立てている。
「あら、こんな見窄らしいカッコの方も出られるの?」
「ホントホント、ダンスなんて出来るのかよ?」
「まぁ、アタシの歌声の前ではどんな子も霞んじゃうわよね!」
 そんな中、聞こえてきたのはプリティ、ダース、アーティの3人の声。いわゆる常連組、と言う奴である。今まで自分たちがトップを張っていた事もあり、急に出てきたユミールが気に入らないのだろうか。
「……気にすんな。あんた、さっき歌やダンスのことを話してた時、いい顔してたぜ? その心からの思いを表現出来れば、きっと誰より輝けると思うぜ?」
「……はい!」
 ユミールさん、ステージ袖までお願いします、とスタッフが声をかけたのは、ちょうどその話が終わったときだった。
 
「ヒュー! やっぱりアーティちゃんの歌声サイコーだね!」
「ダースさんのダンスもキレッキレで素晴らしいですよ」
「プリティちゃんのドレス可愛い……!」
 舞台袖、一行が3人の審査員を確認すると、それぞれ3人に入れ込んでいるようである。
 しかし、それをはねのけなければ、このコンクールでは優勝できない。
 ユミールは、一人その頬を叩き、ステージへと飛び出して行った。
 
「今夜はパーティ 騒ごうエブリワン……♪」
 静かな伴奏に合わせ、パフォーマンスが始まる。空詩の伴奏は、ここまでのギャラリーの盛り上がりをさらに高め、ユミールへの期待値を上げていく。そして、ユミールの第一声が静かに滑り出すと、審査員の、そしてギャラリーの視線はユミール達に注がれる。
「へー、静かに歌うタイプなのかな? でも、盛り上がるのかな……? っとおぉ!?」
 審査員の一人が、その静かな出だしに、こんな物か、と思った瞬間。
 ユミールが大きくジャンプしたかと思えば、ミカヅチ・タケとライラが登場、3人で息の合ったダンスを披露する。
「ほうほう! 3人の息の合ったダンス、キレも良いし素晴らしいですね!」
「しかも、この激しいダンスで、髪飾りとコサージュがワンポイントになって良い意味で可愛い……!」
 ダンス、スタイル担当の審査員がもはやメロメロになっている様子をみて、舞台袖から見ているプリティとダースはぐぬぬ、となっている。
 
「エブリディ パーティ 毎日 騒げー♪」

 曲はサビに向かって突き進んでいく。エイル・アースやリチェルカーレのコーラスが歌声に厚みを与え、伴奏がその歌声の速度を高めていく。ダンスも激しいもののはずなのだが、息切れせずに歌って踊れているのはこの一週間のレッスンのおかげだろうか。
「ヒュー! ノリノリだね! サイコー!」
 歌担当の審査員も、ユミールの虜になっている。客席から聞こえてくるその歓声は雑用をしていた瞬や唯月の耳にも届くほどであった。
 
「よーし、皆楽しんでくれたかな! 今日の優勝者は……、もちろんこの子! ユミールちゃん!」
 パフォーマンス終了後のステージ上。今回の参加者全員がステージで、司会者の結果発表を聞いていた。
 ぐぬぬ、としている3人を尻目に、
「え、ええと、ありがとうございます……!」
 とステージ上で祝福を受けているユミール。
「やった! やったよシリウス!」
「……あぁ、そうだな」
 リチェルカーレとシリウスはステージ袖で喜びを分かち合う。
 ピョンピョンと飛び跳ねるリチェルカーレと、無表情で、しかし喜んでいるであろうシリウス。
「……お前は? 歌で生きていきたいとは……思わないのか?」
 ぽつり、リチェルカーレにそう問いかける。
「わたし? わたしは大事なひとたちに聞いてもらえたら、それでいいの」
 柔らかい微笑みを浮かべるリチェルカーレに、そうか、とシリウスが返す。
 その耳に残る澄んだ歌声は、ユミールでは無く、リチェルカーレの物。
 
「皆さん、本当にありがとうございました!」
 控え室、ステージから降りてきたユミールは、一行に大きくお辞儀をする。
「コレで、これから色んな場所で歌うことが出来そうです! 皆さんのおかげです!」
「本当におめでとう。これも、みんな君の実力だよ。これからも頑張ってね!」
 瞬も、ユミールにこれからの未来へ声援を送る。
 
 その言葉を受けて、大きく頷くユミールは、一回り大きくなったように見えた。


ハミングバード
(執筆: GM)



*** 活躍者 ***


該当者なし




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2018/05/31-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[14] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/11-21:38

花と星…わたしとシリウスですか?ふふ、きれいな呼び名をありがとうございます。
ひとが増えて嬉しいな。
ユミールさんの夢が叶うよう、お手伝いがんばりましょう。

ユミールさんはどんな感じの女の子なのかしら。
お話を聞いていると可愛らしい感じがあるので、お花もそんな雰囲気のものを用意したいです。
ガーベラとか、マーガレットとか。ミニバラとかも可愛いかしら?リボンで止めたいと思うので、よければ唯月さん、似合いそうなリボンを選んでもらえませんか?
絵がお得意ならカラーコーディネートもお上手そうだなって。

シリウスはできそうなことないので、裏方でと言っています。  
 

[13] 杜郷・唯月 2018/06/11-21:33

ううっお仕事の最中なので
ご意見反映出来そうなのはここまでかもです……。

プランは提出済みです。
改めて瞬さんは言ってた通り演技力で表現力をお伝えする姿勢で
わたしは水分補給用の水を用意したり雑用をこなそうと思いますので
何かありましたらプランでご支持頂ければ有難いです。

あまり力になれないかもしれませんが
当日よろしくお願いします……!  
 

[12] 空詩・雲羽 2018/06/11-20:55

わあ。いつの間にやらこんなに人が増えるなんて思ってもいなかったよ。(ニコニコ
・僕と僕の可愛いお人形さん(マドールチェ)
・育ちの良さそうなお嬢さんと神様っぽい名前のお兄さん
・花のお嬢さんと星のお兄さん
・ちょっと自信無さげなお嬢さんと明るいお兄さん
・色白なお嬢さんと厳ついお兄さん
(指折り数えながら楽し気に)
いやぁこんなに集まっているっていうのはそれだけで楽しいね!
皆で出来る事を考えるのも、こうして顔ぶれを眺めるのも楽しい。

こんなにも楽しくてワクワクするのはアイドル志望の彼女にとっても良い事なのさ♪
…だからきっと、彼女は素敵なアイドルになる。絶対にさ?(にっこり  
 

[11] 空詩・雲羽 2018/06/11-20:55

わあ。いつの間にやらこんなに人が増えるなんて思ってもいなかったよ。(ニコニコ
・僕と僕の可愛いお人形さん(マドールチェ)
・育ちの良さそうなお嬢さんと神様っぽい名前のお兄さん
・花のお嬢さんと星のお兄さん
・ちょっと自信無さげなお嬢さんと明るいお兄さん
・色白なお嬢さんと厳ついお兄さん
(指折り数えながら楽し気に)
いやぁこんなに集まっているっていうのはそれだけで楽しいね!
皆で出来る事を考えるのも、こうして顔ぶれを眺めるのも楽しい。

こんなにも楽しくてワクワクするのはアイドル志望の彼女にとっても良い事なのさ♪
…だからきっと、彼女は素敵なアイドルになる。絶対にさ?(にっこり  
 

[10] シュリ・スチュアート 2018/06/11-04:41

シュリとロウハよ。よろしくね。
ギリギリだけども、わたしたちもお手伝いさせてもらうわ。

といっても、皆ほど役に立つ技能があるわけじゃないんだけど……。
でも、素人目線だからアドバイスできることもあるかもしれないわ。
ロウハは……度胸を身につけるための特訓とか? ほら、見た目悪人だし。
とにかく、できることがあれば頑張ってみるわね。

ロウハ「お嬢は不愛想でアイドルとは対局の存在だから、反面教師になるかもしれねーぜ」
そ、そこまで言うことないじゃない……気にしてるのに……。  
 

[9] 泉世・瞬 2018/06/11-01:03

こーんばーんは!
エントランスの話を聞いてギリギリながら駆けつけたよ〜
改めて俺は泉世・瞬。隣の子は杜郷・唯月……いづだよ。

俺が教えられるのは演技力かなぁ?
それがアイドルの表現力に加わるといいなぁと思って。
歌の方は俺よりも上手い人いっぱい集まってるから任せるね!
いづはどーしよーかなー?絵はとびきり上手いんだけどね〜
いづは雑用でも何でもやります!って言ってたから
何でも可能な限り手伝うよー!  
 

[8] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/11-00:39

雲羽さん、エイルさん、よろしくお願いします。
教えられるほどの技量はないんですが…一緒に練習したら気持ちもほぐれるかもしれませんものね。
やってみます。
演奏やダンスはとても素敵なアイディアだと思います。
わたしも見てみたいです。

花飾りは、エイルさんの衣装に合うように考えますね。  
 

[7] 空詩・雲羽 2018/06/10-23:38

あれ…おやおや?また二度発言されてしまったようだね…←エントランスでも二度発言した経験有
バグなのか何なのか分からないけれど、これでは観覧の邪魔になってしまうね?
でもこうなってしまうのは僕だけで、他に二度発言してしまう人もいなさそうだし、どう対応すればいいのか…(うーん…)  
 

[6] 空詩・雲羽 2018/06/10-23:27

おや、歌声が素敵そうなお嬢さんが来たね。いらっしゃい(ニコニコ)
歌の指導は花のお嬢さんに任せても良さそうだね?ほら女の子同士話しやすいと思うし、僕のは所詮旅芸人レベルのものだしさ?(笑)
代わりにといってはなんだけど、(僕が作曲してもいいんだけど)プロの人に作詞作曲してもらって、僕がステージ上で生演奏するってのはどうかな?
そして彼女のハイトーンの歌声を引き立てるよう邪魔しない程度にハモったりしたら、それはそれはとても素敵な事になりそうだと僕は思うなぁ♪
…まあ吟遊詩人風情がステージにしゃしゃり出るなって言われたらそれまでだけどさ(笑)

あ、因みに僕の可愛いお人形さん(マドールチェ)にはダンス指導の他に彼女のバックダンサーとして引き立て役になってもらう予定さ。
僕の可愛いお人形さん(マドールチェ)のダンスは独学だけど自由で縦横無尽って感じで見ていて楽しいよ?それは今まで一緒に旅してきたこの僕が保証しよう。(後ろからクイクイ引っ張られてクスクス)

さて、どんな風にプロデュースするか、意見交換は大歓迎だし大好きさ。
楽しくやろう。  
 

[5] 空詩・雲羽 2018/06/10-23:27

おや、歌声が素敵そうなお嬢さんが来たね。いらっしゃい(ニコニコ)
歌の指導は花のお嬢さんに任せても良さそうだね?ほら女の子同士話しやすいと思うし、僕のは所詮旅芸人レベルのものだしさ?(笑)
代わりにといってはなんだけど、(僕が作曲してもいいんだけど)プロの人に作詞作曲してもらって、僕がステージ上で生演奏するってのはどうかな?
そして彼女のハイトーンの歌声を引き立てるよう邪魔しない程度にハモったりしたら、それはそれはとても素敵な事になりそうだと僕は思うなぁ♪
…まあ吟遊詩人風情がステージにしゃしゃり出るなって言われたらそれまでだけどさ(笑)

あ、因みに僕の可愛いお人形さん(マドールチェ)にはダンス指導の他に彼女のバックダンサーとして引き立て役になってもらう予定さ。
僕の可愛いお人形さん(マドールチェ)のダンスは独学だけど自由で縦横無尽って感じで見ていて楽しいよ?それは今まで一緒に旅してきたこの僕が保証しよう。(後ろからクイクイ引っ張られてクスクス)

さて、どんな風にプロデュースするか、意見交換は大歓迎だし大好きさ。
楽しくやろう。  
 

[4] リチェルカーレ・リモージュ 2018/06/10-21:57

リチェルカーレです。パートナーはシリウス。
どうぞよろしくお願いします。

わたしも歌は大好きです。
何かお手伝いできたらと思って…。
ダンスとか衣装とかはあまりお役に立てないのですけれど…花が好きなので、髪飾りとかコサージュとか、アクセントにできたらなって思います。
どうぞよろしくお願いします(ぺこり)。  
 

[3] エイル・アース 2018/06/10-17:15

初めまして~。雲羽さん。私はエイルと申します!こっちはいつも手助けしてくれるミカヅチです~ミカヅチの方はほとんど歌やダンスの知識がないのであまり協力できないかもしれませんが、私は小さいころからお洋服が大好きだったので衣装の方は任せてください~!
一緒にプロデュース頑張りましょう♪  
 

[2] 空詩・雲羽 2018/06/10-13:58

やあ。はじめまして。僕は雲羽(くもはね)。こっちは僕の可愛いお人形さん(マドールチェ)。
いやぁ本格的な活動は姿絵を描いてもらってからにしようかなとか思っていたけれど、とっても素敵な事が起きそうな気がしたから参加する事にしたのさ。まぁよろしく頼むよ。

…で、早速だけどさ、歌とダンスとファッションセンスで勝負するんだよね?
僕は一応吟遊詩人だからさ、作詞作曲して歌うとか即興演奏とか割とできる方だし、僕の可愛いお人形さん(マドールチェ)ならダンスが得意な方なんだけどさ?
ほら僕ら自由気ままな旅人でもあったからさ?衣装の頓着はあんまりしてなかったのさ…。(ふう、とため息)

だからさ…衣装に関するなんやかやは他の人にぜーんぶ丸投げする事にしたのさ☆(後ろから小突かれ小声で制止され)…っと、ここまで長々と話したけれど、皆で一緒にアイドル志望のお嬢さんを面白おかs(後ろから強めに小突かれ)…ごほんっ!とっても素敵にプロデュースできたら嬉しいよ♪(ニコニコ)