祓:まずは見て回って、売り物を把握するとしよう選ぶも何も、何が売っているかを把握しなくては選びようがないグレールに、どこに何が売っていたかを記憶把握してもらうとしよう俺も記憶力が疎いという程ではないが、内容は確実な方が良い「…いつも、その記憶力を含め、助けられてばかりいるな」感心すれば、自分にはそう思える相手がいるという事実に、心に満足感が満ち溢れた見つけたのは螺鈿細工のオルゴールふと浄化師になる前の記憶がかすめた自分の部屋にも、実母から幼い頃に渡されたオルゴールがある自分は幼心にその音を聞く度に、彼方の霞んだ過去を思い出していたオルゴールを購入してそっと渡す今回が素敵な思い出として残るように
□着物風ガウン祓:さすがにケープコートの上からでは嵩張るな。これを一端置かせてもらい、中のローブの上から羽織るグレールは青竜胆の模様か微かに微笑む「似合っている、な」と俺は流れるような柳模様を。グレールが「柳の下には幽霊がと言う話を聞いたことがある」とぽつりと零すが「今更幽霊に怯える歳でも無いだろう」と冗談めいて笑い合い□星彩館の広大な庭園せっかく素敵な衣装を借りているのに、このような美しい光景を散歩をしないのは勿体ないだろうと、二人で散歩へ庭の端、行き着いた先で笹飾りをやっていると聞いた、その目の前までやって来た。一応、借りてきたペンは持っているだが俺は、自分の願い事を白紙として柳に吊らした
【目的】昼間から巡回しつつ、夕方夜ににまだ海に残っている客がいれば、注意喚起をこの海岸で夕日を見るのはニ回目だが、このような美しい場で警備任務につくことになろうとは思わなかったな『平和』と思っていた場所にも、安寧はない。ここは警備に力を入れるとしよう。グレールにパドルを任せて、サップに二人乗り昼間から乗り、辺りを回遊しつつ日が傾き、夕暮れに染まり始めた頃から、グレールに「背面、5時方向にまだ退けていない客がいる」と、客の位置を伝えそちらへ向かう客に浄化師である旨を明かして「夜の海では我々の目が届かない可能性がある。安全の為にそろそろ上がってもらえたらと思うのだが」と説明し安全に退いてもらいたい
祓:水着はあまり馴染みがない。あまり着用したいとも思わないなよって足が濡れないように、砂浜の宝物を優先して探し拾っていたのだが…「…多少、衣服が濡れるくらいは気にする程でもない、か」少し躊躇しながらも月明かりの浅瀬に、まるで誘われるようにロングブーツの高さ以下の浅瀬へ、足を踏み入れてみた足元に見つけた宝物を見つけて「グレール、ここにも」僅かな童心を覚えるように、無心に微笑んで喰に伝えながらふと、浅瀬から遠くまで広がる海を目に留めた月明かりで、波全てが煌めく絶景「グレール、」呼び掛けかけた言葉が途中で止まった「悪くない景色だ」差し示した先を見た喰が頷くこの景色が、喰と共有出来る事が、とても嬉しい
祓:寛ぎつつも警備も忘れず飲むと素敵な事が起こるカクテルだという俺は果実水がまだ残っているから、気にせず飲むといいと、勧められたカクテルを深く考えずに、グレールに渡したそう言えば『素敵な事』とは何か聞きそびれたなん、何だ? と自分の名前を呼ばれる都度不思議に応え砂浜に指で文字が描かれる…名前しか呼べない、と「ふっ…ははっ、なるほど、そういう時もあるだろう面白いな。気にするな、もっと呼んでも構わんぞ」と、笑いながら狼狽えて何度もこちらの名前を言い掛ける相手を楽しんで見ていたが……ちょっと、待て。待て、なんだ、何か…待て、恥ずかしい、恥ずかし呼ぶな! これ以上は呼ぶな! …恥ずかしいと言っているだろう!