怪我をしたのは楓戦闘中にアユカを庇って腕に切り傷を受ける◆アユカかーくん、今日は部屋でおとなしくしててねあの時、どうして庇ったの?前に出て来るなんて珍しいなって思ってわたしがぼーっとしてたから…ごめんね…ありがとうそれにしてもかーくんの部屋…何も、ないねわたし?わたしはいろいろあるよ、お菓子の本とか変な骨董品とか後で見せてあげるね◆楓これくらい大したことはないのですが…まあ、大人しくしますどうしてって…体が勝手に動いたというかでもパートナーを守るのは当然でしょう謝ることはありませんこれは名誉の負傷と思っておきますそうですか?普通だと思いますがアユカさんの部屋はそうでもないのですか?…では、今度
A◆アユカおお~、これがニホンの文化…!かーくんってこんなに楽しげな国に住んでたんだね~ハツモウデってどういうもの?…さすが本場の人、詳しいね!じゃあ、かーくんの真似するね…ニホンが懐かしくなった?そっか…後でかーくんのニホンのお話、聞かせてね◆楓ニホンはここまで愉快な場所ではありませんよまあ、体験施設とはこういうものでしょう初詣は、年始に参拝して一年の平穏無事を祈願する行事です参拝の作法は様々ですが、その社の決まりに従うものです…いえ私の知るニホンは、こう華やかなものではないのでそういえば、前から思っていたのですがアユカさんの名前はニホン的な響きですね親族にニホン出身者がいるのかもしれません
◆アユカ甘い匂いに包まれるここは…わたしのお店「甘い甘いチョコレート、仕上げに一振り魔法をかけるよ」わたしは当たり前のようにチョコレート細工を作り、お客さんに振る舞うあの人の遺したこのお店で…でも次のお客さんは様子がおかしい厳しい顔でわたしを見つめ、厳しい言葉をぶつけられわたしは一気に現実に引き戻された◆楓幸せな夢、か…きっと彼女は、記憶を取り戻しているだろう肩を軽く揺さぶり、殊更厳しい口調で起こすアユカさん、いつまで寝ているのですか指令に遅れますよ飲み過ぎるなとあれだけ言ったでしょう今の彼女は菓子職人ではない、浄化師だ心の底ではそれをちゃんと自覚していると信じたい起こした後はセイレーンを倒す
◆アユカ幸福の鐘、かあ…気になるよねねえ、わたしたちも鳴らしに行ってみない?ほら、友達同士で鳴らしに行く人もいっぱいいたでしょ?パートナーとして鳴らすのもいいんじゃないかなって(そうかーくんと一緒にいて、ちょっとしたことで心を乱されるのは、きっと信頼が足りてないからだから、パートナーとして絆を強くすればきっと……でも、それでいいのかな)そ、その、ただのパートナーじゃなくて!「仲良しのパートナー」として、ね?◆楓鐘を鳴らすんですか?私達が?どういう風の吹き回し……なるほど、パートナーとしていいですよ、行きましょう(彼女がパートナーであることを望むなら俺も、それに徹すれば楽になれるかもしれない)
◆アユカ突然落下したかと思うと、目の前にかーくんの顔があって彼の上に覆い被さってるみたいで…!?慌てて離れる一体ここ、どこなの!?かーくんに宥められて深呼吸…ごめんね、取り乱してその、落ちた拍子にいろいろ触ったり触られたりしてないかな、って…だ、大丈夫、たぶん触られてないし!だから気にしないで…!◆楓突然落下したかと思うと、アユカさんが覆い被さっていて…などと思う前にパニック状態の彼女を落ち着かせる落とし穴か…まあ、出る手立てはあるでしょうそれにしても、いつになく慌ててどうしたのですか彼女の言葉に一瞬思考が固まるもしかしてその…妙な所に触れてしまったでしょうかだとしたら、なんと詫びればいいか…