食堂:1◆ローザ聖夜にも関わらず任務だったが、早めに帰還する事が出来た部屋に戻ろうとする男の背に声を掛ける…ヘイリー、夕飯に付き合ってくれ・喧騒から少し外れた端の席へ部屋に戻っても、携帯食料で食事を済ませて寝る気だっただろう?今夜は折角の聖夜なんだ美味しい食事で身体を休むのもいいだろ●話題は戦闘の事ばかりだが、想定よりも穏やかな食事が出来て、少し安堵するデザートの前に…本題を切り出そうなあ、ヘイリー貴方が殺しても死なない程度には頑丈、というのはまぁ…分かって来たんだがそれにしたって、防寒に気を遣わなさすぎだ今日の任務でも、指先が冷え切って真っ白だった…指先の感覚が鈍れば、その、武器を振るう際にも支障が出るだろう!いや、責めたい訳じゃないんだ…バツが悪くなりつつ…プレゼントをテーブルの上に置く中身は、手袋だ…私達は曲がりなりにも、パートナーだろう贈り物をするのは、可笑しい事じゃない、はず…だ
◆ローザ瞬く間に個室に押し込まれてしまったな…ヘイリーが相手だというのが癪だが、浴衣には心惹かれるヘイリーを先に着付ける事にして…慌てて背を向ける羞恥心が無いのかこのおっさんは…!肌着を着たヘイリーに向き直り、マダムの指示に従い浴衣を着付けるお世辞にも手際は良く無いが真剣に着付けていく驚く程に似合っているな…普段から浴衣で過ごしたらどうだ?◆次は私の番だが…その、女性用の浴衣に代えて貰っても良いだろうか?後ろを向けと釘を刺して、肌着を着る…村の娘が着ていた姿が、綺麗だと思ったんだ背筋を伸ばし、着付けて貰う中村の営みが聞こえる…この村は活気があり、温かい…貴方の故郷は、この村の様だったのだろうな
◆ローザ故郷へ帰れる、か………まだ、母と会う訳にはいかないなぁヘイリー。貴方の故郷はどんな所だったんだ?黙ってしまったヘイリーに踏み込み過ぎたかと内心焦るが立ち去らず隣に座った彼に少し驚きつつ、じっと言葉を待つ故郷の事を少しずつ話してくれるヘイリーに気付かれない様、彼の横顔を盗み見る宙を…過去を見つめる目がどこか優しげに見えて…ああ、この男にも帰る場所はあったのだなと…ちくりと胸が痛むあまり自分を語らない男の一端を知れた気がする貴方の故郷は…とても良い所だったのだな溜息をついたヘイリーに唐突に小突かれて面を食らういきなり何をするんだ!【3】教団の庭にある人気のないガゼボローザのお気に入りの場所
◆ローザの夢…初夢が、貴方の夢になるなんてな散々見てきた、仏頂面のヘイリーを見据える私の夢の中でさえ、眉間の皺が減る事は無いんだな何故だか、怒りの様な物が込み上げてきて一言も発さない彼の肩を殴る……反応ぐらい、しろよいや、反応を示さないのは私の夢だから、かどうせ夢なんだ、そう思う事にするヘイリーの身体にそっと手を添え…今まで負ってきた傷の位置を思い出し、触れていく一つ一つ、彼が無茶した証を、私の力不足の証拠を思い出していく何故自分の身体を顧みらないのだろうか痛かっただろうに、怖かっただろうに祈る様に触れていく反応を見せた彼の顔を見つめ溜息を付く痛みを感じても、か……私が、援護するしかなさそうだ
◆ローザ「二人の仲は永遠に冷めず、二人を結ぶ糸は永遠に切れない」…か素敵なお話だな恋する依頼主の為に、必ず手に入れてあげよう雪に慣れていないヘイリーへ軽口を叩きながら、宝探しをしよう子供たちの相手をしだしたヘイリーに文句の一つでも言おうと思ったが…顔面に雪玉をぶつけられた…いいだろう、相手になってやろうじゃないか!子供たちに狙いの付け方の助言をしつつ戦ういいかい、あの怖い鬼のおじさんを狙うんだよ?…つい夢中になってしまったな。柄でもなかった一緒に遊んだ子供たちに宝物を譲ってもらえないか交渉しよう…こうやって雪合戦をするのも、楽しいものだなふふ、貴方も楽しそうだったな◆防寒的確に防寒対策スマート