~ プロローグ ~ |
2月。吹く風は冷たく、けれど春の気配を滲ませる。 |
~ 解説 ~ |
●目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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1と3を選択 春の花の神様… だからあの梅の花は こんなにも綺麗に咲いているのね お祭りですもの 小さな神様にもめいっぱい楽しんでほしいわ はじめまして ええと、風華さま…風花、ちゃん? どう呼んだらいいかしら と彼女の前に膝をついて自己紹介と挨拶 ウボーさんたちにも笑顔でぺこり 歌はよく知られている春の歌を 「世界は光に満ち 陽は輝きて鳥は歌う あゆの風が運ぶ 梅の香りと鶯の声」 風華ちゃんも誘って一緒に 春を祝い喜ぶ気持ちを 歌声にのせて高く遠く響かせる シリウスの眼差しに 頬を染めて 奉納が終われば かくれんぼしましょうと シリウスが鬼よ 探してね? 風華ちゃんと手を繋いで 木の陰に 近づいてくる足音にどきどき 名前を呼ばれ ぱっと笑顔 |
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歌を奉納…か 前にトールに聴かれた時は嫌じゃなかった それに神様って言っても風華は子供みたいなものだし、これなら私にもできるかも ウボー達に衣装を用意してもらい着替える 巫女装束というのかしら、ニホン風の、神職が身につける着物 歌もニホン風のもの 少し古い言い回しの祝いの歌を、天に捧げるように歌い上げ その後、風華本人に楽しんでもらえるような手遊び付きの童謡 まずは私がやってみるから、真似してやってみて リズムに乗って楽しく歌う トールの小鼓、なかなか決まってたわ 最初はちょっと緊張したけど、誰かのために歌うのって、楽しい…かもしれない 終わったら元の服に着替えて風華と遊ぶ 何か、大勢でできる遊びがあればいいのだけど… |
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【2】屋台をする 作る料理は梅の果汁を入れた甘酒 ルーノ主導でレシピに忠実に調理し、ナツキの提案で梅の果汁を加えてアレンジ ルーノ:…これは、なかなか悪くないな ナツキ:へへっ、だろー? 風華が手伝ってくれるなら軽い作業を頼む 甘酒をカップに移したり、運んでもらったり ルーノは遠巻きに見守り、ナツキはフォローできるように一緒に作業 手が空いたら甘酒で一息、風華にも勧めてみる 風華はナツキが率先して遊びに誘う。ルーノも勢いに押されて付き合う ナツキ:よーし、何して遊ぶ? かくれんぼなんかは結構得意だぜ、ルーノが鬼な! ルーノ:待て、勝手に話を進めるな ナツキ:せっかくだし皆で遊んだ方がいいだろ、なぁ?(風華に同意を求め) |
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~ リザルトノベル ~ |
●梅の子供神さんに挨拶しよう 梅の八百万の子供神が祭られている神社に、指令を受けた浄化師達はやって来た。 「春の花の神様……だからあの梅の花は、こんなにも綺麗に咲いているのね」 神社の境内を皆と歩きながら、祭られている梅の木を遠目に見つけた『リチェルカーレ・リモージュ』は、パートナーである『シリウス・セイアッド』に声を掛けた。 「確かに、綺麗だな」 シリウスは、いつものように静かに返す。 そんなシリウスに、リチェルカーレは声を弾ませ続ける。 「お祭りですもの。小さな神様にもめいっぱい楽しんでほしいわ」 「……そうだな」 やさしい眼差しを向け、シリウスは返した。 そうしてパートナーと共に境内を進んでいるのは、他の浄化師達も同様だ。 「歌を奉納するんだろ? リコ」 パートナーである『トール・フォルクス』に訊かれ、『リコリス・ラディアータ』は返す。 「ええ。古い歌だけど、祝いの歌があるの。ちょうど良いかなって思って」 「そっか。じゃ、俺にも何か手伝わせてくれ」 これにリコリスが何か返すより早く、トールは続ける。 「奉納と言っても、ここの神さまは子供らしいし。あまり堅苦しく考えずに、彼女に楽しんでもらえたらいいなって思うんだ。だから俺も協力したい」 トールの提案に、リコリスは笑顔を浮かべ返す。 「良いと思うわ。楽しむなら、大勢の方が良いもの。一緒に楽しみましょ、トール」 弾む声で返しながら、リコリスは思う。 (歌を奉納……か) 自然に思い浮かぶのは、以前トールに歌を聞かれた時のこと。 (前にトールに聴かれた時は嫌じゃなかった。今日は、トールも協力してくれるって言うし。それに神様って言っても、ここの神様は子供みたいなものらしいし、それなら私にもできるかも) 歌を歌うこと。そして、その歌を誰かに聞いて貰うこと。 その喜びに心を弾ませながら、リコリスはやる気をみせている。 そんなリコリスを心地好さ気に見詰めながら、トールは思う。 (リコの歌、また聴ける機会ができてよかった) リコリスの歌が大好きなトールは、今回の機会を喜んでいる。 (俺が頼むより、自分から自然と歌えるようになる方が、きっといい歌になる筈だ。それに嬉しそうだし。絶対に、成功させないとな) リコリスのためにも、トールもやる気をみせていた。 そうしてやる気をみせているのは、『ナツキ・ヤクト』も同様だった。 「祭りは良いな、わくわくするぜ!」 祭りの準備がされている境内を進みながら、ナツキは尻尾をふりふりさせている。 「やる気があるのは良いが、ここに祭られている神様に粗相がないように気を付けないといけない。その点は、注意してくれ」 今にもトランスして走り回りそうな勢いのナツキに、パートナーである『ルーノ・クロード』は呼び掛ける。 これにナツキは、不思議そうな表情で返した。 「粗相って、どんなのだ?」 「人々に祭られている神様だからな。失礼がないよう、丁寧に対応した方が良いだろうな」 「そうか? でも、ここの神様って、子供なんだろ? だったら、子供にしてやるみたいに遊んでやった方が良いって」 「どうだろうな?」 「考えすぎだって」 いつも通り、普段の調子でいこうとするナツキに、どうしたものかと少し考えるルーノ。 そうしている内に、依頼人であるウボー達に連れられて、梅の子供神である風華が浄化師達の前にやって来た。 「初めまして風華様。浄化師のルーノ・クロードと申します」 風華を前にして、ルーノが丁寧にあいさつを。 これに風華は寂しそうに、そして少し恥ずかしそうにして、ウボーの足を掴み背中に隠れるようにしながら、何かを応えようとする。 そこにナツキは、普段通り明るく接してやった。 「俺はナツキ。よろしくな、風華!」 ナツキの人懐っこい対応に風華は、ちょこんと小首を傾げ、好奇心を浮かべる。 そしてウボーの背中から前に出て来ると、じーっとナツキの尻尾に視線が釘付けに。 「しっぽー」 「触ってみるか?」 「いいのー!?」 目をきらきらさせ、ナツキを見上げる風華。 そして、とてててっ、と尻尾に向かい、恐る恐るという風に手を伸ばす。 「さらさらだー」 尻尾の手触りに、笑顔を浮かべる風華。 「そっか。もっと遠慮しないで、触っても良いぞ」 笑顔で見上げて来る風華の頭を、くしゃりと撫でて、ナツキは笑顔で返してやる。 「……少し気安過ぎではないか?」 あまりに気安いナツキに、周囲の反応も気にしながらルーノは言った。 けれど、周囲には祭りの準備に勤しむ人々も多くいたが、ナツキの様子を気にする者は居ない。 「ルーノこそ、カタ過ぎじゃねーの?」 ナツキの言葉と、人懐っこそうに見つめて来る風華に、ルーノは苦笑するように思う。 (失礼がないように気をつけるつもりだったが、それを彼女は望まないようだな) 風華に笑顔で返しながら、ルーノは思う。 (彼女が楽しむ事を一番に考え、遊びも手伝いも望むようにしよう。今日は彼女の為の祭りなのだろうから) こうして風華に挨拶してあげるのは、リチェルカーレも同じだった。 リチェルカーレは、風華を連れて来たウボー達に笑顔で挨拶したあと、風華に体を向ける。 「はじめまして。ええと、風華さま……風花、ちゃん? なんて呼べばいいか、教えてくれる?」 年の離れた弟妹のいるリチェルカーレは、慣れた様子で膝をついて自己紹介と挨拶。 これに風華は、にぱっと笑顔で返す。 「あのね、ふうかね、ふうかっていうのー!」 「えらいわね。ちゃんと自分の名前を言えるんだ」 リチェルカーレに褒められて、嬉しそうに笑顔を浮かべたまま、風華は期待するように見詰めて来る。 これにリチェルカーレは、同じように笑顔を浮かべながら応えてやる。 「私は、リチェルカーレっていうの。よろしくね、風華ちゃん」 「りちぇ、るかう……れ?」 不安を滲ませ名前を呼ぶ風華に、リチェルカーレは手を取って、やさしい声で返す。 「言いにくければ、リチェって呼んでね」 「うん! りちぇ!」 「ええ。風華ちゃん」 リチェルカーレと風華は手を繋ぎながら、にっこりと笑顔で名前を呼びあう。 それを見詰めていたシリウスは、リチェルカーレと同じように挨拶をしようと傍に近付く。 すると、それに気付いた風華とリチェルカーレが、近付いてきたシリウスを見上げる。 視線を向けられ、自分が見下ろすような形になっているかと思い、リチェルカーレに倣い膝をつく。 「シリウスだ。よろしく」 挨拶だけでは足らないかと思い、風華の小さな頭を優しく撫でる。 すると嬉しそうに、にぱっと笑顔を浮かべる風華だった。 挨拶は進み、リコリスもトールと一緒に風華に挨拶を。 「はじめまして。リコリスよ」 「俺はトール。よろしくな」 「うん! りこ! とーる!」 リコリスとトールの言葉に、元気よく返す風華。 風華の様子に、リコリスは笑顔で返す。 「ええ、よろしくね。今日は歌を奉納しようと思うから、あとで一緒に歌いましょう」 「うん! うたうーっ。いっしょーっ」 ぴょんぴょん跳ねながら、嬉しそうに喜ぶ風華。 そうして風華の相手をリコリスがしている間に、トールは奉納の歌で必要なものをウボー達に頼む。 「歌に合わせて演奏する物がないかな? あと、リコに奉納の歌を歌う時に似合う服があると良いんだけど」 これにウボー達は、トールには小鼓を、リコリスにはニホンの神職が身につけるという巫女装束を用意してくれることになった。 他にも、浄化師達が必要なものをウボー達が尋ね、用意がされることに。 そうして準備は進み、梅花祭りは開かれた。 ●春歌は風に乗り響く 梅花祭りは、奉納の歌から始まった。 境内に設けられた会場に、リコリスとリチェルカーレは、風華と共に居る。 彼女達の歌声を、人々は静かに、同時に期待して待っていた。 最初に歌を披露するのは、リコリス。 意識を切り替えるように、軽く深呼吸をひとつ。 その呼吸に合わせるようにして、小鼓を手にしたトールが始まりの音を響かせる。 始まりは優しく穏やかに。 歌うほどに、高らかに響き渡る。 その歌声は、風華が吹かせる心地好い春風に乗って、祝福を皆に届けていった。 リコリスの歌が、その場に居る皆をひとつにする。 歌う者と、聞き惚れる者。 そのどちらが欠けても生まれない一体感が、広がっていく。 リコリスは歌う。 天に捧げるように、古い祝いの歌を。 歌うことの喜びを表すように。 そして歌を聞いてくれる皆に、応えるようにして。 (やっぱり上手だな、リコの歌すごく好きだ) 小鼓を打ち鳴らしながら、トールは思う。 (また聴ける機会ができてよかった) それは心からの想い。 リコリスの歌と、歌に捧げるような彼女の懸命な姿に、見惚れてしまう。 (今日のリコは、神々しい感じがしてすごく綺麗だ……) そう思うトールと、歌い続けるリコリスは、共にニホンの神職の服装をしている事もあり、2人でひとつであるように似合っていた。 それはきっと、小鼓を打つトールと、リコリスの歌声が心地好く重なっていたこともあるだろう。 皆が聞き惚れる歌は、やがて終わり。 余韻を味わうような間を空けて、拍手が響く。 拍手にリコリスは笑顔で応えると、今度は風華と歌うことに。 「一緒に歌いましょう、風華」 「うん! うたうーっ!」 そしてリズムに乗って楽しく歌う。 「まずは私がやってみるから、真似してやってみて」 「うん!」 それは手遊び付きの童謡。 にこにこ顔の風華と共に、手遊びをしながらリコリスは一緒に歌ってやる。 その微笑ましさに、皆の顔には穏やかな微笑みが浮かんでいた。 リコリスと風華の歌が終わり、次はリチェルカーレの歌が。 「風華ちゃん。一緒に歌いましょう」 「うん! りちぇといっしょーっ!」 嬉しそうに喜ぶ風華と共にリチェルカーレは、よく知られた春の歌を響かせる。 「世界は光に満ち。陽は輝きて鳥は歌う」 その歌声は、春を祝い喜ぶ気持ちを乗せて。 風華が吹かせる春風に運ばれて、遠く高く響き渡る。 「あゆの風が運ぶ。梅の香りと鶯の声」 心地好く、温かい。 それは聴く者の、心を和ませる優しい歌声。 皆は、その歌声に耳と心を傾ける。 「…………」 シリウスは静かに、歌声に聞き惚れる。 (リチェらしい、歌だな) 邪魔にならない位置で聴きながら、リチェルカーレを見詰めるシリウスの眼差しは優しい。 春が好きだというリチェルカーレの歌声は、透き通るようで。 陽だまりのような笑顔を浮かべ、頬を少し染めて歌う姿に、シリウス自身も無意識の内に表情を緩めていた。 シリウスの穏やかで優しい眼差し。 自分を見詰めるシリウスに気付いたリチェルカーレは、頬を染める。 胸の内から、温かな気持ちが湧き。 それは歌声にも乗り、あでやかさも合わさっていく。 聞き惚れる皆は、リチェルカーレの歌声に心地好さを感じ。 終わりの時が来ても、静かに余韻に浸る。 しんっ、とした静かな余韻が過ぎたあと、大勢の拍手が称えるように鳴り響く。 もちろんその中には、シリウスの心からの拍手も重なっていた。 祭りの始まりを告げる奉納の歌は、盛況をみせる。 それは祭りに参加している人々の表情を見れば明らかだ。 奉納の歌は大成功。 その賑わいを受け、屋台も繁盛していく。 それはナツキとルーノの屋台も同様だった。 ●梅の甘酒をおひとつどうぞ 「……これは、なかなか悪くないな」 「へへっ、だろー?」 ぴょこんと耳を立てながら、ナツキは笑顔でルーノに返す。 ルーノが手にしているのは、梅の果汁を加えた甘酒の入ったカップ。 梅の果汁が加えられているので、すっきりとした味わいが楽しめる。 「これなら、皆に喜んで貰えるだろう。さっそく、用意しないとな」 「おう、頑張ろうな。ルーノ」 2人はテキパキと屋台の準備。 そこに、奉納の歌が終わった風華がやってきた。 「あー、なに、なにしてるのー? ふうかもてつだうー!」 とてててっ、とナツキとルーノを見つけ、笑顔で走り寄る。 「手伝ってくれるのか? ありがとな!」 「なら、カップを並べるのを手伝ってくれるかな?」 「うん! やるー!」 満面の笑顔を浮かべ風華はお手伝いを。 「こっちに並べてくれるか?」 ナツキは風華と一緒に作業を行い、ルーノはいざという時に手伝えるように注意しながら、少し2人から離れて客の呼び込みを。 「美味しい、梅の甘酒です。一杯どうですか?」 「絶対美味いから、飲んでくれよな!」 ルーノの丁寧な呼び込みがお客の流れを作り、ナツキが次々お客にカップを渡していく。 「あげるー!」 間間に、小さなお盆にカップを乗せた風華がお客に持って行き、梅の甘酒の屋台は盛況をみせる。 途中、少し一休み。 「風華。飲んでみるかい?」 「うんっ、のむー!」 ルーノに勧められ、風華は梅の甘酒の入ったカップを受け取ると、飲まずに待っている。 「なつきは? るーのは? みんなは、のまないの?」 じーっと期待するように見詰めながら言う風華に、ナツキとルーノは笑顔で返す。 「よし、一緒に飲もうか、風華」 「そうだな。皆で飲むとしよう」 風華の提案に、ナツキとルーノは他の浄化師の分もカップに入れて差し入れに。 「リコ、一緒に飲もうぜ」 屋台で何かないかと探していたトールは、梅の甘酒を受け取りリコリスに渡す。 すっきりとした味わいの甘酒は、歌で疲れた喉を癒してくれる。 「お疲れ様、歌すごく良かったよ」 「トールの小鼓、なかなか決まってたわ」 トールの言葉に返しながらリコリスは思う。 (最初はちょっと緊張したけど、誰かのために歌うのって、楽しい……かもしれない) 「美味しい」 梅の甘酒を飲み、嬉しそうに笑顔を見せるリチェルカーレを、シリウスは心地好さ気に見詰める。 「シリウス?」 視線に気づいたリチェルカーレが声を掛けると、シリウスは視線を合わせながら言った。 「良い歌だった」 シリウスの言葉に、リチェルカーレの頬がほんのりと赤く染まる。 「……嬉しい」 心地好い恥ずかしさに包まれながら、リチェルカーレは喜びを言葉で返した。 「美味いな!」 「おいしいー!」 ナツキと風華は、満面の笑顔で喜んで。 「ああ、美味いな」 ルーノは、2人の様子に苦笑するように返した。 こうして奉納も屋台も終わり、あとは片付け。 とはいえ、それは祭りを取り仕切っているウボー達がするということで、浄化師たちはその間に風華と遊んでやることにした。 ●風華と遊んであげよう 「何して遊びましょうか? 何か、大勢でできる遊びがあればいいのだけど……」 皆で集まる中、リコリスの言葉に皆は返していく。 これに真っ先に提案したのはナツキだ。 「皆で遊ぶんだろ? かくれんぼなんか、どうだ?」 「かくれんぼ?」 「おう、結構得意だぜ。ルーノが鬼な!」 「待て、勝手に話を進めるな」 「かくれんぼなら、皆で遊べるし良いだろ、なぁ?」 ナツキが風華に同意を求めると、風華はぴょんぴょん跳びはねながら喜んで返す。 「かくれんぼー! するー!」 やる気満々である。 という訳で、皆でかくれんぼをすることに。 鬼は、じゃんけんで。 すると最初の鬼は、シリウスに。 「シリウスが鬼よ、探してね?」 そう言うとリチェルカーレは、風華の手を繋いでやる。 「一緒に隠れましょう、風華ちゃん」 「うん! りちぇといっしょー!」 手を繋いで貰えたのが嬉しいのか、満面の笑顔になる風華。 するとリチェルカーレと風華の2人は、期待感いっぱいの声で言った。 「見つけてね、シリウス」 「みつけてねー!」 2人分のきらきらとした眼差しを向けられたシリウスは、苦笑するように軽くため息をついて、鬼役を了承する。 「まーだだよ」 「まーだだよ!」 楽しそうなリチェルカーレと風華の声が遠ざかるのを聞きながら、シリウスは100数える。 その間に、リチェルカーレと風華は木の影に。 「ここならみつからないね!」 「ええ。見つけて貰えるまで、一緒に隠れていましょうね」 「うん!」 リチェルカーレと風華の2人が隠れ終る頃、シリウスは2人を探し始める。 (どこだ?) 思っていた以上に2人を見つけられず焦り始めた頃、見間違いようのない髪と花の香りに気づく。 苦笑するように力を抜き、2人の元に。 シリウスの足音が近付いてくるほどに、リチェルカーレと風華はどきどきしていく。 待ち望むような時間が過ぎて、シリウスは2人を見つける。 「リチェ、風華。……見つけた」 シリウスの呼び声に、リチェルカーレと風華は、花開くような笑顔を見せる。 「見つかっちゃった」 「みつかったー」 見惚れるほどの嬉しそうなリチェルカーレの笑顔に、シリウスは一瞬呆けたように息を止め。 1拍おいて、淡い微笑をみせるのだった。 そしてシリウスは、他の浄化師達も見つけ出し、かくれんぼは2回戦。 「次の鬼はルーノな! 隠れようぜ風華!」 「かくれるー!」 ナツキと風華は、ルーノが鬼になったと分かった途端、たたたっと走り出す。 「元気が良いことだ」 ルーノは苦笑するようにため息一つ。 そして100を数えていく。 その間に、ナツキと風華は隠れる。 「この姿だと、隠れ辛いな」 そう言うとナツキはトランス。 すると風華は、目を真ん丸にしてナツキを見詰める。 (驚かしちまったか?) そんなナツキの懸念は杞憂だった。 「いぬー! いぬー! すごいねー! なつきすごいねー!」 興奮したように、はしゃぐ風華。 「いいなー、いいな! なつきいいなー!」 風華の様子に安心したナツキは、かくれんぼを続行。 「風華、ルーノが来る前に隠れるぞ!」 「かくれるー!」 2人はダッシュで隠れる。 のだが、風華は犬の姿になったナツキと一緒に居るのが嬉しくて、きゃっきゃと喜んでいる。 当然、あっさり見つかる。だが―― 「まだだ! 逃げるぞ風華!」 「にげるー!」 「待て! それだと鬼ごっこになってしまうだろう!」 ルーノのツッコミもなんのその。 ナツキは風華を背中に乗せて走り回る。 遊びが変わってしまったが、大喜びの風華だった。 そうしてかくれんぼから鬼ごっこになった遊びを十分堪能し。 風華は満面の笑顔に。 そして遊びの余韻が残る中、トールは風華を、ひょいっと抱き上げる。 「梅の木よりは小さいけど、なかなかの眺めだろ」 トールは風華を抱き上げると、そのまま肩車。 「たかーい!」 喜ぶ風華。 そんな2人の様子を見て、くすりとリコリスは笑みを浮かべる。 (トール、子供の扱い上手いんだ) 「良かったわね、風華」 リコリスが傍に近付き声を掛けると、風華は嬉しそうに返す。 「うん! あのね、とーるね、たかいたかいしてくれるのー! りこも、りこもしてもらう?」 「私は大丈夫。大人だもの」 苦笑するようにリコリスは返し、風華を肩車してやっているトールと共に、境内を散歩してやった。 こうして梅花祭りは終わりをみせる。 浄化師達のお蔭で、風華は終始ご機嫌で、いつになく満開の梅の花が咲くお祭りになった。
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*** 活躍者 *** |
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[4] ナツキ・ヤクト 2019/03/04-23:57
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[3] リチェルカーレ・リモージュ 2019/03/03-22:34
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[2] リコリス・ラディアータ 2019/03/03-20:42
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