~ プロローグ ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ 解説 ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
~ ゲームマスターより ~ |
※イベントシチュエーションノベル発注のため、なし。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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舞台…300年後 エフェメラが海岸を見回り(もとい散歩)中に、謎の女性を保護して… エフェメラ様、彼女は? 「わからん……急に流されてきた…」 怪我があるみたいですね、とりあえず運びませんか? 目覚めた彼女は酷く混乱している 無理もないわ、知らない場所は誰だって警戒する 大丈夫、私はあなたの敵じゃない 大丈夫、私はあなたを傷つけない……刃を収めて 何とか落ち着いた女性を治療しつつ とりあえず、上に話を……メフィスト様に聞いた方が手っ取り早いかしらねぇ 名前は?…そう、私はシィラ あの方はエフェメラ様、震えてるけど吃驚してるだけだから大丈夫よ ほらエフェメラ様、自己紹介してください! |
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~ リザルトノベル ~ |
歴史は進む。 人は創造神との決戦に打ち勝ち。 神なき世界で、争いと融和を繰り返しながら生きていく。 それは賑やかで騒々しく、活力にあふれた日々。 悲しみと喜びを積み上げて、歳月は過ぎていくのだ。 残された者に、想い出を贈りながら。 (ここは変わらぬな) のんびりと海岸線を歩きながら、『エフェメラ・トリキュミア』は想い出にふける。 心に浮かぶのは、今は亡き家族たち。 (あれから三百年か……) 大切な家族との出逢いと、その後に起ったネームレス・ワンとの戦い。 世界を創った創造神との戦いに勝利してから三百年が過ぎている。 三百年。 言葉にすれば短いが、思い返すには時間が掛かるほどには長い。 その間に家族と紡げた日々は、大切な宝物だ。 「……ふふっ」 想い出と共に笑みが浮かぶ。 色々と辛く苦しいこともあったが、思い浮かぶのは楽しいことばかり。 きっとそれは、幸せだったからだろう。 そして今も、幸せなんだと思う。 (シィラも、同じ気持ちであろうな) しみじみと思う。 愛弟子であり娘とも言える『シィラ・セレート』は、今もシルキーとして働いている。 それはもう、バリバリと。 滅びかけの異世界がぶつかってきて同化したり、その影響で異世界と繋がり易くなったり。 あるいは、異世界からの漂流者が訪れるのが日常になっている現在。 世界間の軋轢を減らし安定を図る組織、『全界連盟(ワールドオーダー)』の一員として本部の護りや、職員の寮母さんとして頼りにされている。 そうなるまでには紆余曲折があったものの、今では前向きになり、「とりあえず頑張れるだけ頑張ろうかしら」と気軽に言えるぐらいになっていた。 変化しているのは内面だけでなく、見た目も成長している。 三百年前は、どちらかといえば幼さを残した見た目だったが、今ではすらりとのびやかに、大人の女性へと近づきつつある。 それは内面の変化も関わっているが、シルキーとしての性質も関わっているようだ。 八百万の神に見られる『信仰現象』。 他者からの観測と空想が本人に影響を与え霊格が上昇することだが、シルキーとして働く内に皆から信頼され好意を向けられることで、それが起ったらしい。 今では『家神』として、自身の領域であり器でもある連盟本部であれば、ある種の異界として支配できるぐらいの力をもっている。 「成長したなぁ……」 しみじみと思うエフェメラ。 なぜか涙ぐんでる。 エフェメラもエフェメラで、三百年分の成長をしているのだが、根っこが変わる訳もなく。 今では大魔女の1人として、有事の際には連盟に駆り出されるぐらいに強い、というより非常勤職員としていつの間にか採用されていたりするが、駆り出される度にぎゃーぎゃー叫ぶのは変わってない。 職員としては慣れた、というか慣れざるを得なかったので、今では(生)温かい視線を向けられることが多い。 力を持ったぐらいで性格変わるなら苦労はしない、という良い見本だった。 本人は、シィラが連盟本部に居るので住まいをそこに移しているが、ビビりなので基本人の目につかないようにこそこそしている。 なのに何かあれば駆り出されて力を振るう日々。 エフェメラもエフェメラで、誰かが困っている所に遭遇したら、そっと助けたりしてるので、お助け妖精みたいなノリで一部の連盟職員に噂されていた。 それが今、エフェメラが1人、浜辺で散歩している理由である。 (ふぅ、落ち着く) のんびり1人で居るので、微妙に緩んでいる。 何人もの相手に追い駆けられていた時とは大違いだ。 エフェメラが、今1人で浜辺に居るのは、レアキャラ扱いされたからだ。 連盟本部の職員が、ちょっとした出来心でSNSに、 ワールドオーダーのレアキャラ! 会えると幸運が巡って来るらしいよ! などと書き込みし、それがバズっちゃったのだ。 結果、一目見ようという見学者が増加。 しかも職員の中にも、会ったことが無いので見に行こうとする者まで出る始末。 当然、エフェメラはビビった。 SNS? ネット? 動画投稿ってなに!? パニックになり、三百年前に住んでいた海岸沿いに緊急避難したという訳だ。 ちなみに、かつての家族が転生し再び縁を繋ぐことの出来た子達のお蔭で、諸々の騒動は収まりを見せている。 ついでに言うと、切っ掛けとなった職員は始末書の山と減給になっていた。 (ふぅ、落ち着く……五年ぐらいここで隠遁しても良いかもしれん) 魔女なので時間感覚がズレたことを思いながら浜辺を歩く。 プライベートビーチになっているので人は居ない筈だった。なのに―― 「――っ!」 浜辺に打ち上げられた人物を、エフェメラは見つけた。 「遭難者か!?」 慌てて駆け寄る。 ビビりだが、こういう時は迷いが無い。 「大丈夫か!?」 声を掛けながら魔力探知で確認する。 (これは……――) 一目見て分かる。 彼女は、この世界の住人ではない。 透き通るような海色の髪は、それ自体が水で出来ている。 それどころか肉体自体がほぼ水で出来ており、魔力を循環させることで人の形を維持しているようだ。 (妖精? いや違うようだが、魔力生命体の類であるのは間違いない) 魔力を元に形作られる生命が魔力生命体だが、目の前の彼女は、物質化された魔力で肉体を構成している。 (八百万の化身体……とも違う。純粋に、物質化した魔力のある世界で進化した生き物のような……) とにかく彼女は、この世界の住人ではないことは確実だった。 だからといって、このままにしておくことは出来ない。 どうにかしないといけないと思いつつ、見知らぬ相手と話すのが怖かったエフェメラは、シィラに助けを求めた。 「シィラ助けて!」 魔法を使った通信で呼び掛けると、すぐに返事が来た。 『エフェメラ様? どうしたんです?』 「細かいことは後で話す。すまんが、ちょっと転移させてくれ」 『それはいいですけど――』 シィラの返事を最後まで聞く余裕のないエフェメラは、転移門を起動。 それを通ってシィラが現れると、砂浜に横たわる彼女に気付いた。 「エフェメラ様、彼女は?」 「わからん……急に流されてきた……」 エフェメラの話を聞きながら、シィラは女性の状態を確認する。 「怪我があるみたいですね、とりあえず運びませんか?」 「うむ、分かった」 シィラに促され、エフェメラは転移門を使い、連盟本部にある自分の部屋に全員で転移する。 「ベッドで寝かせてあげましょう」 「そうだな」 シィラが指示してくれるので、エフェメラはテキパキと動く。 魔法で、ふわりと浮かばせると、そっとベッドに横たえた。 「……思った以上に怪我が多いですね」 確認すると、幾つもの傷が見える。 (この怪我は……) 海に流されたにしては怪我の仕方に違和感がある。 (何かに巻き込まれた?) 推測しながら、シィラは本部内の治療道具を召喚。 そこにエフェメラは言った。 「治療するなら回復系の魔術か魔法を使った方が良い」 「そうなんですか?」 「うむ。どうも、この世界以外の魔力生命体のようだ。魔力に直接干渉する類の術式を使った方が良い」 2人で話していると、うめくような声が聞こえる。 見れば、ベッドに横たわる彼女が意識を回復したようだ。 「好かった。目が覚めた――」 シィラが声を掛けようとすると―― 「貴様ら、何者だ!!!」 勢い良く体を起こし武器を取り出すと切っ先を向けてきた。 「ひっ!」 ビビるエフェメラ。 武器が怖いわけではなく、知らない相手に怒鳴られたので怯んだのだ。 実際の所は、獅子が仔猫に鳴かれて身体を縮めているようなものである。 エフェメラの様子から、危険度は低いと察したシィラは、武器を向ける彼女を見詰める。 (震えてる) 顔は青ざめ、必死に抗おうとしているように見えた。 (無理もないわ、知らない場所は誰だって警戒する) シィラは女性を安心させるように、優しい声で呼びかけた。 「私達は貴女に危害を加える気は無いわ。むしろ助けたのよ」 「……」 警戒しながらも、彼女は迷うような視線を向ける。 それを柔らかく受け止めながら、シィラは呼び掛け続けた。 「大丈夫、私はあなたの敵じゃない」 「……」 じっと見つめる彼女の視線を受け止めながら、ゆっくりと距離を縮める。 「大丈夫、私はあなたを傷つけない……刃を収めて」 そっと、武器を持つ震える手を両手で包んだ。 「……」 無言のまま、彼女は武器を落とす。 そんな彼女の肩を引き寄せ、安心させるように抱きしめた。 (なんとかシィラがなだめてくれた) 胸を撫で下ろすエフェメラ。 (睨まれたの久々で泣くかと思ったぞ! 我!) 実際涙ぐんでる。 とはいえ冷静になったので、改めて観察する。 (……傷と武器からして戦士だろうか? 戦地に赴いていたと見た。それならこの異様な警戒心にも頷ける) エフェメラが観察している間に、シィラは回復系の魔法で傷を癒していく。 「とりあえず、上に話を……メフィスト様に聞いた方が手っ取り早いかしらねぇ」 「うむ、それなら我が探して……そういえば、動画をアップするとか言ってた者達は……」 「大丈夫です。あの子達がなんとかしてくれました」 「そうか。うむ、なら大丈夫だな」 安堵するエフェメラ。 2人の様子を見ている彼女に、シィラは問い掛ける。 「名前は?」 「………アプスルシア、わたしの名だ」 (ちょっと間が開いたが、まぁ大丈夫だろう) アプスルシアと名乗った彼女の様子に、エフェメラは警戒心を薄れさせる。 そこに、シィラが自分の名を告げた。 「私はシィラ。あの方はエフェメラ様、震えてるけど吃驚してるだけだから大丈夫よ」 「いやこれは震えているのではなく――」 「ほらエフェメラ様、自己紹介してください!」 「エフェメラだ! 怖い者じゃないから心配するな!」 自己紹介をすると、アプスルシアはシィラを見詰めている。 「……シィラ」 「ええ。私の名前よ」 少し驚いているような表情で見詰めるアプスルシア。 見詰められたシィラは、安心させるように笑みを浮かべた。 (うむ、これなら問題あるまい) 大丈夫だと思ったエフェメラは、アプスルシアをシィラに任せることにする。 「とりあえず我はメフィスト殿を探してくるなー」 手をひらひらとさせながら部屋を後にする。 (1人で探すのか……緊張する!) 見知らぬ相手の世話をするより良いとはいえ、人探しも得意とは言えない。 けれど、アプスルシアを放置しておく訳にはいかないので、メフィストを探す。 (……それにしても――) 探しながら、浮かんでくる疑問。 (彼女、どうやってここに来た? 異界衝突? いや、なら彼女だけは不自然だが……) それと同時に感じる、奇妙な既知感。 今日ではない、いつか。ここではない、どこかで。 それはまるで、『時間矛盾(タイムパラドクス)』のような、捉えどころの無い感覚。 (それも含めて、メフィスト殿に訊いてみるか) 今のメフィストは、バレンタインデーの時期には死んで、時間神として、煉界を含めた関連世界の時間関連の調整をしている。 (以前に我とシィラは、アプスルシアと出会ったのかどうかを、な) ビビりだが大魔女なエフェメラは決意すると、メフィストを探すことにした。
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*** 活躍者 *** |
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