~ プロローグ ~ |
サンディスタム。 |
~ 解説 ~ |
○目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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「笑ってただいまって言えば、いいんじゃないか」 親も死んだと諦めてた子供が帰ってくるんだ、嬉しいだろうさ…多分 …本当の名前も何もない私からしたら、羨ましいよ 男達だけしか交渉の場には入れない様なので、女性達と交流 …交流に使えそうな特技、ないんだが… 「利害関係もあって、相棒になったというか」 あいつはエレメンツの魔力が見える目が欲しくて 私は…何も解らなかったから、教えてもらいながら、日々生きてる、というか… …武器…剣の使い方は、なんとなくわかったから…浄化師としてはそれで、なんとか… へ?メルキオス…? …何時もへらへらしてるけど、真面目な顔してる時は綺麗だと思う ハープ、弾くの上手いし 頼りになる相棒、かな |
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令花 メルキオスさんのお話をもとに 青衣の民さんと浄化師との出会いの物語を作ってそれを表現 【物書き】【ポエム】で叙事詩を作り 仲間がそれをモチーフに曲とタペストリー作成 演奏の一番盛り上がるところで美しいタペストリーが舞台に広がる演出で 両者の友愛を表現 和樹 「すまねーな、正直頭使うのは苦手なんだ。みんなに任せるぜ 俺は戦いが起こる状況のほうが良いと思ってる 無難に推移するってのはリスクもリターンもない 好感度が高くもしくは低くなるってのは 良くも悪くも「攻めてる」ってことだからな そして戦いは・・・スデゴロか。(鮫のように笑い)上等。 「絶対防御ノ誓イ」でみんなの壁になるぜ。盾があってもなくても、やるこた一緒だ。」 |
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※アドリブ歓迎します ※「会話術レベル5」と「演技レベル3」をフルに使う (法外な値段をふっかけられたら) 知り合いにウボーという人がいるんですけれどね。 流通と経済に大きな影響力を持ってまして。 貴族である僕なら伝手で紹介できるんだけれどなあ? もしそうなったら、サンディスタムはもっと潤うでしょうね。 (身ぶり手振りを交え、彼らの周辺を歩き) それにくらべたら、こんなガラクタ邪魔になるだけだと 思いません? 本当は僕も嫌ですが、何なら買い取っても構いませんが。 (相手より安い金額を提示) (戦闘になったら) 良いでしょう。殴り合いで戦いましょうか。 |
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…ちゃんと、できるのかな。貴族の方と話すの…あまりないから機会とか え。そ、そう? でも平気 皆いるもの。…頑張る あなたも、 …その…。交渉、頑張って 【交流】 ・メイクができるので、普段どのようにしているのか等で会話できれば。 「皆さんは、普段どんな感じにメイク、されてらっしゃるの、ですか?」 ・医学も、興味を持ってもらえるようなら、 急な怪我にも対応可能だと話してみる。 「…ええと…なにかあれば、仰ってください。まだまだ、未熟、なんですがお役に立てると嬉しい、です」 男性側の戦闘で怪我等あって対応出来そうなら、治癒(医学) |
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エフドの交渉計画 1.最初の言い値→馬鹿言え(笑) 2.次の値段→「○○人(がめつい商売で有名な人達)は、言い値の次にいきなり半額にするフェイントをよく使うそうだ。あんたもそういうの好きかい?」 3.大きい資材を最大限値切る 馬などで運びにくそうなもの、一見形が悪くて使いにくそうなものを示し、それらにはこっちから人を送ってもいいが、それだとむしろ引き取り料が欲しい、という風に。(乗馬、日曜大工) 戦いはGK7で崩されないようにし、GK1で攻撃。 ラファエラの交流 両国のファッション、ナンパ、プロポーズにまつわる馬鹿話で下品に盛り上がる。(ナンパ、メイク) 詩や音楽でプロポーズするなら、笑える醜聞も多いだろう。 |
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~ リザルトノベル ~ |
青衣の民との交渉と交流に向け、浄化師達は目的地に向かっていた。 砂トカゲの背に乗って、パートナーと会話しながら進んでいる。 そんな中、複雑な表情をしているのは『メルキオス・ディーツ』だった。 (帰りたい……ずっとそう思ってたけど) 少しずつ家族の待つ場所に近付きながら、メルキオスの胸中に浮かんでくるのは奇妙な感情。 それが表情に出てしまっている。 「どうした?」 「え?」 声を掛けられ、メルキオスは我に返る。 視線を向ければ、自分を見詰める『クォンタム・クワトロシリカ』の顔が見えた。 クォンタムは視線を合わせながら続ける。 「いつものお前らしくない。なにか気になることでもあるのか?」 これにメルキオスは苦笑するように返す。 「どういう顔すればいいか、解んないんだ」 「家族にか?」 「うん」 「そうか。なら――」 クォンタムは静かに言った。 「笑って、ただいまって言えば、いいんじゃないか」 「……いいのかな? それで」 「親も死んだと諦めてた子供が帰ってくるんだ、嬉しいだろうさ……多分」 「……それもそっか。ありがとう、少し気持ちが軽くなったよ」 「……」 「どうしたの?」 僅かに目を伏せるクォンタムにメルキオスが尋ねると、彼女は返した。 「本当の名前も何もない私からしたら、羨ましいと思ってな」 「……いつか分かるよ、きっと」 メルキオスは静かに返すと、いつものような漂々とした態度に戻り煙草を吹かした。 目的地に向かいながらパートナーと話す者は他にも。 「頑張らなくちゃね、和くん」 意気込む『桃山・令花』に、弟である『桃山・和樹』は元気良く返す。 「おう! もちろんだぜ! へへっ、それにしても――」 「なに?」 「ねーちゃん、最近やる気になってるよな。自信が出てきたっていうか、その、あれだ、すっげー良いことだぜ!」 「そう、かな?」 「おう! 絶対そうだって!」 和樹の言う通り、令花は浄化師になったばかりの頃に比べ、活力に溢れている。 それは浄化師として指令をこなす中で、人と人との繋がりを思い出し、結果に繋げることが出来たと思えたからだ。 他にも、本部で行われたファッションリーダーに選ばれて、自分は誰かに認めて貰えたんだ、という喜びも彼女の力になっている。 自信は行き過ぎれば過信に繋がるが、そうでなければ必要な物。 なにより適度な自信は、見る者を惹きつける魅力にもなるのだ。 「ねーちゃん、頑張ろうな!」 「もちろんよ。指令を成功させたいし、それに――」 (仲間の皆さん、青衣の民の皆さんのお話を漏らさず聞いて、小説のネタとしてストックよ! こんな取材めったにないもの!) 物書きとしての本音に正直な令花だった。 そんな彼女は、仲間の浄化師と協力して、交流のための下準備をしている。 令花が担当しているのは、メルキオスの話を元に作った、青衣の民と浄化師との出会いの物語。 叙事詩として表現し、それに合わせて音楽とタペストリーを披露する算段だ。 それを成功させるべく、一生懸命自分の作った物を見直している者も。 「あとは、これとこれを合わせて――」 美しく、そして丁寧に作られたタペストリーを、何度も見直しているのは『ララエル・エリーゼ』。 彼女は卓越した裁縫の腕で、令花が作った叙事詩に合せ、タペストリーを作っていた。 予定では交流の際に、叙事詩の内容に合わせタペストリーを縫い上げるつもりだ。 一から全てを縫い上げるとさすがに時間が掛かるので、最後の仕上げの部分を残していた。 だが今でも十分に、目を惹くほど綺麗だ。 それでも見直してしまうのは、指令を成功させたいと思っているから。 一生懸命な彼女の姿に『ラウル・イースト』は目を細め、優しい声で言った。 「頑張ってるね、ララエル」 「え、あ、はい! その、令花さんが、すてきな叙事詩を作ってくれましたから。それをもっともっと、すてきに出来る手助けが出来ればなって」 「大丈夫だよ、ララ」 そっとララエルの手を取り、ラウルは言った。 「こんなにも素敵なタペストリーを頑張って作ったんだ。きっとみんな、気に入ってくれる」 「そう、でしょうか……?」 不安げなララエルを安心させるように、ラウルは応える。 「もちろんだよ。少なくとも僕は、とても素敵だと思う。なによりララエルは頑張ったんだ。その頑張りは、きっと応えてくれる。だから自信を持って、ララ。応援しているからね」 自分を想ってくれるラウルの言葉にララエルは、ほにゃりと表情を綻ばせ嬉しそうに返す。 「はい、頑張ります! ラウル!」 「うん、その意気だよ。僕も頑張るからね、ララ」 仲良くお互いを想いながら言葉を交わす2人。 同じように、お互いを気に掛けながら言葉を交わす者は他にも。 (……ちゃんと、できるのかな。貴族の方と話すの……そういう機会、あまりなかったし) 砂トカゲの背に揺られながら、どこか緊張した面持ちで心配する『レミネ・ビアズリー』に、『ティーノ・ジラルディ』が声を掛ける。 「……表情が固いぞ。レミネ、大丈夫か?」 その声は、レミネのことを気に掛けているのが伝わってくるほど優しかった。 だからレミネは、安心させるように返すことが出来た。 「え。そ、そう? でも平気」 視線を合わせ続ける。 「皆いるもの。……頑張る」 そして、どこか少し恥ずかしそうに、ティーノを応援するように言った。 「あなたも、……その……。交渉、頑張って」 彼女の言葉に、ティーノは自然と微笑みが浮かぶ。 「ああ、どこまで出来るか分からないがな。やってみよう。俺も一人じゃない」 仲間との連携も意識して、ティーノはレミネに力強く返した。 皆がパートナーとお喋りをして進む中、『エフド・ジャーファル』は『ラファエラ・デル・セニオ』に声を掛ける。 「何だか楽しそうだな」 エフドは、悪戯じみた表情を浮かべているラファエラに声を掛ける。 これにラファエラは、持って来た雑誌の中身を確認しながら返した。 「ええ、そりゃね。どんな醜聞が聞けるか楽しみだもの」 「醜聞ね。別にかまわんが、ほどほどにな。一応、交流をしに行くんだからな」 「バカねぇ。だからじゃない」 小さく笑みを浮かべながら、ラファエラは続ける。 「女同士で盛り上がれることって言ったら、男の醜聞を笑うことでしょ?」 「そういうもんか?」 「そうよ。別に、全部がそうだっていう気はないけど、好きな話のひとつには違いないわ。両国の懸け橋になるためにも、その手の界隈のバカ話をお互い披露するつもり」 「酒の肴に馬鹿話をするようなもんか。それなら、良いんじゃないか。問題は、向こうが乗って来るかだが」 「大丈夫でしょ。聞いた話だと、青衣の民って、いざとなれば女も戦うみたいだし。えぇと、なんて言ってたかしら――」 しばし思い出すため沈黙し、続けて言った。 「上品な肝っ玉母さん、とか言ってたわね」 「なるほど。なんとなく、どういう人達なのか分かった」 苦笑するエフドに、ラファエラは言った。 「私の方は、気にしなくても良いわよ。巧くするから。それより、おじさんの方は大丈夫なの?」 これにエフドは小さく笑みを浮かべ応えた。 「お上品な交渉をする必要はないみたいだからな。せいぜい、こっちも楽しませて貰うさ」 これにラファエラは、くすりと笑い。 「悪い笑顔ね。でも安心したわ。それなら、巧くしてくれそうだし。頼んだわよ、おじさん」 「ああ。任された」 そうして軽口を交わし合う間に、皆は目的地に。 周囲を壁で守られたオアシスに到着すると、出迎えのために入り口で青衣の民が待っていてくれた。 見る限り、事前に聞いていた貴族階級の人達のようだ。 青衣の民であるメルキオスが、まずは挨拶し、長らしき逞しい男性に抱きしめられる。 「よく生きていた。あとで両親に会うと良い」 そして他の浄化師達に向け歓待の言葉を告げる。 「よく来られた。遠き、されど同じ青き空を仰ぐ方々よ。青衣の民を代表し、貴方達を歓迎する」 そして皆はオアシスの中に。 オアシスは、外に砂漠が広がっているとは思えないほど牧歌的で、遠くに視線を向ければ、畑や家畜が見えた。 それらの世話をしているのは奴隷階層のようだったが、アークソサエティのような悲壮感はない。 のんびりとした農民、といった感じである。 浄化師達一行は中に招かれると、長の住居まで案内される。 その道中、交渉のサポート役に就くことを意識していたティーノは、周囲を見て交渉の材料に使える物が無いか記憶していく。 すると少し遠くに、乱雑に置かれたヨハネの使徒の残骸を見つける。 (あれは……大事に保管しているというよりは、持て余して放置しているといった感じだな) 交渉に使えるかもしれないと記憶に留め置く。 そして一行は進み、長の住居に。 外部の民との交渉にも使われているらしく、かなり立派だ。 長は中に招く前に、浄化師達に言った。 「さて、貴方達を歓待したいが、その前に、商売の話をするとしよう。無粋な話は男共でするとして、お嬢さん方には、ぜひ奥で、我が妻達に、異国の話でもして頂きたいと思う。どうだろうか?」 これに浄化師達は快諾。 男女に分かれ、それぞれ交渉と交流をすることになった。 ○交渉をしよう 「こちらとしては、この値段で譲りたいと思っている」 「馬鹿言え」 立派な絨毯が敷かれた場所で、交渉の舌戦を繰り広げるのはエフド。 笑顔を浮かべ、軽口を叩くようにして、提示された値段を一蹴する。 「こっちは今回だけの取り引きで終わらす気はないんだ。末永く付き合いたいと思っている。なのにこの値段は無いな」 長と視線を合わせながら、ギリギリの線を見極めながら交渉の鍔迫り合いを繰り広げる。 これに長は、僅かに目を細め返した。 「確かに。長く付き合うなら、この値段は無いな。なら、これでどうか?」 提示された値段を聞いて、エフドは少し間を空けて続けた。 「聞いたことがある――」 エフドは、がめつい商売で有名な人達を例に挙げ続ける。 「彼らは、言い値の次にいきなり半額にするフェイントをよく使うそうだ。あんたもそういうの好きかい?」 牽制するように言うエフドに、長は口元を僅かに緩め言った。 「心外だ。これでも精一杯値段は抑えている。なにしろアレが欲しいという者は多いのでな。それを無碍に扱う訳には――」 「本当ですか?」 長の言葉を遮り、ティーノは口を挟む。 「ここに来る途中で、ヨハネの使徒の残骸を見ました。あれは大事に保管しているというよりは、邪魔だから打ち捨てられているようでした。とてもではないが、今まで提示された値段の価値がある物の扱いとは思えない」 ティーノの言葉を聞いて、長は沈黙する。 不機嫌な様子はない。 むしろ浄化師の交渉を好ましいと思っているように見えた。 長と仲間の交渉を見ている和樹は、内心で感心する。 (やっぱ、みんなに任せて良かった) 和樹は、今回のような値段の交渉事は自分に向いていないと判断し、皆に全任していた。 もっとも、いざ何かあれば身体を張ってでもやる気でいる。 そんな浄化師達を見て、長は楽しげに眼を細める。 そこでエフドは、かまを掛けるように言った。 「貴方達にとってヨハネの使徒の残骸は、むしろ邪魔なんじゃないか?」 これに長は返さない。そこに畳み掛けるようにエフドが続ける。 「貴方達が運搬に何を使っているかは知らない。だが、馬のような物を使っているなら、ヨハネの使徒の残骸を運ぶのは骨だろう」 エフドは熟練した馬術の経験から具体的に示し、さらに、ヨハネの使徒の残骸が必ずしも商品になる物ではないことも提示する。 「邪魔な物は確実にある筈だ。それらにはこっちから人を送ってもいいが、それだとむしろ引き取り料が欲しい」 退くことなく押していく。 考え込む長。そこに橋渡しをするようにしてメルキオスが言った。 「長、此処みたいに定住してる人ばっかじゃないでしょ?」 視線を合わせてくる長に、メルキオスは続けた。 「あの残骸は、教団はいつでも欲しいと思うんだよね~。だから、今回限りの商売じゃないと思うしさ。これから先も取引したいってあちらさんも言ってたし、お値段は勉強しよーよ」 立て続けの交渉に、長は小さく笑みを浮かべる。 そして最後の一押しを求めるように言った。 「そちらの言い分は間違いではない。だが、足らんな。アレは確かに邪魔ではあるが戦利品だ。アレを破壊するのに、命を落とした者も居る。彼らの家族に報いるには、まだ足らん」 「なら、未来はどうでしょう」 長に最後の一手を示すように、ラウルは言った。 「彼が無事、貴方達の元に戻ることが出来たのは、僕たち教団と関わることが出来たからです。そうした外の世界と繋がる未来を、貴方達に提供します」 メルキオスを示しながら告げるラウルに、長は無言で先を促す。 それに応えるようにラウルは続ける。 「サンディスタム以外の、外国で活動する伝手を僕たちは提供できます。そうした伝手の窓口となる、ウボーという人物を紹介しましょう」 自信を持ってラウルは振る舞う。 時に身振り手振りも混ぜ、説き伏せるように語り続けた。 「もしそうなったら、サンディスタムはもっと潤うでしょうね。それにくらべたら、ヨハネの使徒の残骸なんて、邪魔になるガラクタでしかないと思いますよ」 皆の交渉を聞き終えた長は、外から男衆を呼び寄せ言った。 「意義のある交渉だった。だからこそ、貴方達を客人ではなく、友として迎え入れたい。そのためにもお互いを知る必要がある。言葉で足らぬところは、拳で知ろうと思うが、どうかな?」 これにラウルは笑顔で返す。 「良いでしょう。殴り合いで戦いましょうか」 同意するように皆も返す。 「……スデゴロか」 和樹は鮫のように笑い、拳と掌を打ち合わせ返す。 「上等! やってやるぜ!」 戦意をみせるのはティーノも。 「必要だというのなら、相手をしよう」 同様にエフドもメルキオスも同意して、外に出ると拳で語り合う。 エフドは墓前ノ決意を使い、相手の攻撃に体勢を崩すことさえない。 それどころか、これまでの指令で戦いに慣れていることもあり、向かって来る青衣の民をシールドタックルで吹っ飛ばし、仲間に複数が向かわないよう立ち回る。 浄化師ごとに戦い方は特徴があり、ラウルは適度な距離を保ち有利な間合いで相手を捌く。 ティーノは相手の出方を伺いながら、ここぞという時には間合いを詰め渾身の一撃で応えた。 そしてメルキオスは指令の時と同じく、漂々と相手の攻撃を避けながら反撃を加えていく。 一番果敢に挑んだのは和樹。 「盾があってもなくても、やるこた一緒だ!」 以前の指令で盾を使った防御を経験し、自信を得ていた和樹は、教団での訓練も活かし戦う。 相手の打撃に合わせ腰を落とすと、真正面から受け止める。 絶対防御ノ誓イを使っていることもあり、殴り掛かってきた相手の方が大きく衝撃を受けた。 「やるな!」 笑顔でぶつかってくる相手に、真正面からぶつかり返す。 「俺はどんなに殴られても倒れねえ!」 その心意気に、青衣の民の若い衆に集中してぶつかられ、それでも退かない彼に、若い衆は大いに喜んだ。 そうして拳で男性陣が語り合ってる頃、女性陣の交流は進んでいた。 ○交流をしよう 「初めまして。アークソサエティの貴族、ララエルフェル・エト・エリーゼと申します」 優雅にララエルは、青衣の民の女性達に挨拶を。 (ううう、ラウル~、きんちょうしますよう) 彼女に続けるようにして皆も挨拶を。 これに青衣の民の女性達はにこやかに返し、和気藹々とした雰囲気で交流が始まる。 お喋りを重ね、その中で、令花が提案を。 「皆さんと出会えて嬉しく思っています。この良き出会いを形に残せるよう、叙事詩を作らせていただきました。皆さんにお披露目させていただけないでしょうか」 これに青衣の民の女性達は興味を惹かれたのか快諾。 そこで事前に打ち合わせをした通り、ララエルがハープを取り出し演奏しながら語っていく。 「これより語るは、ひとつの物語。皆さんと私達を、ここに出会わせる縁(よすが)となった、始まりの物語」 物語を、ララエルは歌う。 それはメルキオスの話を元に令花が作った、青衣の民と浄化師との出会いの物語。 奏でられるハープの心地好い音色に乗せ響く歌声は、皆の心に広がっていく。 それが最高潮に達した所で、ラファエラとレミネが協力して、叙事詩を表現したタペストリーを広げる。 見事な装飾に、ため息がもれるような声が上がる。 それだけに、最後の場面を表す部分が欠けているのに気付くと残念そうな声が上がる。 だがそれは感嘆の声へと変わった。 「うふふ、こういう面白い技術もあるんですよ」 ララエルは即興で、タペストリーの欠けた部分を仕上げる。 魔法のような卓越さに、皆は喜んだ。 「どうですか? 楽しんで頂けて?」 にっこり微笑みながら、首を傾げるララエル。 (はあ、はあ、はううう、きんちょーしましたー) 心の中ではドキドキしながら、皆に喜んで貰おうとしているララエルは愛らしかった。 この催しで、場の空気はとても良く温まる。 そこで立て続けに交流を盛り上げようと、レミネが話題を口にする。 「皆さんは、普段どんな感じにメイク、されてらっしゃるの、ですか?」 キラキラしたものや、メイク道具を集めているレミネは、教団に用意して貰った化粧品を広げてみせる。 これに青衣の民の女性達は興味を惹かれ、話が広がっていく。 「ハッキリとした、色合いの物を、好まれるん、ですね」 皆の話に耳を傾け、お互い情報交換。 その中で、実際に化粧をして欲しいと要望が。 「それなら――」 レミネは青衣の民の女性達に、化粧をしてあげる。 それを興味深げに見詰めるのは浄化師も同じ。 「みんなも、化粧、してみる?」 レミネの呼び掛けに、ラファエラは面白そうに返す。 「良いわね。男を転がすには、化粧のひとつも巧くないとダメだし。折角だから、みんな普段どんなメイクしてるのか、試してみましょう」 「ぇ、ええっ、お化粧、ですか?」 話が向けられると思わなかった令花は驚くも、以前にドリーマーズフェスで見せたような、艶やかな化粧法を伝える。 そして興味深げに見ていたララエルに、レミネは化粧を勧める。 「もっと、可愛くなれる、と思う。メイク、してみる?」 これにララエルは、ラウルのことを想い、薄らと頬を染めながら応える。 「お願いします!」 そうして皆で、ちょっとしたお化粧大会を。 和気藹々と騒ぎながら、お化粧を楽しんでいく。 そこから少し距離を置くように、そっと離れるクォンタム。 そんなクォンタムに声を掛ける、落ち着いた年頃の女性が。 「こんにちは」 穏やかな声。初めて聞く筈なのに、どこか知っているような気がした。 その理由に思い当たるより先に、女性が尋ねる。 「メルキオスを、どう思っていますか?」 その問い掛けの声は優しかった。 だから、不意を突かれたような問い掛けに、驚きながらも素直に応えた。 「へ? メルキオス……? ……何時もへらへらしてるけど、真面目な顔してる時は綺麗だと思う。ハープ、弾くの上手いし。頼りになる相棒、かな」 「そう……嬉しいわ。貴女が、そう思ってくれるなら」 やわらかな笑顔を浮かべる女性に、親近感を抱くクォンタムだった。 そうして皆は化粧を楽しみつつ打ち解け合い、そこから少しばかり踏み込んだ話もお喋りの種にしていく。 「こういうのが、今のアークソサエティの、モテたがり男がよくする粋がった格好ね」 ラファエラは持って来ていた雑誌を広げ、お喋りの種に。 お喋りを重ねる内に、青衣の民の男共の話に。 「こっちだと、歌と詩が出来ないと告白できないんでしょう? 興味があるんだけど、良かったら聞かせてくれない?」 これに最初は慎ましく。 けれど女しか居ない中、どんどん話題はエスカレートして行く。 「え、やだ。ほんとに?」 青衣の民の男共の、お馬鹿なイキった痛い告白を披露され、楽しげに笑うラファエラ。 それを小説の種として熱心に聞き取る令花に、ドキドキしつつ聞くララエルとレミネ。 少し離れた所で、落ち着いた年頃の女性と静かに話を続けるクォンタム。 女性陣の交流は、とても巧くいった。 そして交流が終わり、交渉をしていた男性陣の元に皆は向かう。 そこでは、男性陣が拳を突きあわせた後、笑い合う姿が見れた。 「怪我、大丈夫?」 医学の知識があるレミネは、少し擦り傷の出来ているティーノの元に向かう。 「大丈夫だ。ありがとう、心配してくれて」 「それは、その……大したことがないなら、良かった」 礼を告げるティーノに、安心したように返すレミネ。 見渡せば、同じようなやり取りは他にも。 「和くん! 怪我してない!?」 拳を交え仲良くなった男衆とハイタッチをしていた和樹に令花が声を掛ける。 「えっと、仲良くなったの?」 「おう! 好いヤツだぜ! みんな!」 「ラウル! 怪我はないですか!?」 穏やかに長と話しているラウルにララエルは、ぱたぱたと走り寄って声を掛ける。 これにラウルは安心させるように返す。 「大丈夫だよ。ララが心配してくれたから、痛いのなんか吹き飛んじゃったよ」 やさしいラウルの微笑みに、はにかんだ笑顔で返すララエルだった。 「怪我はさせてない?」 茶目っ気を込めたラファエラの呼び掛けに、エフドは肩を竦めるように返す。 「加減は心得てるさ。そっちは、どうだ?」 「大爆笑だったわよ。あとで内容、教えてあげる」 「そりゃいい。帰り道で退屈をしなくて済みそうだ」 苦笑するように返すエフドだった。 そしてクォンタムがメルキオスの元に向かうと、交渉で話をした女性が同じ年頃の男性と共に近付く。 その2人にメルキオスは言った。 「えぇと、お父さんお母さん、久しぶり?」 これにクォンタムが内心で驚いていると、メルキオスは続けて言った。 「ごめんね『貴族』として血を残せなくて。教団外部にお嫁さんとか作っちゃダメなんだって」 これを聞いた母親は、クォンタムに微笑むように視線を向けると、次いでメルキオスに手渡す。 「……え、氏族の色と模様のクフィーヤー持って行け? 何所に居ても青衣の民の誇りは持てって……」 広げたものを見てメルキオスは言った。 「へぇ……氏族の色ってクォンの目の色に似てるね」 メルキオスの言葉に母親は柔らかく微笑んだ。 かくして青衣の民との交渉と交流は終わる。 浄化師達のお蔭で、サンディスタムに新たな伝手を得る教団本部だった。
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*** 活躍者 *** |
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[30] ラウル・イースト 2019/10/27-22:26 | ||
[29] 桃山・和樹 2019/10/27-19:49
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[28] レミネ・ビアズリー 2019/10/27-08:13
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[27] ティーノ・ジラルディ 2019/10/27-08:13
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[26] 桃山・令花 2019/10/27-01:15
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[25] 桃山・和樹 2019/10/27-00:53 | ||
[24] 桃山・令花 2019/10/27-00:46 | ||
[23] ラファエラ・デル・セニオ 2019/10/26-22:52
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[22] エフド・ジャーファル 2019/10/26-22:31
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[21] ティーノ・ジラルディ 2019/10/26-11:23 | ||
[20] ラウル・イースト 2019/10/26-09:00 | ||
[19] 桃山・和樹 2019/10/26-06:16 | ||
[18] 桃山・和樹 2019/10/26-06:12 | ||
[17] 桃山・令花 2019/10/26-05:51
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[16] 桃山・令花 2019/10/26-05:42 | ||
[15] 桃山・令花 2019/10/26-05:33 | ||
[14] エフド・ジャーファル 2019/10/25-21:51 | ||
[13] ララエル・エリーゼ 2019/10/25-19:05 | ||
[12] ティーノ・ジラルディ 2019/10/25-17:07 | ||
[11] ラウル・イースト 2019/10/25-04:51 | ||
[10] ララエル・エリーゼ 2019/10/25-04:00 | ||
[9] メルキオス・ディーツ 2019/10/25-01:30
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[8] メルキオス・ディーツ 2019/10/25-01:17 | ||
[7] 桃山・令花 2019/10/24-23:11 | ||
[6] 桃山・和樹 2019/10/24-23:00 | ||
[5] 桃山・令花 2019/10/24-22:45 | ||
[4] メルキオス・ディーツ 2019/10/24-22:16
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[3] ラウル・イースト 2019/10/24-19:46 | ||
[2] 桃山・令花 2019/10/24-17:16
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