~ プロローグ ~ |
ヴェルサイユ宮殿。 |
~ 解説 ~ |
●目的 |
~ ゲームマスターより ~ |
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。 |
◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇ |
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どうして…!? 襲われてるし 一緒にいる人誰よ!? あぁもう!ガラクタが邪魔! 魔術真名詠唱 陣形の中央に シィラ達のグループとの合流を優先 JM14積極的に使用 突出による孤立を避けつつ 移動しながら攻撃を加えて少しでも早く 合流後は彼らに攻撃を加える使徒を最優先に撃破 落ち着いて会話ができるようになれば敵対の意志がないことを伝え シィラだよね?無事でよかったぁ… あっ 初めましてラニです(三人組にぺこり 警戒されるのは当然だと考えた上で挨拶 事情を知れば眉を下げて でもあたし、シィラもだし あんた達とも戦いたくない 「憎い」って気持ちを簡単に捨てられないのは あたしはよくわかる でも一回だけでいいの 「今」の教団を 見てくれないかな |
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おいおい…なんだあの使徒の群れは… というかあの群れに4人で立ち向かうってどういう神経だ!? とりあえず他の仲間が先を行くらしい なら俺はその手伝いをするまでだ 仲間が移動するルートを使徒が邪魔しないようにスウィーピングファイアで狙う ニコラが通信を始めたら隙を使徒に狙われないようにピンポイントショットで攻撃しよう これだけ敵がいるなら仲間達が手薄な箇所があるかもしれない そこにはマッピングファイアで攻撃 同じようにヨハネの使徒とやり合ってる連中がいた 名前はジータつったな 安心しろ 俺は朱色の髪のおっさんのダチ公だ しくじってこっちにいる身だがな 幽霊とおんなじようなもんだ まぁ、追い出されたって考えるべきかもしれんが |
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目的 ヨハネの使徒殲滅 4人組との接触 ヨ ヨハネの使徒はあの方達のもとに集まっている⋯集めている⋯? ベ 何が目的かは分からないが 奴らと渡り合える人間は貴重だな ヨ そうですね 何か話が出来れば良いのですが 仲間の死んだ筈の知人と聞き、接触するサポートの為に先ずは目の前の使徒を相手 なんだかんだで心を揺さぶられずに済む機械の方が相手をしやすく、集中モード 前、中狙いでFN17で魔力を貯めFN18を繰り返し、氷の作用で鈍足効果を狙う 物量で攻めればあの巨体でも動きは鈍くなる筈 そこを狙って追撃をお願いします こちら側から派手な戦闘音があれば向こうの集団も何事かと足を止めるとは思うが… 続 |
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あの人たち使徒と戦っている? ラニさんたちのお知り合いなら尚更 早く合流しなくっちゃ 魔術真名詠唱 平気?シリウス 頷く彼に気をつけてと囁いて シアちゃんと禹歩七星 皆で固まって 向こう側で戦っている人の方へ シリウスの後ろ 回復をしながら鬼門封印で仲間の支援 皆の体力に気を配りながら シアちゃんと連携して回復を 合流すればまず怪我の確認 必要があれば回復を 敵が多いです お手伝いさせてください 無茶をしないで 怪我をした人は庇う 自分への攻撃には 雷龍で対応 余裕のあるときは九字で 近づく敵のコアを狙って 教団とシャドウガルテン以外で ヴァンピールさんに会ったの久しぶりです 皆さんのお家にはヴァンピールも沢山いるのかしら 他意なくにこにこ |
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会いたい人が、いる気持ちは、とてもよく、判ります…… 会わせて、あげたい、です 魔術真名詠唱 リチェちゃんと協力して禹歩七星を皆さんに クリスと一緒に前へ行きます リコちゃんが引き付けて集めてくれた使徒や こちらへ向かってくる使徒を禁符の陣で拘束 皆さんが攻撃する隙を作ります 傷ついた方には回復を クリスの回復はギリギリまで待ちます いずれも必要なければ火界咒でなるべくコアを狙い攻撃を あちらの方達とお話しができるなら、聞いてみたい事が… あなた達は、オクトの方、ですか…? あの、私と似た女性を、ご存じないでしょうか もしご存知なら……お話しを聞かせて、頂きたくて…… 私は…姉を、助けてくれた方達と、敵対はしたくない、です |
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魔術真名詠唱して前へ ラニ達を進ませるために、私達前衛組は左右を固めて進路を塞ぐ邪魔な使徒を順に片付けていく まず戦踏乱舞で前衛を支援 スポットライトで近くの敵を引き付けて、寄ってきた奴から順に攻撃 大型や元気そうな奴には蘭身撃も使用してダメージを増やす 目の前が開けたら前へ進んで行っての繰り返し 哀れなお人形さん、踏み潰して、越えて行かせてもらうわ 向こう側へ行きたい仲間がいるのよ 撃ち漏らしがいたらそちらにもスポットライト使用 なるべくラニ達の方に行かせない 私には特に話しかけたい相手がいないので、残りの使徒の殲滅を優先 大切な、姉のような人か… お姉ちゃんがいたらどんな風なのかしら? その人と無事に話せますように |
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>目的 ヨハネの使徒を倒すこと ラニさんたちを幼馴染さんのところに届けること できれば 向こう側にいる人たちとも協力を 魔術真名詠唱 リューイは初手で戦踏乱舞を 前衛中心にかける ラニさんたちを守りながら 使徒の群れを突っ切る 向こう側にいる人たちと接触 可能なら協力できるよう リ: 周りの仲間と連携して攻撃 遠距離攻撃や回復役へ使徒を近づけないよう攻撃を シィラさん達と合流できれば 前衛位置に ヒットアンドアウェイで敵の引きつけと攪乱 セ:リューイの隣 向かってくる敵にペンデュラムスピンで攪乱を 回復役や遠距離攻撃の仲間を防ぐ 必要ならペンタクルシールドを 合流しても戦法は同じ ひとりだけ突出することのないよう 連携と協力を心がける |
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結構な数の使徒がいるな あちらと接触するなら、これらを蹴散らしながら行くのが正解か ならば私達は主役の背中を守るとしようか 速力を上げて貰い、先を行くメンバーの後ろを少し離れてついていく 背中を守るよう後側に来たのを地烈豪震撃で攻撃 使徒が固まっていれば味方を巻き込まないよう味方から離れ敵が私を囲むように仕向けて 後側の者達に「私から離れてくれ」と告げグラウンド・ゼロを その後コアを探し破壊 半分くらいまで近づけた所で、魔術通信で向こう側の幽霊の女性に話し掛ける もし幽霊には魔術通信が通じないようなら、もう一人の女性に 貴方方に会いたいと言ってる人物がいるのだ この使徒が片付いたら少し話をする時間を貰えないだろうか |
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~ リザルトノベル ~ |
「出処のわからない依頼というのは、気味が悪いわね」 仲間と共に目的地に向かいながら『セシリア・ブルー』は呟いた。 これに『リューイ・ウィンダリア』が返す。 「それもそうだけど、指令書に書かれているほど多くの使徒が集まるなんて、この先に何かあったりするのかな?」 「こんな平原に?」 「……あんまり何にもなさそうだね」 リューイの言う通り、周囲には特に何も無い。 まるで、わざわざ余計な被害が出ないよう場所を選んでいるようにさえ思える。 どう考えても怪しい。 とはいえ指令ということで皆は現地に訪れる。 そこには無数のヨハネの使徒がいた。 「おいおい……なんだあの使徒の群れは……」 あまりの数の多さに『ショーン・ハイド』が呆れたような声を上げる。 彼の隣に居る『レオノル・ペリエ』は、指令書通りのヨハネの使徒の群れに疑惑が強まる。 「これだけの使徒の群れ、一体全体誰が通報したんだろう……」 皆が使徒の数の多さに、今回の指令の怪しさを実感していると、魔力探知でヨハネの使徒を見ていた『リコリス・ラディアータ』が皆に言った。 「ねぇ、誰か先に戦ってるわよ」 「え? あ、本当だ」 リコリスの言葉に『トール・フォルクス』は彼女の視線の先を見詰める。 そこには4人の人物が使徒と戦っているのが見えた。 「浄化師、じゃないよな? 誰だろう?」 トールの言葉に促され皆も視線を向ける。 随分と手際よく戦っていた。 とはいえ心配するように『リチェルカーレ・リモージュ』は言った。 「あの人たち使徒と戦っている?」 「そうみたいだな」 リチェルカーレの横に居た『シリウス・セイアッド』は、眉を顰めながら返す。 (どこから来たのかわからない依頼ということだったが………上層部の混乱か、情報の隠蔽か。碌な理由じゃなさそうだ) そうして今回の指令を警戒する者もいれば、使徒と戦える者がいることに興味を持つ者も。 「ヨハネの使徒はあの方達のもとに集まっている……集めている……?」 使徒の動きから『ヨナ・ミューエ』は推測する。 これに返すように『ベルトルド・レーヴェ』は言った。 「何が目的かは分からないが、奴らと渡り合える人間は貴重だな」 「そうですね、何か話が出来れば良いのですが」 接触できないかと思っていると『ラニ・シェルロワ』が驚愕の声を思わず上げた。 「どういうことなのよーっ!」 ラニは『ラス・シェルレイ』の胸元を掴み確かめるように言った。 「ねぇ、あれ、シィラよね!?」 「……ああ……成仏してなかったのか」 信じられないものを見たというように、目を伏せて呆然と返すラス。 ラスの応えに見間違いではないと確信したラニは、焦燥感に急かされ声を上げる。 「どうして……!? 襲われてるし、一緒にいる人誰よ!? あぁもう! ガラクタが邪魔!」 「急ごう。コイツらを蹴散らす!」 居ても立ってもいられず跳び出そうとする2人を同行していた仲間が止める。 すると2人は詳細を語った。 それを聞いた『アリシア・ムーンライト』は、自分のことのように言った。 「会いたい人が、いる気持ちは、とてもよく、判ります……」 そして『クリストフ・フォンシラー』に願うように言った。 「会わせて、あげたい、です。助けに、行きましょう」 これにクリストフは頷きながら、今回の指令の裏を考える。 (どこから出たか判らない使徒討伐指令。そこにいる……4人組。しかもその内の1人は、ラニちゃん達に関わりのある人物。 何だろう、あの4人と会わせるように仕組まれてるような? まあ、どっちにしても使徒は倒すけどね) やるべき事は決まっている。 クリストフと同じように皆は動いていく。 「どこからなのか分からない指令でしたけど、本当の指令だったのですね」 指令のキナ臭さを感じ取っていた『ヴィオラ・ペール』は、仲間の親しい人が居るということで、まずは再会させてあげようと決意する。 「会いたい方には会わせてあげたいですよね」 これに『ニコラ・トロワ』は頷き、行動指針を提案する。 「結構な数の使徒がいるな。あちらと接触するなら、これらを蹴散らしながら行くのが正解か。 ならば私達は主役の背中を守るとしようか」 ニコラの提案に皆は同意し、ラニとラスを中心に置き、陣形を組む。 そしてラニとラスがシィラと再会できるよう、皆はそれぞれ戦いへと向かう。 「みんな、ありがとう。ラス」 「ああ。シィラに会いに行くぞ!」 ラニとラスは仲間と共に走り出す。 「ラニちゃんの知り合いがいるの? じゃあ頑張ってどーんしとくよ!」 「ええ、まとめて潰しましょう。あれだけの群れに4人で立ち向かってるんです。早く助けに行かないと」 レオノルとショーンはサポートも意識して動き出す。 「ラニさん達の大事な人ですか……なるほど……助けましょう、ベルトルドさん」 「ああ。2人とも、ともかく使徒は俺達に任せて行ってくれ。事情があるんだろう?」 ラニとラスにシィラを会わせるべくヨナとベルトルドは意欲を見せる。 「ラニさんたちのお知り合いなら尚更、早く合流しなくっちゃ」 リチェルカーレは意気込みながら、過去の記憶で顔を青ざめさせるシリウスを気遣う。 「平気? シリウス」 心配気なリチェルカーレの顔を見て、シリウスは小さく息を吐き応える。 「――共闘するにしろ保護するにしろ。まずは合流だな」 トラウマを飲み込みながら戦いに赴くシリウスにリチェルカーレは、小さく『気を付けて』と囁くと魔術真名を唱え戦いに挑む。 「クリス」 ラニとラスのことを想い、強い意志を見せるアリシアにクリストフは応える。 「ああ、助けに行こう」 アリシアとクリストフも魔術真名を唱え全力を出していく。 「大切な、姉のような人か……」 リコリスはポツリと小さく、ラニとラスにとってのシィラを想い呟く。 (お姉ちゃんがいたらどんな風なのかしら? その人と無事に話せますように) 祈るようなリコリスの想いと同じようにトールは心の中で願う。 (ちゃんと話し合えるといいな) トールは記憶にある限り一人っ子で、ずっと旅をしていた。 だから、きょうだいがいたり幼馴染が居る感覚がどんなものなのかは分からない。 それでも思う。 (きっと、彼女達にしか分からないものがある筈だ) だからこそ会わせてあげたい。 リコリスとトールは、祈りと願いを叶えるべく使徒に向かって行く。 「ラニさんたちを幼馴染さんのところに届けてあげよう」 誰かのことを思えるリューイに、セシリアは微笑みを浮かべながら応える。 「ええ、そうね。そのためにも、みんなで協力しないと。一緒に、戦いましょう」 力強く頷くリューイに、セシリアは心地好さそうに目を細め、皆との連携を意識して動いていく。 「数が多い。群れの中に跳び込んで、グラウンド・ゼロを使うのが効率的だな」 「それなら、途中まではペンタクルシールドで守ります」 「助かる。だが、無理はするな」 「安心してください。ちゃんと、見極めますから」 ニコラにヴィオラは笑みを浮かべながら、皆と共に使徒に立ち向かっていく。 皆の意気込みと戦術は十分。 そのまま突っ込んでいき、ヨハネの使徒は酷い目に遭った。 今回浄化師は、ラニとラスを中心に陣形を組み、それぞれの強みが出る場所に就いて移動している。 これに対してヨハネの使徒は、強い魔力に反応して攻撃してくる性質があるため、一斉にひと塊になって突っ込んで来た。 一般人ならばどうしようもない絶望の群れではあったが、相手は戦火を潜り抜けて来た浄化師である。 どうしようもないほどボッコボコにされる。ほんっっっとーっに、ボッコボコだった。 使徒が集まって群れで来た所に、まずはベルトルドが自身の黒炎魔喰器、竜哭の特殊能力を発動する。 「少しだが動きを止める」 竜哭が震えたかと思うと、竜の咆哮の如き撃音を周囲に放ち、それが浸透した使徒は僅かだが動きが止まる。 つまり良い的である。 「爆発させます」 使徒の動きが止まった所に、ヨナがエクスプロージョンを放つ。 禁忌魔術である『ヘルヘイム・ボマー』の魔術式を応用し生成された、高濃度の魔力弾が使徒の1体に命中。 それを中心にして大爆発が起こる。 動けない所にまともに受ける使徒。 そこに立て続けに遠距離範囲攻撃が叩き込まれた。 「ショーン、合わせていくよ」 「はい、ドクター」 先行して攻撃するのはショーン。 黒炎魔喰器、ランキュヌを解放した状態でマッピングファイア。 青火の銃弾が無数に降り注ぎ次々使徒の装甲を穿つ。 間髪入れずレオノルはソーンケージを放つ。 捧身賢術を2重に掛けて強化されたソーンケージは使徒を絡めとり、装甲に罅を入れるほど締め上げる。 さらに攻撃は止まらない。 狙いを定めトールがマッピングファイアを放つ。 「邪魔だ」 行く手を遮る位置に居る使徒達に無数の矢が突き刺さる。 何本かはコアに当たり、かなり動きが鈍る。 そこまで攻撃を受け、ようやく使徒達は、最初にベルトルドの竜哭から受けた行動不能が解ける。 しかしこの時点でボロボロだった。 そこにニコラが突っ込む。 「グラウンド・ゼロを使う。巻き添えにならないよう気を付けてくれ」 そう言うとニコラは突進。 リチェルカーレやアリシアが禹歩七星を皆に掛けてくれていたこともあり、機動力は増している。 使徒の間を潜り抜け、そこに突っ込んで来ようとした使徒は、ヴィオラがペンタクルシールドを張り抑える。 そして敵の只中に踏み込んだニコラはグラウンド・ゼロを発動。 デモン・オブ・ソウルで使徒の一体のコアを叩き斬り、周囲の使徒を真上から押し潰す風圧で破壊した。 一連の攻撃で、浄化師に向かってきた使徒のグループは、ほぼ壊滅する。 残りをリコリスが片付ける。 「哀れなお人形さん、踏み潰して、越えて行かせてもらうわ。向こう側へ行きたい仲間がいるのよ」 ラニ達を進ませるため、進路を塞ぐ邪魔な使徒に跳び込む。 使徒は体当たりしようとするが、それよりもリコリスの動きが速い。 一瞬で間合いに跳び込むと、使徒の体を軽やかに駆け上がり、コアを一撃で斬り砕いた。 使徒のグループの内、向かってきた一団を短時間で全滅させる。 そのままの勢いで敵の第2陣を粉砕していった。 「シリウス」 使徒の1体にリチェルカーレが鬼門封印を掛ける。 動きを阻害した所に間髪入れずシリウスは踏み込む。 魔術真名詠唱とベリアルリングを使い、さらに黒炎解放による覚醒の力を乗せた一撃が走る。 一太刀で使徒の足を斬り飛ばし、使徒が前に倒れた所でコアに氷結斬を叩き込む。 真っ二つに切り裂かれ、凍りつくと同時に砕け散った。 浄化師達の快進撃は止まらない。 使徒の間近にまで距離を詰めたアリシアは、禁符の陣を使徒に掛け拘束する。 「クリス」 「ああ、仕留めるよ」 息の合った連係を見せ、クリストフはアリシアが抑えた使徒に跳び込む。 疾風の如き速さで間合いを詰め、踏み込みの勢いも乗せた一撃を振り降ろす。 使徒の足を切り落とすと、使徒は前のめりに倒れ伏す。 コアの位置が下がった所で止めの刺突。 深々と突き刺さりコアを砕き破壊した。 パートナーとの連携を見せるのはリューイとセシリアも同様だ。 ラニ達がシィラ達の元に行けるよう、邪魔する使徒の元にリューイは跳び込む。 これに横手から別の使徒が反応し、勢い良く突進しようと構えたが―― 「させないわ」 セシリアのペンデュラムスピンが先行して発動する。 デュエルディスクを使徒に向け不規則に動かすことで、混乱を導く魔術が効果を見せる。 攻撃態勢のまま、何をしようとしたのか忘れているように動きが止まった。 「ありがとう、セラ」 礼を返しつつ、リューイは斬撃の間合いにまで到達する。 使徒は前脚で薙ぎ払おうとするが、リューイは危なげなく回避。 さらに間合いを詰めると、素速く斬撃を刻む。 攻撃を受け激怒するように突進してきた使徒を避けると、ヒット&アウェイで攻撃しつつ1箇所に誘導する。 そこから離れようとする使徒もいるが、そこにヨナはキツイ一撃をぶち込む。 「逃がしません」 ヨナはアビスブリザードを発動する。 無数の氷の礫が関節部分に命中すると、そのまま固めるように凝結。 冷気に包まれながら使徒は、その場を動くことが出来ない。 皆で協力し使徒を1箇所に誘導していく。 集まった所で、遠距離攻撃手段を持つ者達が一斉攻撃。 浄化師達は怪我らしい怪我を負うことなく使徒の3分の2を破壊した。 残りはシィラ達が戦っている使徒のみ。 この状況で、ラニとラスは真っ直ぐにシィラの元に全力で走る。 そちらに注意を向けてくれるよう、ニコラがシィラに魔術通信で呼び掛けた。 「貴方方に会いたいと言ってる人物がいるのだ。今そちらに向かっている」 これにシィラは反射的に視線を向け、自分に近づいてくるラニとラスに気付いた。 「嘘……」 思わず呆然とするシィラ。 そこに使徒が突っ込んで来ようとするが―― 「邪魔よ! あの子達が見えないでしょ!」 禁術で使徒を押し流すシィラ。 これに仲間の3人が気付く。 「どうした?」 「あの子達が、あの子達が居るの!」 必死な声を上げるシィラに、3人は詳細は分からずともシィラのために動く。 「よく分からんが、とにかく使徒を全滅させるぞ」 グリージョの呼び掛けに、ケイトとペトルは使徒へと突っ込む。 そんな3人を援護するため浄化師は走る。 シィラの元に、ラニとラスが辿り着き、シィラを守るように戦う。他の3人組の元にも―― 「敵が多いです。お手伝いさせてください」 「手伝う」 リチェルカーレやシリウス達が呼び掛けながら、協力して使徒と戦い短時間で全滅させた。 戦い終わり、ラニとラスは涙を堪えシィラとの再会を果たす。 「シィラだよね? 無事でよかったぁ……」 ラニの言葉に、シィラは想いが強すぎて言葉に詰まる。 そこに代弁するようにグリージョが声を掛けた。 「ひょっとして、あんた達はシィラの大切な2人、なのかい?」 これにラニはぺこりと頭を下げ応える。 「あっ、初めましてラニです」 ラニに続けてラスも挨拶する。 「オレはラス。シィラの幼馴染、でいいのか」 これにシィラは泣き笑いのような顔で頷く。 シィラの様子にグリージョ達3人組は嬉しそうな表情を見せるも、どこか警戒をしているのが伝わってくる。 そこにショーンが、かまをかけるように言った。 「最近、同じようにヨハネの使徒とやり合ってる連中がいた。名前はジータつったな」 「隊長に会ったの!?」 ケイトが思わず反応し、苦笑するようにショーンは続ける。 「安心しろ。俺は朱色の髪のおっさんのダチ公だ。しくじってこっちにいる身だがな。幽霊とおんなじようなもんだ。まぁ、追い出されたって考えるべきかもしれんが」 「旦那のダチねぇ」 ショーンの言葉に、グリージョが見定めるように返す。そこにアリシアが声を掛けた。 「あなた達は、オクトの方、ですか……?」 この問い掛けにシィラ達は視線を向け、3人組が特に驚く。 「……ぇ、ちょ」 「リアちゃん!?」 「他人の空似、にしちゃ……」 3人の反応に、アリシアは必死に呼びかける。 「姉を、エルリアのことを、知っているのですか?」 「姉……あぁ、そういうことか」 納得するグリージョにアリシアは懇願する。 「姉のことを、ご存知なら……お話しを聞かせて、貰えませんか?」 これに難しい顔をするグリージョ達に、ヨナが提案した。 「積もる話もあると思います。折角ですから、教団に来てみませんか?」 「……冗談だろ」 ヨナの提案に、ペトルが自分達の境遇を話す。 「それでも俺達を連れて行こうってのか」 これにラニとラスは必死に呼びかける。 「あたし、シィラもだし、あんた達とも戦いたくない」 想いを振り絞るように続ける。 「『憎い』って気持ちを簡単に捨てられないのは、あたしはよくわかる。でも一回だけでいいの。『今』の教団を、見てくれないかな」 ラニの想いに重ねるように、ラスも自分の想いを口にする。 「確かに胸糞悪い連中もいる。でもそれだけじゃないんだ」 まっすぐに視線を合わせ続ける。 「オレ達がアンタたちに会いたいって言って、協力してくれた仲間がいる。室長も、オレ達がありのままでいられるように手を尽くしてくれてる」 そこまで言って、相手のことを思い続ける。 「アンタ達が信じられないのも分かる。簡単に信じろなんて、どの面下げて言えるか、だよな。 だから、アンタ達が自分の目で見て、確かめてくれ。シィラのことも聞きたいし、な」 ラニとラスの訴えかけるような言葉に、シィラは思い詰めたように目を伏せ、ペトルとケイトはシィラを心配そうに見つめる。 そしてグリージョは、ラニとラス、そして浄化師達を見詰めたあと、シィラに言った。 「シィラ、お前はどうしたい? お前が2人と一緒に居たいというなら止めない。その時は俺も連いて行く」 「グリージョ……」 泣きそうな顔で見つめるシィラに、安心させるような笑みを浮かべグリージョは続ける。 「お前の大事な2人なら、俺にとってもそうさ。連いて行って、ろくでもない所なら、お前も2人も掻っ攫って連れて行く」 これにケイトとペトルも賛同する。 「そ、そうよ! 別にアンタ達のことを信用する訳じゃないけど、シィラのためなら、アタシ達も連いて行くわ」 「ああ。それでそっちの言ってることが間違ってるなら、グリージョの言う通り掻っ攫っていくだけだ」 そこまで言うと、女性陣に笑顔を向けて続ける。 「なんならその時は、綺麗で可愛いお嬢さん達も連れていくぜ。まぁ、あんちゃん達は、自力で連いて来て貰うがな」 「アンタはこんな時までなに言ってんのよ!」 突っ込むペトル。 空気が柔らかくなった所で、教団本部に皆で向うことになった。 その道中、浄化師達とシィラ達は言葉を交わす。 「浄化師と違う目線の者がいれば教団の風通しも良くなるだろう」 「そうなれるなら良いねぇ」 ベルトルドとグリージョが話す傍で―― 「先程の戦いで使われた銃、凄かったですね。どんな魔術式を使われているのですか?」 興味深げにヨナがペトルとケイトに訊く。 戦いの中、2人が放った銃弾は宙を飛び回り魔方陣を描くと、その中に居た使徒を焼き、あるいは凍りつかせていた。 「詳しいことは知んないわよ」 「俺達の特殊な体質でないと使えないらしいんだわ」 「なるほど、だとしたら……生まれつき刻まれている特殊な魔力回路を応用しているのでは――」 魔術の学徒として好奇心を見せるヨナに、ペトルとケイトは苦笑した。 そうして話している内に、段々と話が進んでいく。 「アンタも教団に浚われたのか?」 レオノルの身の上を聞いたグリージョが、どこか気遣うように訊き返す。 これにレオノルは返した。 「うん。私も無理矢理拉致されて浄化師になったクチだよ。最初は軟禁だったし、酷い嫌がらせも受けた。 それでも私の扱いに異議唱えてくれる人がいるから、私は死なずにここにいるんだよ」 「……そうか」 考え込むように黙るグリージョ。 その横では、リチェルカーレがペトルとケイトと話をしていた。 「教団とシャドウガルテン以外で、ヴァンピールさんに会ったの久しぶりです。皆さんのお家にはヴァンピールも沢山いるのかしら」 にこにこ笑顔のリチェルカーレに、ペトルは軽い笑顔で返す。 「ボスがヴァンピールだからな。結構いるぜ。気になるなら、来ると良いさ。そっちのあんちゃんも一緒にな」 シリウスに笑顔で声を掛けるペトル。 これにシリウスは何と応えて良いのか分からず、困ったように眉を寄せた。 そうして話している内に、少なくとも表面上は柔らかくなった空気に促されるように、少し踏み込んだことを訊く者もいる。 「お姉ちゃんは、元気、ですか……」 不安を滲ませるアリシアに、ペトルとケイトは気遣うように返す。 「ちょ、そんな顔しなくても大丈夫よ」 「そうそう。姫さまの世話をしてくれてるし」 「姫さま……?」 不思議そうに聞き返すアリシアに、ペトルとケイトは慌てて返す。 「えっと、その、今のは無しね!」 「おう。ここだけの秘密だ秘密」 「あ、でもその、どうしても知りたいなら、今度話してあげても良いけど……でも他の人に話しちゃダメよ」 アリシアを気に掛ける2人に、クリストフは思った。 (あ、この2人、すごく人が好いな) 気付かれないよう苦笑するクリストフだった。 そうして打ち解けるような空気が流れて来た所で、今回の指令に関することを訊く者も。 「皆さんは使徒を倒しに? 誰かを助けに、ではないみたいですけれど」 リューイに続いて、セシリアも尋ねる。 「私たちは、どうしてこの依頼が来たのか知らないんです。貴方達の仲間から……では、ないんですね」 顔を見詰めながら尋ねるセシリアに、グリージョは苦笑するように返す。 「そこは俺達も知りたい所でね。正直、偶然とは思えない。そっちは、依頼主の事とかは分からないのか?」 これにレオノルが応える。 「匿名だったんだ。そっちは、指示された人は分かってるんだよね? 話したくなければ、無理には聞かないけど」 これにグリージョは返す。 「ジータ隊長だ。恐らく分かってて、ここに来させたんだろ。でも――」 グリージョは、嬉しそうにラニとラスの話を聞いているシィラを見詰め言った。 「シィラの大事な2人に会えたんだ。理由はどうあれ、感謝してる。それもあるから、今あんたらに連いて行くのさ」 それを見ていたリコリスは、頷くように言った。 「大事な人に会えるのは良いわよね。大丈夫。もっと一杯お喋りできるぐらい、室長が良くしてくれる筈よ」 「ああ。それに必要なら、俺達も手を貸すよ」 「そうか……ありがとよ」 トールと、そしてリコリスにグリージョは礼を返す。 そんなグリージョに、ヴィオラは願うように言った。 「教団は今、内部から変革しようとしてる所です。膿を出す為に、私達は手を取り合えないでしょうか」 「手を取り合うか……」 静かな声でグリージョは返した。 「それを見極めるためにも、アンタらの居場所に、お邪魔させて貰うよ」 可能性を捨てることなく、グリージョは浄化師達の想いに応えた。 そして教団本部に辿り着き、シィラ達は中へと入って行った。 そのあと、海千山千口八丁の手八丁な室長ヨセフが裏工作しつつ、メフィストがシィラの状態が安定するようにしたりしたのだが、それはまた別のおはなし。
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*** 活躍者 *** |
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[15] リューイ・ウィンダリア 2020/04/13-21:35
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[14] ヴィオラ・ペール 2020/04/12-21:47
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[13] リコリス・ラディアータ 2020/04/12-15:51
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[12] リチェルカーレ・リモージュ 2020/04/11-23:30 | ||
[11] クリストフ・フォンシラー 2020/04/11-20:27 | ||
[10] リューイ・ウィンダリア 2020/04/11-00:32
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[9] レオノル・ペリエ 2020/04/10-23:56
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[8] ラニ・シェルロワ 2020/04/10-17:26 | ||
[7] ヴィオラ・ペール 2020/04/10-04:14 | ||
[6] リチェルカーレ・リモージュ 2020/04/09-23:40
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[5] クリストフ・フォンシラー 2020/04/09-22:53 | ||
[4] ヨナ・ミューエ 2020/04/09-22:43
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[3] リコリス・ラディアータ 2020/04/09-20:32
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[2] ラニ・シェルロワ 2020/04/09-20:20
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