《悲嘆の先導者》フォー・トゥーナ Lv 41 女性 ヒューマン / 墓守


司令部は、国民から寄せられた依頼や、教団からの命令を、指令として発令してるよ。
基本的には、エクソシストの自由に指令を選んで問題無いから、好きな指令を受けると良いかな。
けど、選んだからには、戦闘はもちろん遊びでも真剣に。良い報告を待ってる。
時々、緊急指令が発令されることもあるから、教団の情報は見逃さないようにね。


【海蝕】巨大オクトパス型ベリアルとの遭遇
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予定 2018-07-21

参加人数 8/8人 oz GM
 白い砂浜が広がるビーチ。7月の海がエメラルドグリーンに輝いている。  海はつかの間の微睡みを終え、眩いばかりの陽光を浴びて、きらきらと磨き上げられている。  ここは地中海に面した浜辺。遠くから流れる風が潮の匂いを含んで肌にまとわりつき、海へと誘う。一定のリズムを刻むさざ波があなたたちを歓迎しているようだ。  海には殆ど人がいない。さながらプライベートビーチのようで独り占めしているみたいだ。  それには理由がある。普段ならば穴場スポットであるここにも近隣に住むものが遊びに来るのだが、ここ最近海にベリアルが現れるようになって人々は不安がり、寄りつかなくなった。  浄化師達は「人々の安全・海水浴場の管理」の為、ここに派遣された。浄化師達が率先して海で遊ぶことで市民に「安全ですよ」とアピールすることが今回の狙いなのだ。  要するに指令という名の息抜きだ。指令を頑張っている浄化師へのちょっとしたご褒美といってもいい。  「人々の安全・海水浴場の管理」という大義名分を掲げ、浄化師達は思う存分、羽を伸ばす。  開放的な海を前にしてビーチボールを持っていたり、浮き輪を腰にはめて泳ぐ準備万端な者もいる。透き通った海に目を輝かせて見ている者もいれば、海に興味を示さず、パラソルの下で椅子に寝そべっていたり、本を読んでいたりと、それぞれが海を前にして様々な反応をする。  どの浄化師も今日ばかりは教団の制服を着ておらず、私服だ。中にはもう水着姿の者もいる。  その日は楽しい海辺での思い出ができる筈だった。  誰かが待ちきれないとばかりに海へ飛び出そうとしたとき、それは起こった。  突如、海面から不自然なあぶくが浮き上がる。 「何だ?」  訝しげな声が聞こえたのか、他の浄化師達も異変に気づいた。  あぶくから海を引き裂き、小島が現れた。その衝撃で波飛沫が起きる。黒土で覆われた小島はぬうっと静かにこちらに近づいてくる。  よくよく見れば、あれは巨大タコだった。それもベリアル化した。  その証拠にベリアルは海中に根を張るように黒い触手を伸ばす。成人男性の二回りもある触腕からも触手が生えていた。  人の身長を優に超えた巨大タコは海中から全容を現す。  その奇怪な姿は、もはや別の生物に見えた。  タコの頭部に巨大な触手の塊。ぬらぬらとしたタールのような粘液が不気味に光る。  軟体動物特有の動きをする度に触腕にある吸盤がさざめく。吸盤のところだけ色が薄く、まるでいくつもの巨大な目があるようにも見えた。本物の目は上下左右に目玉をぎょろりと動かすと、ある一点で止まった。  その視線の先には浄化師達がいる。  ベリアルの無機質な目。ベリアルに見慣れている筈の浄化師でも思わず目を逸らしたくなる。  生理的に、としか言いようのない嫌悪感がわくのだ。  詳細が分かってくる内に何ともいえぬ恐怖心がわく。それほど禍々しく不気味な姿だった。  眼で見ていながら現実味がない。さながら悪夢を見ているようだった。  一人が我に返ると、次々と正気に戻る。  幸い教団から事前に警備が目的である為、条件付きで口寄魔術陣の使用許可が下りている。その条件とは、ベリアル及びヨハネの使徒に遭遇したなどの不測の事態に限り、現場の判断に任せるというものだ。  こうしてベリアルに遭遇した以上、戦うしかない。  このままいくと沖に上がってくるだろう。ここには船もなく、海中戦は向こうの独断場だ。都合のいいことに海の家から離れており、ベリアルを迎え撃つには絶好の場所だった。浄化師達は静かな脅威との激闘を予感していた。  こうしてあなたたちの楽しい休暇は終了した。
【海蝕】特製フルーツジュースを召し上がれ
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予定 2018-07-20

参加人数 7/8人 茸 GM
 ターコイズ色の美しい海の広がるベレニーチェ海岸。  ベリアルの姿もなく安全に海水浴を楽しむ事が出来る場所なのだが――……。 「真夏だっていうのに、地中海にベリアルが出現してからお客が減っちまった……。まったく、商売上がったりだ」  浜辺に開かれたとある小さな海の家で、こんがりと日焼けした男の店主が腰に手を当て溜息と共に嘆く。 「教団からの警備も増えたし、より安心して遊べると思うんだがなぁ。不安はそう簡単には拭い去れねぇってことか」 「――こんにちは。今日も調子悪いみたいね」 「ああ、あんたか」  話しかけてきたのは若い女性。何度も足を運んでくれている常連さんなのだが、服装からして今日も海に泳ぎに来たわけではないようだ。 「私も海で遊びたいところなんだけど、怖くて海に入る人なんてほとんどいないじゃない? だからどうしても遠慮しちゃうのよね」 「だがこの海岸では目撃すらされてないんだ。不安なのは分かるが、折角の夏を楽しまねぇなんざ勿体ねぇってもんだろ」 「仕方のない事だけど、確かに足が遠退いてしまうのは寂しいわね……。せっかくのフルーツも活躍できなくて可哀想だわ」  海の家のカウンターに置かれたまま使われずに鎮座している南国フルーツ。  白髪交じりの頭を掻きながら店主も「まったくだ」と肩を竦めた。 「朝一番に収穫してきたんだが、こうもお客が来なけりゃ無駄になっちまう」 「海の家特製フルーツジュースでしたっけ? そろそろ秘密のシロップとやらが何なのか教えては頂けないのかしら」  カウンターに寄りかかり、人の頭一つ分はある大きさのフルーツをツンと指でつつく彼女。  それを店主はカハハと笑う。 「駄目だ駄目だ! どこかで聞き耳を立ててる輩がいるかもしれん。真似されたらこの店は終わりだ」 「そんなこと………無いとも言い切れないわね。本当に美味しいもの」  前に飲んだ事のある彼女だからこそ、大袈裟な店主の台詞もすんなり納得できてしまう。 「甘酸っぱくてとろける様な舌触り……。何より見た目が綺麗よね。今日も頂いて帰ろうかしら」  外見は焦げ茶色でザラつきがありとても美味しそうには見えないが、中身が白くパールのような輝きがある。しかしそのまま食べようものなら酷過ぎる酸味に舌がやられてしまう。 「それがあなたの手に掛かればまるで魔法が掛けられたかのように甘みが生まれて信じられないくらいに美味しくなるのよね……」  うっとりと語る彼女に店主は呟く。 「シロップ掛けただけだがな」 「もう! 夢をブチ壊さないでよ! だけって言うならシロップの秘密教えてくれてもいいじゃない」  ぷりぷりと不満を漏らす彼女だが、不意に両手をパン!と打ち合わせた。 「そうだわ!」 「!? 吃驚したなぁ。どうしたよ、急に……?」  彼女の豹変ぶりに店主は目を丸める。 「お客さんが来ないなら、こっちから出向けばいいのよ!」 「はあ? ……出向くって、売り歩くってことかぁ?」  彼女は目を輝かせ大きく頷く。 「近頃エクソシスト様が増えたじゃない? もちろん遊びじゃなくて警備でいらしてるようだけど、彼等にこの特製ジュースを飲んで頂くの!」  拳を握って意気込む彼女に店主は腕組みをして片眉を上げた。 「良い考えだとは思うが、仕事の邪魔になり兼ねんだろう……」 「事情を話せばきっと大丈夫よ! お代を頂戴しないかわりに宣伝して頂くの、どうかしら?」 「お代を頂戴しない!? それはさすがに……」  売り上げが右肩下がりの今、彼女の考えにはすんなり頷けない。それでも彼女は食い下がる。 「想像してみて? エクソシスト様が海でこのジュースを飲んでいたら人々の目にはどう映るかしら」 「どうって………」  店主は頭に思い浮かべた。  ――フルーツを半分に割り、中身だけを潰し、頑丈な皮を器にして最後に秘密のシロップを混ぜ合わせれば完成する特製フルーツジュース……。 「ふむ……あれを抱えていたら、さすがのエクソシストさんも硬さがとれて雰囲気が緩む……か」 「その通りよ! 彼等が飲んでいたらきっといろんな人の目に留まるわ。エクソシスト様たちの楽しそうな姿に自分も飲んでみたいって足を運んでくれること間違いなしよ!」 「そう上手くいくかねえ……」 「やってみないと分からないわ! 題して『エクソシスト様おすすめフルーツジュース』よ! それに、こんな暑い中頑張ってくれてるんですもの、このとびっきり美味しいジュースを振る舞ってあげたくなるじゃない」  勝手なネーミングをつける彼女だが、この提案はそれほど悪くはない。  そう思った店主は、商売繁盛の為にもやれることは全てやろうと重い腰を上げた。 「よし、一丁やってみるか!」
【海蝕】釣り場の怪
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予定 2018-07-24

参加人数 5/8人 あさやま GM
 良く晴れた日のことだった。  波も穏やかで、風も弱い。深くまで見通せる澄んだ海の輝く地中海。ベレニーチェ海岸の岩場で、男は釣りを楽しんでいた。海水浴場と呼ばれる範囲からは若干外れた、浄化師の目が届きにくい場所で1人海に近づくというのは褒められたことではないだろうが、真昼間、地中海という場所、海水浴場のすぐ近くであれば大丈夫だろうと軽い気持ちで糸を垂らす。釣果が良いとは言えなかったが、男は久しぶりの趣味に興じた。  そして、太陽も傾きそろそろ空は赤くなるかといった時刻。暗くなる前に切り上げようと、男は片付けを始めた。投げていた竿を回収しようとした時。何かに引っかかったように、竿が引かれる。どこかに引っかかったのとも違うようだったが、どうにも回収できない。何とかならないものかと、男は海を覗き込みながら色々と試し、それから諦めて渋々糸を切ろうとした。  その時だ。深い海水の濁りの奥に、糸を掴む白が見えたのは。男によれば、それは「手」に見えたという。青白い、また黒く変色したような手。海の底からいくつか伸びた「手」は縋るように、招くように釣り糸を掴み、ゆらゆらと揺らぎ、ゆっくりと近づくようにも見えた。水底からは何か囁くようにこぽこぽと大小の気泡がのぼって来る。  ぐい、と強く糸が引かれ、竿がしなる。それを持つ男を手繰り寄せるように。彼は釣竿を放り出して逃げ、その足で浄化師へ依頼を持って来た。幸いにも、被害は持参していた釣り具だけだったようだが。  依頼に来た男は動揺しつつ「幽霊を見た」と述べた。良くある怪談話だ。美しいマリンブルーの底へ沈んだ誰かが、まだ「此方」にいる誰かを手招く話。浄化師諸君には、その白い「手」の正体を確かめ、ベリアルかそれに準ずる何かなら討伐してもらいたい。  健闘を祈る。
もしも、君じゃなかったら
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予定 2018-07-22

参加人数 8/8人 shui GM
 可憐な星々が、夜空に踊る。  街は七夕で賑わっていた。  出歩けば家族からカップル、あるいはそんな仲を羨む人まで。様々な人がこのイベントを楽しんでいる。  七夕。ズラミスとサラミという仲睦まじい夫婦が亡くなって尚巡り合う為に、星屑を集めた物語。星で出来た橋によって、2人は再び出会い、結ばれるのだ。  その文化に、ニホンから笹と竹に短冊を飾る催しが入ってきたことにより、現在のスタイルが確立したといわれている。  ある公園では、七夕に合わせて願い事を書いた短冊を笹に飾る催しが行われていた。  参加はもちろん無料で、後日、笹を飾りごと川へ流すのだと言う。  屋台なども出ており、星にちなんだお菓子や料理が振舞われていた。  楽しい時間に、大勢の人の顔がほころぶ。  しかし、雑多な人並みの中に、浮かない顔をした少女の姿がまぎれていた。 「一緒に七夕のお祭り来ようって言うたやん……」  涼しい夜風に、彼女の髪がなびく。寂しげに呟く少女は、どうも彼氏に約束をすっぽかされたらしい。  折角お洒落してきた洋服も、頑張って結った髪も、彼がいないとなれば台無しに思えた。  いや、もしかしたら、約束を守らなかったのは今回だけではないのかもしれない。  悔しくて、寂しい。彼女の表情によく現われていた。  これなら友人と出かければよかったか。  いや、それともまた別の人と……?  じゅわり、と浮かぶ涙を拭うと、七夕用の短冊を配る列に加わる。  短冊を貰うと。彼女はとても悔しそうに、そして自棄を起したように短冊へ文字を書きなぐった。 『今のパートナーと違う人と結ばれたら、どうなるか知りたい』  名前を書き忘れた短冊を、彼女は笹の最上部近くへと何とか結びつける。  そして念押しするように両手を合わせお願いすると、少女は屋台の方へと消えていった。  その夜、彼女は違う恋人とデートする夢を見るのだが――――。  残念な事に。  その願い事に巻き込まれた人たちがいた。  君達、浄化師だ。  七夕の笹が飾られた公園を訪れたのが切欠で、何の因果か、あるいは偶然か、その夜に奇妙な夢を見てしまう。 「申し訳ありませんが、貴方より適性のあるパートナーが見つかりました」  と、唐突に告げられるパートナーの交代。それも強制的に。  其れは勿論、実際にはありえない話だ。  けれどもこれは夢。  君はパートナーと引き離されてしまう夢を見るわけだが……。  普段と違う人の隣を歩いて、何を思うだろう。  そして本来のパートナーは、それを見て何を思うのだろう。  一体、2人はどうなってしまうのだろうか。  全ては星のみぞ知る。
【海蝕】空に福音は響いて
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予定 2018-07-27

参加人数 5/8人 十六夜あやめ GM
 天高く昇った7月の太陽から燦々と降り注ぐ光を浴びてきらきら揺らぎ輝く、澄んだターコイズブルーの海。海底まで見える透明度の高い海水を無数の魚達が優雅に泳いでいる。真っ白な砂浜が広がるビーチに打ち寄せるさざ波は海水浴客を歓迎しているかのようだ。  ここは『教皇国家アークソサエティ』首都エルドラドより南部に位置するルネサンスの地中海に面した、世界でも有数の美しい海岸『ヴェネリア』のベレニーチェ海岸だ。その有名なはずのベレニーチェ海岸には何故か殆ど人がいない。まるでプライベートビーチのような空間が広がっていた。  その原因は、ここ最近海にベリアルが現れるようになったという報せがあったからだ。人々は不安がり、寄りつかなくなってしまった。現状を改善すべく、浄化師たちは薔薇十字教団より「人々の安全・海水浴場の管理」を命じられ派遣された。市民や海水浴客に安全をアピールすることが今回の狙いであるため、浄化師たちは海の安全を監視しつつ、率先して海で遊ぶこととなった。薔薇十字教団の指令というのは名ばかりで、実際のところは一つの休暇である。日頃より指令を頑張っている浄化師たちへのささやかなプレゼントというわけだ。  浄化師たちは「人々の安全・海水浴場の管理」という大義名分を掲げ、各々行動する。  水着に着替えて眼前に広がるターコイズブルーの海に飛び込む者、浮き輪を浮かべてゆらゆらと流れに身を任してくつろぐ者。砂浜では砂のお城を作ろうと頑張る者、日焼けしないようパラソルの下、椅子を並べて寝そべったり本を読んだりする者もいる。 そんな中、砂浜を進み丘に上がった所へ向かう者もいる。そこには恋人たちが鳴らすと幸せが訪れるとされる『幸福の鐘』がある。友人同士で鐘を鳴らし、友情を深め合う目的で訪れる者も多い有名なスポットだ。稀に隣にある教会で結婚式が行われていることがあるようだ。その光景を見た者は幸せになれるという噂がアークソサエティの若い女性たちの間でまことしやかに囁かれている。  あなたたちに与えられた夏のひと時。海に入ったり砂浜で遊んだりするのも良い気晴らしになるだろうし、パラソルの下でひと休みしつつ丘の上の『幸福の鐘』を鳴らしに行くのも良いだろう。2人の会話も弾むかもしれないし、距離が近付いたりするかもしれない。  素敵な1日になることを祈っています。  最高な夏の思い出を作ってください!
【海蝕】星合の宴
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予定 2018-07-23

参加人数 8/8人 鳩子 GM
 麗しき水の都ヴェネリア、その中でも一際名を馳せるベレニーチェ海岸は、アークソサエティで安全に海水浴を楽しむことのできる場所として知られている。ルネサンス地区の代表的な観光地だ。  しかし先日、地中海に強大なベリアルが侵入したという知らせが広まって以降、客足は伸び悩んでいた。  ベリアルへの用心と対処が重要であるのは勿論だが、過剰な警戒によって経済活動が委縮しては、地域の、ひいては国力の衰退へと繋がってしまう。  現在も、ベレニーチェ海岸の安全性に揺らぎはない。そのことを広く喧伝する必要があった。 「ねえ、あなた。今年の宴には浄化師の方を招くのはどうかしら」  ベレニーチェ海岸に面する館のひとつ、通称『星彩館』では、主であるリベラトーレ・アンジェリーニとその妻アヤコ・アンジェリーニが憂い顔を向い合せていた。  リベラトーレはソレイユ地区出身で、小麦をはじめとする穀類の交易で資産を築いた男である。次第に事業を広げていく中で海産物を交易品に加えるために訪れたルネサンス――特にヴェネリアの美しさに魅了されて、十年前に妻を伴い移住してきた大商人だ。ヴェネリアを愛する気持ちは地元民に勝るとも劣らない。ヴェネリアに住む人々と、訪れる観光客へのもてなしを惜しまず、地域の活性化に貢献してきた。  その活動のひとつが、星彩館で行う『星合の宴』である。 「ふむ。そうだな、浄化師が来てくれるならば、皆にも安心してもらえるだろう」  妻の提案に、リベラトーレは顎鬚を撫でながら一考し、頷いた。 「浄化師の方にとっても、よい休養になると良いですわね」 「ああ、今年は一層、趣向を凝らさねばな」  アヤコの故郷である東方島国ニホンに伝わる彦星と織姫の伝説と、リベラトーレの故郷であるソレイユ地区に伝わるズラミスとサラミの逸話。その類似性に驚き大いに感銘を受けた二人は、ヴェネリアに移住してからも、星合、つまり七夕を祝う宴を開き、数多の客を招待して夏の一夜を楽しんできた。  宴は日没から始まる。  星彩館の広大な庭園にはニホン風の灯籠が多く設置されており、和紙を通して温かくゆらめく蝋燭の光が地上を照らす。足元では待宵草が月光を浴びて花開き、四阿の柱には朝顔の蔦が這う。  人工的に作られた小さな小川のせせらぎを聞きながら、親しく語り合うのも、静かに夜を味わうのも良い。  隅の一画には笹竹が伸び、短冊を掛けられるようになっているが、それを除けば庭の周囲に視界を遮るような背の高い木々や塀は無い。天候にさえ恵まれれば、天に輝く恋人たちを繋ぐ橋――天の川を頭上に仰ぐことが出来るだろう。  目の前にはベレニーチェ海岸が広がり、少し歩けば浜辺へ降りることが可能だ。遠くには恋人たちが鳴らすと幸せが訪れるという『幸福の鐘』の影が小さく見える。  館にほど近い一画では、リベラトーレが全国から取り寄せた食材をふんだんに使った祝いの食事が並び、特に、アヤコの生国の文化を取り入れた流しソウメンは毎年一番の注目の的だった。 「キモノも評判がよかったな。今年は種類を増やそう」 「ふふ……服の上から羽織るだけの、簡易なガウンのようなものですけれど。夜風を避けるのにも丁度よいですし、皆さま物珍しげに着てくださいますわね」  夜空を写し取ったような濃紺、凛とした桔梗柄、可愛らしい金魚柄や、涼しげな朝顔の花模様。絽や紗衣などといった夏の着物を参考にアヤコが考えたガウンは、透けるほどに薄く軽やかで、その異国情緒と品のある華やかさが殊更女性たちによく受けた。 「早速、教団へ手紙を書くとしよう」 「ええ。良い夜になりますように……」 「勿論、なるとも」  二人は見つめ合って、にっこりと笑みを交わした。
七夕祭りを守れ
普通|すべて

予定 2018-07-29

参加人数 6/8人 内山健太 GM
 七夕祭りが行われているセーヌ川にヨハネの使徒が一体出現。観光客や住民を襲っているという情報が薔薇十字教団に入る。ヨハネの使徒を殲滅せよ。 「ヨハネの使徒だぁー!」  穏やかな雰囲気が漂っていた七夕祭りのセーヌ川の畔に、人々の絶叫が轟く。  観光客や近隣の住民たちで賑わっているセーヌ川にヨハネの使徒が現れたのである。  男集が協力し合い、ヨハネの使徒と交戦するが、全く歯が立たない。ヨハネの使徒は、人々を襲うために、突進を武器にして攻撃を繰り出してくる。必死に交戦する住民たちであるが、徐々に追い詰められていく。やはり、戦闘経験がほとんどないため、このままでは敗北してしまうだろう。  事態を重く見た七夕祭りの運営委員長であるハンス老人は、薔薇十字教団に助けを求める。  このままでは祭りは、滅茶苦茶になってしまう。人々の安全を考えるのなら、ここはエクソシストたちに頼るのが一番効果的である。そのようにハンス老人は考えた。 「薔薇十字教団に助けを求めよう」  と、ハンス老人は提案する。  すると、近くにいた商人が声を大にして言った。 「私が薔薇十字教団に助けを求めに行きましょう。こう見ても足には自信があるんです」 「うむ。では我々は何とかこれ以上被害が出ないように、ヨハネの使徒を食い止めよう。なるべく早く頼む」 「わかりました。では行ってまいります」  そう言うと、商人は韋駄天走りで走り始めた。  商人の足は速く、すぐに薔薇十字教団の門を叩いた。 「助けてください! 大変なんです」  商人の苦しむ声に、教団にいたエクソシストたちが反応する。  すぐさま事情を聴き、対策が立てられる。至急、セーヌ川に向かわなければならない。  一方、エクソシストたちが駆け付けるまで、セーヌ川では有志による戦闘が行われていた。対するヨハネの使徒は一体であるが、やはり戦力差は否めない。じりじりと追い詰められていく。 「ぐぅ。もはやこれまでか……」  ハンス老人が諦めかけた時、とうとう、エクソシストたちがやってくる  ハンスは彼らに駆け寄り、助けを請うた。 「このままでは七夕祭りが滅茶苦茶になります。どうかヨハネの使徒を倒してください」  エクソシストたちは頷くと、ヨハネの使徒との交戦を開始した。  情報が早く伝えられたため、それほど人的被害はないものの、ヨハネの使徒を食い止める必要がある。  セーヌ川では、恒例の七夕祭りが行われており、人の数が多い。まずは、人々の安全を確保するために、ヨハネの使徒と交戦しながら、人々を避難させる必要がある。幸いなことに、ヨハネの使徒は一体のみなので、協力し合えば、人々を避難させ、戦闘を行うのは容易である。    勇気ある人間たちが戦っていたため、今のところ甚大な被害は出ていない。首尾よくヨハネの使徒を倒せれば、再び七夕祭りが催されるだろう。そのためにも、エクソシストたちが速やかにヨハネの使徒を倒す必要がある。  人々を安全な場所に避難させ、同時にヨハネの使徒を殲滅する。それがエクソシストたちに課せられた使命である。健闘を祈る。
森の中の幸せ?
簡単|すべて

予定 2018-07-28

参加人数 4/8人 あいきとうか GM
 ローレント・ディーレは夏のある日、森で幸せを探していた。  それは白くてふわふわ。たんぽぽの綿毛のようで、見ると幸せになるらしい。幸運を呼ぶ生き物の名前は、ケセランパセラン。 「いると思うんだよなぁ。だから入っちゃダメなんだろ、分かんないけど」  ソレイユ地区、ピストーラ狩猟場からいくばくか離れた森林の、立ち入り禁止区画だ。狩猟場は今日も盛況だが、その楽しげな声もここまでは響いてこない。  狩猟場の監視員という仕事をこっそりと放棄して、ローレントはケセランパセランを探しているのだった。 「あれが見つかればきっと今年こそ彼女ができて、一緒に海に行ったり、水族館に行ったりできるから……」  誰が保証したわけでもないが、綿毛のような生物の伝承を耳にして根拠もなく確信してしまった素晴らしい未来を胸に、男は意気揚々と邪魔な枝葉を掻き分けて進む。  仕事を放棄した報いだろうか。努力のひとつもせず、他力本願に恋人を欲しがってしまった罪へのさばきだろうか。それとも、ただの不運か。 「……え……?」  開けた場所に出たローレントの前に、化け物が現れた。 「えぇぇ!?」 「ゴゲエエエ!」  けたたましい叫び声を上げ、このあたりを根城としている四体のコカトリスがローレントに殺到する。男は反射的に近くの大樹にのぼった。  オス鳥の上半身に蛇とトカゲの下半身と尾をつけた、全体的に鶏に似た化け物は飛翔することができないらしく、大樹をくちばしでつついたり、ローレンスを威嚇したりしている。 「助けてー! 浄化師様ー!」  情けない悲鳴が森林にこだました。
【海蝕】その身を何に喩えよう
とても簡単|すべて

予定 2018-07-30

参加人数 6/8人 北乃わかめ GM
 太陽の光が強くなり始めた季節。  額に滲む汗を拭いつつ、あなたは背すじを伸ばす。パートナーはとなりで恨めしく空を仰いだ。 「はー、あっつ……」 「ちょっと、だらけないでよ」 「そうは言ってもなあ」  うちわ代わりに、と手で扇いでみるものの焼け石に水だった。  今日、あなたとパートナーはベレニーチェ海岸に来ていた。と言っても、観光や海水浴目当てではない。  地中海に侵入したというベリアルの情報により、海水浴場として知られていたこの場所には人が寄り付かなくなってしまった。  そんなとき、ブリテンのエクリヴァン観劇場を中心に活動していたひとつの劇団が声を上げた。 『こんな時こそ、人には娯楽が必要なのだ!』  それは、同じく演劇や歌劇を嗜む者に深く突き刺さり。誰もが遠目で眺めるだけのこの海岸に、仮設ではあるが小さな劇場を造ったのだった。  規模は小さいが、しっかり幕もあれば観客席もそれなりに用意されている。  朝は役者や歌手を目指す学生を中心に、夜は有志で集まった劇団や急造のグループが、大粒の汗をかきながらも海辺の舞台に立った。  「ベレニーチェ海岸・夏の演劇祭」と名付けられたその噂を聞きつけ、やがて人の足も最初に比べれば増えるようになった。 「だけど、ベリアルに対する不安が無くなったわけじゃないし。だからわたしたちが、少しでも不安を取り除くために、小劇場近辺の警護にあたってるのよ?」 「わかってるってー。ただ、今日が異様に暑いなってさあ」 「いっつもギラギラの太陽みたいに元気なクセに」 「そう言うお前は――」  小劇場を背に、パートナーが口を開き、止まる。  何事かと顔を向ければ、パートナーは何か企むようにニヤリと笑った。 「……まるで水辺に佇む白鳥のように、涼やかな美しさがありますね」 「なっ……」 「あ、今グッときた?」 「バッカじゃないの、劇の受け売りだって丸わかりよ」  ちょうど聴こえてきたセリフを拝借したのだろう。それはあなたの耳にも届いていた。  だが、どうだろう。  パートナーから言われたというだけで、季節のせいとは言い難い熱を感じてしまうのは。  少しだけ背すじを伸ばしたのだって、しょうがないことなのかもしれない。
【海蝕】落とし穴に落ちました
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予定 2018-07-30

参加人数 8/8人 瀬田一稀 GM
 ざあざあと、寄せては返す波の音を聞きながら、あなた達はベレニーチェ海岸を歩いていた。  吹く風は、昼の暑さを忘れたような、涼やかさ。  ベリアルが現れるどころか、人の気配もまったくなく。  見上げる空には、黄金色に輝く月。  しかし。 「綺麗だな」 「そうだね」  二人がそう口にした、直後。 「うおっ!」 「えっ!?」  なんと、あなた達は、海岸片隅に掘られていた落とし穴に、すっぽり落ちてしまった。 「くそ、誰がこんなところに……!」 「ちょっと! 今変なとこ触らなかった?」 「は? ちょ、お前こそ今俺の足、蹴っただろ!」 「あ、やめてよ、こんな狭いところで暴れたら……って揉まないで、それお腹だからっ!」 「えっ、胸かと思った……」 「まったく、デリカシーの欠片もないっ!」 「わ、悪い! 待て、落ち着け! 叫ぶな殴るな、暴れるなあああっ!」  狭い落とし穴に、どうやって落ちたのか。  団服を着た二人の体は、すっかり絡み合っている。  落ち着けばあっさり手足をほどいて起き上がれるだろう。  ただ薄闇と、手に触れるあれこれのせいで、なかなか冷静になるのは難しく――。 「あっ、ホントに待って、スカートがめくれっ……」 「おま、そいういうこと言うなよ、言わなきゃわかんねえんだからっ」  強制的に、狭い場所で二人きり。  さあ、どうなるでしょうか。