《悲嘆の先導者》フォー・トゥーナ Lv 41 女性 ヒューマン / 墓守


司令部は、国民から寄せられた依頼や、教団からの命令を、指令として発令してるよ。
基本的には、エクソシストの自由に指令を選んで問題無いから、好きな指令を受けると良いかな。
けど、選んだからには、戦闘はもちろん遊びでも真剣に。良い報告を待ってる。
時々、緊急指令が発令されることもあるから、教団の情報は見逃さないようにね。


【魔女】今日は一日いたずら三昧!!
とても簡単|女x男

予定 2018-11-17

参加人数 2/8人 桜花 GM
『Trick or treat。お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!!』  それはハロウィン開催時のみに通じる魔法の言葉。これを言われた人は『Happy Halloween!!』と返し、子供たちにお菓子をあげなければならない。  元々は秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す宗教的な意味合いの強い行事だったらしいが、今では仮装をした子供たちがお菓子を求めて街を練り歩く楽しいイベントとなっていた。  この時期になると街はハロウィンムードへと包まれ、至る所でハロウィン気分が楽しめるイベントが開かれる。  薔薇十字教団でもハロウィンイベントの一貫ということで、教団寮の食堂を使ってハロウィンパーティを開催する計画を立てていた。 「ハロウィンって言ったらやっぱりかぼちゃ料理よね。今からパンプキンパイでも焼いてみようかしら」 「なぁ、せっかくだから俺たちもなんか仮装してみね? おれ吸血鬼とかやってみたい」 「私は絶対に嫌だからね。やるならあんた一人でやってれば」 「パーティー用のお菓子ってもう準備したー? 誰かテーブル運ぶの手伝ってほしいんだけど」  普段使っている食堂が会場になるということもあり、ハロウィンパーティーの準備には多くの浄化師たちが参加している。  厨房に入ってハロウィン料理を作ってくれている人や、折り紙で作った南瓜やコウモリを部屋中に貼ってハロウィン感を出している人がいたりとみんな楽しそうに準備をしている。  これまでにも何度か教団内でイベントのようなものをやってきたが、なんだかんだでお祭りごとが好きな私たちは張りきって準備をしていた。 「あの、アリサ先輩は一体何を……」  そんな中、一人だけ他の人とは一風変わった行動をしている人がいた。  装飾用にと用意されていた折り紙や布には目もくれず、ただ無心に大きな白い紙を壁に貼り付けている。  一見してハロウィンとは全く関係のないような彼女の行動に、周りにいる浄化師たちも何をしているのかと首を傾げながらその様子を見守っていた。 「ん? あぁ、私? たまたま近所の文房具屋さんに模造紙が売ってあったからついでに買ってきたの。これを壁に貼ってそこにお絵描きをしてみたら面白そうかなって」  彼女が壁に貼り付けているのは筒状に丸められた大きな模造紙。袋には業務用と書かれていて、これ一つで足長テーブルを覆えるほどの大きさがある。  すでに壁には模造紙がびっしりと貼られているが、それでも物足りなかったのか彼女の足元には未だに貼り終えていない模造紙の筒が何本も置かれていた。 「確かに面白そうではありますけど……、だからって大きすぎません? そもそもこれってハロウィンになんの関係が……」 「なに言ってんの、大いに関係ありだよ。だって今日はハロウィンなんだよ、ハロウィンパーティーなんだよ? むしろ私たちのいたずら心を満たすにはこれぐらいの模造紙では足らないと思うのだよ」  なんだかアリサ先輩にとってハロウィンはお菓子をもらうイベントじゃなくていたずらをしても怒られない日のようになっているような気もするが、そこはあまり気にしないことにする。  アリサ先輩と知り合ってもうずいぶんと経つが、こんなことにいちいち驚いていたらむしろ私の方が疲れてしまう。  どうせ私が何を言ったってアリサ先輩が止まるはずなんてないのなら、止めるのを諦めてさっさとサポートの方に回るのが一番楽だった。 「ほら、貼った貼った。模造紙はまだまだ残ってるんだし、さっさと貼りまくるよ」 「えぇ……、私もやるんですか……」  そうして私は半強制的に模造紙を壁に貼り付ける係へとまわされ、ほくほくのハロウィン料理がテーブルの上へと置かれる頃には色鉛筆やペンなどの準備を終わり、模造紙で作ったとは思えないほどの立派なキャンバスが出来上がっていたのだった。
寝過ごしちゃった! アルバトゥルス駅舎にて
とても簡単|すべて

予定 2018-11-22

参加人数 7/8人 宇美 GM
 まぶた越しにまぶしい光を感じながらうつらうつらとしていた。 「ねえ、ここどこだろう? まずいんじゃない?」  とパートナーが指で私の肩をつついた。  はっと目を開く。  私は臙脂色の対面式の列車のシートに座っていた。  狭い直角の固い座席だった。  よくもさっきまでこんな寝づらいところで眠りこけていたものだ、とあきれる。  仲間の浄化師たちはまだ夢の中だった。  ある女性は肘掛けに顔をのせている。ロングヘアーと両手をだらりとたれていた。細い指先が床にくっついている。  ある男性はふたりがけのシートに、ひとりで横たわっていた。はみだした長い足を肘掛けの上で組んでいる。雷のような大いびきだ。  窓の外を見ると、空は明るい。朝の空の下、ずらずらとまるで黒い大蛇のような蒸気機関車が、30台近く並んでいる。その下は入り組んだ線路だった。随分と大きな駅だ。  地面にじかに立っている駅名表らしき白い看板が目に入った。  順に字を読む。 「ア・ル・バ・トゥ・ル・ス」  まさか! うそだろう!?  ここはブリテンのアルバトゥルス駅舎だというのか?  それなら下りるはずだった教団の最寄り駅は、はるか昔に過ぎてしまっている。  並ぶ線路と列車の向こうのグリーンがかった白い巨大な建物に目をやる。確かにいつか絵はがきで見たアルバトゥルス駅と同じ形をしている。 「起きろ! 大変だ」  それにしても通常なら誰かが途中で目を覚ましそうなものだ。同行していた浄化師達が、皆、揃って終点まで寝過ごすなんてどうしてしまったのだろう?  昨日の指令で、皆、疲れ果てていたのだろうか?  仲間たちを叩き起こす。  目を覚ました浄化師達が身支度を始めるころになって大騒ぎになった。仲間のうちの数人の鞄がなくなっていたのだ。  寝ている間に盗まれたのだろうか?  眠りにつく前に楽しく会話をした老婆の姿が目に浮かんだ。  しわくちゃの顔で目を細めて微笑む、いかにも素朴そうな老婆だった。  同じ車両だった大荷物の老婆は、自分はノルウェンディのまだ観光化されていない自給自足の村から来たと言っていた。  夫の出稼ぎにともなって若い頃アークソサエティに移住した娘時代の親友に会いに来たそうだ。  雪のような銀髪に、色とりどりの刺繍がされたエプロンを身にまとった老婆が、片言の言葉で、 「ワタシ、ウマレタムラカラ、デルノハジメテデス」  とか言っていたから、ついつい手作りクッキーを、ごちそうになってしまった。  けれども、どの浄化師の記憶も老婆にもらったクッキーを口にしたところでとぎれているのだった。  あの身の上話は、まるっきりウソで、クッキーには睡眠薬でも、入っていたのかもしれない。  車内を端から端まで歩き回ったが、老婆は当然のようにいない。  ダメもとで、がらんとした車内に、ぽつりぽつりと残る乗客に、聞いて回った。しかし老婆について知る人は見つからなかった。  仲間の何人かの鞄は無事だから教団に帰る旅費には困らない。教団に渡さなければいけない魔結晶は身に付けていたのが不幸中の幸いだけど、盗まれた鞄には決して少なくない現金が入っていた。しばらくは落ち込んでしまいそうである。 「お客さん、終点ですよ!」  駅員に、促されて列車を降りた。  駅にはホームがなく、地面に直接降りる。  黒光りする列車が並ぶ線路の合間を、駅舎に向かって歩く。こちらに背中を向けて貨車と貨車の隙間に消えていく駅員の姿が目に入った。  慌てて追いかけて呼び止める。  事情を話し、これからどうやって帰ったらよいか、駅員に相談する。  幸いなことに駅員は親切な男だった。  持っていた時刻表と路線図を、真剣な面持ちで繰ったりじっと見つめたりした後、こう教えてくれた。  駅員によると、目的地の教団の最寄り駅に向かう特急列車は1日に1便のみだという。発車時刻は夕方らしい。  それに乗れば明日の朝には目的地の駅にたどり着くことができるそうだ。  鈍行なら午前10時頃に、出発するのもあるが、乗り継ぎに乗り継ぎを重ねなければならない。しかも、目的の駅につくのは3日がかりだという。  それなら夕方出発の特急列車に乗るしかない。  まだ、朝の8時半である。それまで、どうやって、時間をつぶそう?  隣には、『鉄道修理工場』があるらしい。駅員が、面白いですよ、ここまで、せっかくいらしたのなら見学しないのは損ですよ、と勧める。  パートナーの目が輝く。自分はとてもそんな気分になれないのだけれど。  駅前は人が多い。  大道芸人や、人形遣い。踊っている者もいる。  自分もあれぐらいならできそうな気がする。  道端に、小さな机を置いて占いの店を出している人もいる。  みなそれぞれ人々の注目を浴びている。  拍手喝采が響き、金属のぶつかり合う音がした。人形遣いの前に置かれた、シルクハットの中には次々ときらきらと輝くコインが、投げ入れられる。  私も、ここで、特技を発揮すれば、盗まれた分を少しは取り戻せるだろうか?  駅舎のまわりには、小さな店が、たくさんある。飲食店や、マッサージ、お土産屋さん。ぶらぶらするだけでも、十分時間がつぶせそうだ。
お茶会の魔女
とても簡単|すべて

予定 2018-11-23

参加人数 2/8人 北野東眞 GM
 気が付いたとき、浄化師たちはテーブルについていた。  唖然としていると、にこにこと笑っている可愛らしい女の子がいる。 「こんにちは。さぁ、推理をはじめましょう? さ、今回の物語を話すわね?」  誰ですか、と問いかけたり、何事かと聞く前に女の子は続けた。 「ああ、忘れないで。愛しい人。これは楽しく推理するお茶会よ? 恥ずかしがらず、自分の推理を披露してね。楽しんでいるうちはあなたを食べたりはしないわ。ただ楽しませてちょうだい。さぁ、魔女と推理のお茶会をはじめましょう」  魔女は語る。  とある小さな国がありました。  そこに大変勇敢で、聡明な、家族思いの青年がおりました。  青年は、人を食らうと噂される魔女を退治しようと森へと赴きました。  しかし、なんてことでしょうか。  青年はひと目で魔女に恋をしてしまったのです。  魔女はそれほどに美しかったのです。  また森に住まう、無垢な魔女も青年に恋をしてしまったのです。  魔女は力こそありますが、森で長く生きていたため浮世離れして世間知らずな者が多いのですが、この魔女も例外なく、世間知らずでした。青年の美貌と優しさに魅了されてしまったのです。  それから魔女は青年にいろんな知恵や魔法を授けました。青年はそれによってますます素晴らしい働きをしました。  国に害のある化け物を退治したり、困っている人の病を治したり……。  国は発展し、豊かになりました。誰もが青年を国の王様にしようと人々は言いました。  ただ一人、賛成しない者がおりました。  それは青年の幼馴染です。国一番の腕のよいパンを焼く娘は、生まれたときからずっと青年に恋をしておりました。  青年のことを強く思う彼女はなかなかに激情家でありました。  彼女は彼が森に通い続けることを不審に思い、後を付けて、森で魔女と青年の逢引を見てしまったのです。  青年は魔女に魅入られたんだ。  二人の仲睦まじい抱擁に嫉妬にかられた娘はそう思い、人々に告げました。  彼は魔女にそそのかされている!  さて、国に青年が戻ると家へと押し掛けたのは勇敢な強い兵士たち。  お前は魔女にたぶらかされたんだ。今魔女の居場所を教えれば救える。  しかし魔女の居場所を教えなくてはお前たちを処刑しなくてはいけない、と。  青年は選びました。 「さぁ、この青年はどうしたと思う? 魔女を売り渡したのかしら? それとも家族もろとも死んでしまったのでしょうか? それとは別? どんな結末かしら? この物語だけを使って、あなたたちは考え、答えを聞かせて」
【魔女決闘】未来の兆しはこの一戦に
難しい|すべて

予定 2018-11-27

参加人数 7/8人 春夏秋冬 GM
 とある廃村。  打ち捨てられたそこに、魔女達が集まっていた。  魔女決闘(フェーデ)を行うためだ。  フェーデとは、元々は自力救済を意味する言葉だ。  法がまともに機能しない時代。  何か揉め事があった際に、実力行使で問題の解決を図ることをフェーデと呼んでいた。  実力行使といっても、ルールがない訳ではない。  お互いの自滅を避けるために、時間と場所を示し、あらかじめ約束事をする。  それが決闘の作法として洗練され、魔女達の間では残っているのだ。   これから、この廃村で行われるのは、そうした決闘であった。  ◆  ◆  ◆ 「約束の刻限までには、まだ時間があるな」  廃村の入り口に1人の男性が立っている。  ウボーという人物だ。  彼の傍には女性が2人。  ウボーの相棒であるセレナと、魔女セパルだ。  この3人は、ハロウィンに合わせテロを行おうとした魔女の過激派である怨讐派を防ぐために奔走していた。  薔薇十字教団室長ヨセフ・アークライトとの密会を行い、彼の協力により浄化師達が抑止力として動いてくれたお蔭もあり、当初考えていた被害は出ていない。  怨讐派としても、今の状況で下手に動けば、ただでは済まないことは理解しているのだ。  しかも、今回の騒動で教団に保護を求める魔女が出ていることが怨讐派の動揺にも繋がっている。  中には、自分達の子供が友達を求めて出奔するなど、怨讐派の中でも心が揺らいでいる者も少なくない。  教団が、保護を求めた魔女を危害を加えることなく扱っているのも理由としては大きい。  怨讐派から逃げ出した子供を浄化師達が保護するなど、そうした結果も大きく影響していた。  だが一度振り上げた拳は、早々簡単に下ろすことはできない。  怨讐派の魔女達としても、落としどころもなく止まることはできなかった。  だからこそ、落としどころとして提案されたのが、魔女決闘だ。  廃村を舞台に、世俗派と怨讐派の魔女達が戦い、勝者の要求を聞くことになっている。  怨讐派の戦力は、魔女が30人。  その上で、悪霊達を従えて戦いを挑むことになっていた。  対する世俗派は、魔女は同じく30人。  悪霊を使役しない代わりに、魔女以外の助っ人を得ることを承諾させていた。  つまりは、浄化師達の協力である。 「来てくれると良いんだけど」  廃村の入り口で、浄化師達を待っているセレナは言った。  これにウボーが返す。 「戦力としてもだが、大義名分のためにも来て貰えないと困るな。  浄化師が、戦いの見届け人としている。  それなら対外的には教団のコントロール下にあると言い訳ができるからな」 「最悪、私たちが見届け人として動くしかないんじゃない?」  セレナの言葉に、ウボーは返す。 「最悪そうするしかないが、その時は室長に動いて貰わないといけなくなる。  それだと、今までのように隠れて動くことはできなくなるのが問題だ」  セレナとウボーの2人は、魔女であるセパルに協力するため、死亡を装って秘密裏に動いている浄化師だ。  それが生きていることになれば、教団の命令を無視する訳にはいかなくなる。  無視すれば、抹殺指令すら出かねない。  悩むウボーとセレナに、セパルは言った。 「その辺りは、室長くんに何とかして貰うしかないんじゃない?」 「……室長に借りが出来るぞ」  ウボーの言葉に、セパルは肩をすくめるようにして返す。 「それは覚悟の上だよ。どのみち浄化師の子達には、いずれボクは魔女として知らせた上で関わるつもりだったし。  だからこそ、今まで浄化師の子達と関われそうな時は、幻惑系の魔法使わずにいたんだから」  これまでセパルは、ウボー達と一緒に冒険者として浄化師達と関わることが何度かあった。  それは浄化師達と協力できるかどうかの見極めも兼ねていた。 「ま、とにかく。最悪になったら、その時はその時で考えよう。  それよりも今は、決闘に勝つことを考えなきゃ」  セパルの言葉に、ウボーは気持ちを切り替え返す。 「勝つためには、まずは相手の戦力を知らないとな。  細かい戦力は分かるか?」  ウボーの問い掛けに、セパルは返す。  その内容は、次のようなものだった。  決闘の相手となる魔女30人の内、リーダーは爆炎の魔女アルケー。  ただし、今回の怨讐派の動きには賛同していないので、本気で来ることはない。  よほど致命的に怒らせるなどしない限りは、自らが魔法を使って攻撃してくることはないだろう。  10体程度の悪霊を使役するぐらいしかしてこない。  悪霊を全て倒せば、負けを認めるだろう。  残りの魔女も、半数近くは戦意が低い。  1人当たり1体から数体の悪霊を従えており、悪霊が倒されれば戦意を喪失するだろう。  残りの10数名の魔女は戦意が高いので、使役している悪霊を倒しても戦う可能性は高い。  それぞれ悪霊達とは別に、遠距離系の攻撃魔法を使う可能性もある。  ただし、悪霊を操りながらでは、攻撃魔法の狙いは著しく落ちるだろう。  悪霊を倒せば倒すほど体力を消耗するので、拘束する場合は、最初に悪霊を倒してからが良い。  これに対してセパル達、世俗派の魔女の戦力は次の通りだった。  リーダーは幻惑の魔女セパル。  決闘の勝利による事態の鎮静化が目的なので、戦う相手となる魔女の抹殺は積極的には行わない。  どうしても止むを得ない限り、抹殺では動かない。  近接戦闘と幻惑系の魔法を使う。  幻惑系の魔法の効果範囲は、最大で数10m。セパルから離れれば離れるほど効果は薄くなる。  効果が及ぶ範囲では、相手は幻惑をみせられ命中力が落ちる。  残りの魔女達は、指示次第で様々な行動がとれる。  味方の防御や回復、あるいは動きを速くするなどの援護もできるし、直接戦うこともできる。  遠距離攻撃の魔法を使う者が多いが、数名は接近戦もできる。  全員、直接触れた相手の体力を奪い、気絶させる魔法が使える。  ただし、気絶させるほど体力を奪うには時間がかかるので、相手が弱ってからでないと使えない。  残りのウボーとセレナは近接戦闘系である。 「戦う場になる廃村の地形は、相手は詳しいのか?」  ウボーは背後の廃村を見ながら問い掛ける。  これにセパルは返した。 「怨讐派の子達を率いているアルケーが、旦那さんと娘さんと一緒に暮らしていた村だからね。  彼女が伝えてる筈だから、ある程度は分かってる筈だよ」 「住んでたの? ここに?」  人気のない廃村を見詰めながら、悲しそうにセレナは言った。  これにセパルが返す。 「林業で栄えた活気のある村だったよ。それを商売敵の他所の奴らが妬んでね。  魔女を匿ってる村だって決めつけた挙句に、アルケーの旦那さんと娘さんを人質に取ってね。  逆らえないアルケーを動けなくなるまで乱暴した挙句に、石を投げながら旦那さんと娘さんを殺したことを笑ったそうだよ。  そのあとに、村人の財産を奪っていったみたいだ」  淡々とセパルは言う。  抑揚のないその声は、感情を奥底に隠しているようだった。   けれど、セパルは今までと変わらぬ明るい表情を見せながら言った。 「ま、昔話はこれぐらいにして。今は、やるべき事をしなきゃね。  浄化師の子達が来てくれたら状況を話して、指示を仰ごう。  うちの魔女の子達にもそう説明してるし、それでやっていこう」  かくしてセパル達は、アナタ達を廃村の入り口で待っています。  決闘の勝敗と、その先の結果は、アナタ達次第です。  この指令に、アナタ達は――?
占い師の導き
とても簡単|すべて

予定 2018-11-29

参加人数 2/8人 oz GM
「え? 知らないの? 最近教団内でも噂になってるんだよ、その占い師! それがさあ、よく当たるんだって!」  噂好きで知られている教団女子がそう周囲に話しているのが自然と目に入る。盗み聞きしようとは思っていないが、その女子の話し声が大きく嫌でも耳に入るのだ。 「フェイスベールで顔が隠れているんだけどさ、あれはとびっきりの美人で間違いないよ! 目元で分かる! 伏し目がちな目が色っぽいんだもん。それに自己判断してもらったら、明るい性格ですけど、頭で考える前に行動しがちでしょうって指摘されてさ。その後に、一息おいてから行動するともっと良くなりますよって助言されたんだよね、あ~当たってるなあって思ったよね」  喋っている内にだんだんとテンションが上がってきたのか、声のボリュームが大きくなっていく。 「それに悩み相談までしちゃった! ――え? お前に悩みなんてあるのかって? ありますー! こう見えてもわたし色々とあんの!」  周囲に突っ込まれながらも、すぐさま反論する赤髪の教団女子は拗ねたようにそっぽを向いた。 「こう前向きになれるアドバイスをしてもらえるしさ。行ってみて良かったよ。機会があれば行ってみるといいよ! 私が並んだときには行列ができてたけどさ、占ってもらえる上に神秘的な美人さんが見れて眼福だから!」  占いがよく当たると言いたいのか占い師が美人だと言いたのか、それともどちらもなのか分からないが、彼女の熱意はこちらまで伝わってきた。  そんな噂を耳にしたタイミングで、司令部から「ボヌスワレ・ストリートにいる占い師カルメンに占ってもらうように」という指令が出ていた。  いつもの浄化師への息抜き的な指令かと首を傾げつつ、祓魔人と喰人はその指令を引き受けた。  さっそくボヌスワレ・ストリートに向かうと、あっさりと占い師は見つかった。よほど人気なのか占い師の周囲は人々で賑わっている。  路上の片隅に風変りだが洗練された天幕があった。こぢんまりとしているが、相談者が話を聞かれることのないようにと配慮されているのか厚い天鵞絨で覆われている。天鵞絨は秋らしい銀杏の落ち葉を連想させる深みのある落ち着いた色合いをしていた。  占い師カルメンを目当てに男女関係なく行列ができており、浄化師達は仕方なく最後尾に並ぶ。  天幕の中に入ってみると、思っていたよりも広く薄月夜のシフォン生地が幾重にも重なり揺れる。薄暗い中をライラックの灯りが神秘的な空間を作り上げていた。  占い師カルメンは簡易テーブルの前に静かに座っており、厚手の黒いテーブルクロスの上にはタロットカードが置かれてある。  噂好きの教団女子が言う通り、その占い師は黒いローブに顔半分を覆う紫のフェイスベールェイスに隠されていても匂い立つ美貌は隠せていなかった。  いかにも大抵の人間が想像する怪しげな占い師といった態なのに、彼女の持つ蠱惑的な雰囲気がそれすらも魅力に変えている。  まるで動物や虫が必要に応じてフェロモンを放つように、彼女も人を引き寄せる性質を持っているように感じられた。  カルメンは目だけで微笑むとあなた達に椅子に座るように促した。  君たちはこれから占い師カルメンに直接会って占ってもらう。  今後のことについて聞いてみるのもいいだろうし、パートナー同士これからも上手くやっていけるかを尋ねてみるのも面白いかもしれない。  もしあなたが迷いを抱えているなら今のままの自分でいいのか、この先どうしたらいいのか、聞いてみるといいだろう。何か気がかりなことがあれば、占い師に話してみるだけでもスッキリするかもしれない。  あるいは失せものについて尋ねたら、何かしらのメッセージをもらえるかもしれない。  あなた自身のことを占ってもらうのも楽しい筈だ。パートナーに言えずに悩んでいることをこっそりと相談してみるのもいい。何か解決の糸口が見つかるかもしれない。  もしかしたら占いなんて信じないという者もいるかもしれない。それもいいだろう。占いを信じるも信じないも人それぞれだ。  例えどんな結果が出たとしても、未来を決めるのは今を生きる君たち次第なのだから。
常夜の国のセレナーデ
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予定 2018-11-29

参加人数 8/8人 あいきとうか GM
「観光地?」  きょとんとする少年の言葉に、司令部教団員は真剣な表情で頷いた。 「はい。先の一件でシャドウ・ガルデンとの国交が生じましたでしょう? 一度行ってみたい、という声を多くいただいているのですが。私を含め、多くの人々がかの国について、ほとんどなにも知らないのです」 「鎖国してたもんなぁ」  オレンジジュースを飲む少年の耳は、蝙蝠の翼に似た形をしている。  彼もまたヴァンピールであり、三年前までシャドウ・ガルデンで生活していたのだ。  浄化師としての素質を見出されなければ、今もそこで生きていただろう。 「って言ってもな」  うーん、と少年は唸る。  閉ざされていた国を出て三年。思い出せることは年々少なくなっているし、そもそも住んでいたからこそ、観光地になるような場所に心あたりがない。  どこもかしこも、彼にとってはあって当然の場所でしかなかった。 「どこでもいいんです。観光資源があれば、それをきっかけにシャドウ・ガルデンに多くの方を導けると思うんです」 「まぁ、なにがあるか分かんないけど、とりあえず興味があるなら行ってみて、って言うよりはいいかなぁ」  見知らぬ国で迷子にさせるのは、得策ではない。  一か所でも、ここ、と言える場所があれば、観光客たちの足は自然とそこに向かうだろう。 「……あ」 「なにか思い出しましたか?」 「月輝花の花畑、とか」 「ゲッキカ?」 「うん。百合っぽい白い花なんだけど、あれ、確かシャドウ・ガルデンの固有種なんだよね」 「詳しくお願いします!」  目を輝かせて食いついてきた司令部教団員に、少年は上体をそらせる。小声で謝りながら、彼女は椅子に座りなおして咳払いをした。  落ち着いたところで、少年は眉間にしわを寄せる。 「うーん、でも、あるか分かんないんだよね。なにせ三年前はあったってだけだから」 「では、浄化師様たちに見てきていただきましょう」 「そうだね。僕は……いいかな。たぶん日程、あわないし。場所だけ教えるよ」 「ありがとうございます」  懐からメモとペンをとり出した司令部教団員に、少年は月輝花の特徴と、だいたいの位置を教えた。 「でも、名前もない花畑があったとして、観光地になるのかなぁ」 「大切なのはきっかけですから」  そうかな、と少年は疑問が残る表情でオレンジジュースを飲みほした。
目覚めた世界でみたものは
とても簡単|すべて

予定 2018-11-30

参加人数 5/8人 北野東眞 GM
 目覚めた世界は白、白、白……途方もなく真っ白だった。  天井の白さ、横を見れば真っ白いカーテン、ベッドも真っ白だ。  不思議に思っていると、薬品の匂いが鼻につく。  すると、カーテンをひく音とともに現れたのは医療班の濃い緑の制服のスタッフだ。  無表情で彼はキミを見て。 「失礼」  額に触れ、手首をとり、さらには腕に器具をまきつけている。  それをただ見ていると。 「体温、脈拍、血圧ともに正常ですね。おはようございます。……どうしてここにいるのか覚えてますか?」  冷静な声で尋ねられた。  ああ、そうだ。  ここにいるのは――。