当主選定に協力しよう
普通 | すべて
8/8名
当主選定に協力しよう 情報
担当 春夏秋冬 GM
タイプ EX
ジャンル イベント
条件 すべて
難易度 普通
報酬 通常
相談期間 5 日
公開日 2020-05-28 00:00:00
出発日 2020-06-05 00:00:00
帰還日 2020-06-14



~ プロローグ ~

 その日、見上げた月は、息子が出奔した日と変わらぬ輝きをしていた。

「万斉殿」
 聞き慣れた声に、月を見上げていた初老の男、斉藤万斉(さいとう・ばんさい)が視線を向ける。
 そこに居たのは自分と同年代の男、八狗頭源隆斉(やくと・げんりゅうさい)だった。
「話は付きましたか?」
「いや。鍔競り合っておるよ」
 剣呑なことを言いながら、しかし源隆斉は稚気に溢れた表情をしていた。
「懐かしいな」
 思わず、万斉は昔のような砕けた口調で言った。
「久方ぶりだ。お前のそんな顔を見るのは」
「そういうお前こそ。懐かしい喋り方になっているぞ」
 お互い苦笑する。
 かつて八家当主を担い得る長子として、共に親しく語り合っていた頃に、2人は戻っていた。
「好き月だ」
「ああ」
 2人は共に月を見上げる。
 それは自分達の長子が、家を出て行った時に見上げた物と変わらず、2人を照らしていた。

 いま2人が居るのは、氏神である大口真神(おおぐちまかみ)の神社の境内だ。
 本殿では、跡継ぎ候補に誰を出すかという話し合いが続いている。

 かつて、万斉と源隆斉の属する武士団、真神八家は、八家全体の当主を巡って騒動を起こしていた。
 だが浄化師の協力もあり、根本的な制度を変えて対処する、という話に落ち着いた。
 しかしそこで問題になったのは、誰を出すかということである。
 持ち回りで特定の家から出すのではなく、能力がある者が、複数の補佐を置きながら合議制で当主としての役割を全うする。
 それ自体は問題ないが、やはり誰を出すかという話に戻ってくる。
 そもそも、当主として必要な仕事は多種多様。それを細分化することで役に就く者は増えるが、増えれば増えたで誰がその役に就くかでもめていた。
 より少しでも多く、自分の家から役に就く者を出すために、役職そのものを増やそうとする者まで出る始末。

「選定の時には真神様も御出でになるというのに、とてもではないが、今の体たらくをお見せできぬな」
 ため息をつくように言う源隆斉に、万斉は苦笑しながら返す。
「全くだ。このような無様、曝さぬためのしきたりであったが、変えぬ方が良かったか」
「本気で思っておるか?」
「まさか」
 万斉は笑みを浮かべ返す。
「ただの愚痴よ。許せ」
「許す。ただ、どうせなら茶でも飲み、甘い物でも楽しみながらにしたいものだ」
「確かに」
 お互い笑みを浮かべる。
 厳つい風貌に反して、この2人は甘党なのだ。
 とはいえ、家の当主としての威厳を保つため、人前ではそぶりを見せないでいた。

 今までは、であったが――

「八狗頭の当主の座、青葉に正式に譲り渡すことにした」
 源隆斉は静かに告げた。
「御上には、すでに届け出ておる」
「そうか。私も、内内に準備は済ませた」
 万斉も静かに返す。
 2人は、それぞれの家の当主であったが、八家当主選定制度が変わるに当たり、名実ともに、その座を退くことにしていた。
「年寄りが退かねば、若い者は好きに動けぬからな」
「違いない」
 気心が知れた者同士笑い合いながら、けれど万斉は心残りを覗かせる。
「気になることでもあるのか?」
「……なに。あいつにこれを渡せずじまいだったのを悔んでおるだけよ」
 万斉は、自分で彫った仔狼の根付けを取り出し見詰める。
「家を出る時に、置いていきおった。家に迷惑を掛けることを詫びる書状と共に、残してそれきりだ」
「……」
 無言で話を聞いていた源隆斉は、どこか稚気の溢れる笑みを浮かべ言った。
「新当主に関わる選定、浄化師に手を貸して貰うとしよう」
「どういうことだ?」
 聞き返す万斉に、源隆斉は応える。
「なに、今のままでは話が先に進まんからな。いま揉めておるのは、要は誰が相応しいか決められんからだ。なら、自分こそは相応しいと示す場を作れば良い」
「……試合相手を浄化師に務めて貰う気か?」
「それも良かろう。血気盛んな者も多い。少し痛い目を見させてくれる相手が居た方が、先のためだ。のみならず、当主に就くには武の技量以外も肝要よ。それらを示すための知恵を借りれるなら好かろう。それに――」
 万斉の持つ根付けに視線を向けながら源隆斉は続ける。
「その根付け、渡せるやもしれん。悪い話では無かろう」
「……今の騒動を利用しろと?」
「人聞きの悪い。どのみち、浄化師に頼むのは前から考えておったよ。一族同志で後の禍根を残さぬためにも外部の助けは要ると思っておったからな。お主はどうだ?」
「先を越された」
 万斉は、源隆斉と同じく稚気に溢れた笑みを浮かべ応えた。
「私もそのつもりであったよ。まったく、お主にはいつも先を行かれる」
「その後追い抜いていくのだから、構わんだろう」
「その後に、追い付いて来るではないか」
「競う相手が居るのは楽しいからな。力も入るというものよ」
 2人は笑い合うと、いまだ話し合いの続く本殿へと向かった。

 そして、浄化師も参加する、次期当主選定試合が行われることになりました。
 そこには――

「楽しみにしておるぞ!」
 話を聞きつけた暴れん坊将軍、徳川吉宗が来ていました。他にも――
「はははっ! 励むが好い!」
 なぜか守護天使ヤマトタケルも来てます。
「……2人とも、はしゃぐのは、ほどほどに」
 胃痛枠の狼の八百万の神、大口真神が引率の先生みたいな感じで、吉宗とタケルの相手をしてたりします。

 そんな中で、アナタ達には協力要請が来ています。
 選定試合で勝負の相手になるも良し。
 単純に観戦者になるも良し。
 試合以外で、当主としての資質を見極める試験などを作って、その試験官になることも出来ます。
 あとは、選定が終わった後に宴が開かれる予定なので、そちらの手伝いをしたり、単純に参加しても好いでしょう。
 そして今回の指令に参加すると、記念として真神八家特製の根付けが貰えるとの事です。
 この指令、アナタ達は、どうしますか?


~ 解説 ~

○目的

八家当主選定に協力しましょう。

試合や試験を手伝ったりして下さい。

8人から10人が候補として選ばれ、当主として見聞を広めるべく、アークソサエティに留学することになります。

○流れ

選定会場に訪れた所から始まります。
好きな場面をプランにてお書きください。

1 将軍などが集まる。

お偉いさんが集まって挨拶をしています。
それを聞いていても良いですし、試合や試験の手伝いの準備に動いても構いません。

2 選定試合

対戦相手として協力してください。
複数で組むのも可能。
魔術を使っても良いです。
守護天使のヤマトタケルが、致命傷を受けても無傷でいられる結界を張るので、手加減は無用です。

対戦相手は、L20~30の剣士です。
複数で戦う場合は、相手も複数になります。

3 試験

知識や思考力を判断するテストが行われるので、その協力になります。
試験官、あるいは試験内容を作成することが出来ます。
試験内容に関しては、PCの自由設定を反映させて構いません。

4 打ち上げ

試合と試験が終わると、慰労を兼ねた宴が催されます。
その宴に供する料理を作っていても良いですし、単純に食べて回るのでも構いません。
外で立食形式の物になります。

○NPC

真神武士八家

今回の選定に参加する武士団です。
プランで書かれると、内容に沿ったNPCとして出てきます。

徳川吉宗 暴れん坊将軍

ヤマトタケル エンジョイ守護天使

大口真神 上の2人の引率役

○その他

今回は、根付けのオリジナルアイテムが取得可能です。
協力してくれたお礼に、好きな形の根付けを貰えます。

取得するかどうかは自由です。

プロローグに出てくる斉藤万斉に縁のあるPCは、彼から根付けを貰うことが出来ます。

アイテム名などの文字数制限については、以下になります。

アイテム名 : 10文字以内
解説文   : 60文字以内
ステータス : 運営側で固定値を入力します。

取得できるアイテムは一つだけになります。
特殊な効果などは付与されません。

以上です。


~ ゲームマスターより ~

おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、すでに出しました「お家騒動に関わろう」の後日譚なエピソードになっています。

「お家騒動に関わろう」にて大成功になりましたので、ボーナスとして、ニホン編の決着エピにて、真神武士八家が助っ人に来てくれます。

今回のエピソードの結果次第で、応援の規模が決まります。

それでは、少しでも楽しんで頂けるよう、判定にリザルトに頑張ります。





◇◆◇ アクションプラン ◇◆◇

ルーノ・クロード ナツキ・ヤクト
男性 / ヴァンピール / 陰陽師 男性 / ライカンスロープ / 断罪者

二人で組み、試合相手として参加
接近戦が不得手な事を逆手にとったルーノが囮となり相手を引き付け
ナツキが表裏斬で背後をとり挟撃

ルーノ:神前の選定試合に恥じない戦いを
ナツキ:おう!やるからには全力だ!


宴の場を眺めるナツキに、どうしたんだとルーノが尋ねる
ナツキ:今まで関わった誰が欠けても、この結果は無かっただろうなって考えてた
ルーノ:…人の縁というのは不思議なものだな

ルーノが源隆斉と万斉を気にするナツキの背を押す
一の話を思い出し、ナツキが根付けを見せて二人に声をかける
ナツキ:母さんの根付けが、俺をここに連れてきてみんなに会わせてくれた
…だから、もっと話したい。ここの事やみんなの事、教えて欲しいんだ
ヨナ・ミューエ ベルトルド・レーヴェ
女性 / エレメンツ / 狂信者 男性 / ライカンスロープ / 断罪者
目的 選定選びの手伝い【魔】

ベ このあいだ話し合いがされたと思えばもう選定か 段取りが早い
ヨ この前…朧げに楽しかったような記憶しかないんですよね…(首捻る
ベ お前はそうだろうな 帰りは大口真神の背中でぐっすりだったぞ
ヨ …うそですよね?(引きつる
ベ (笑顔で返す


選定に来た八家の人達に試合や試験の場所、時間の案内など細々した対応にあたる
皆さんあまり緊張せず全力を出し切ってくださいね(応援の意
度々偉い人の有難いお言葉を頂戴しつつ真神とタケルを見つけて慌てて平謝りに行く
お二方とも先日は失礼いたしました
今日は真面目にお手伝いさせて頂きますのでどうかご容赦を
あ あの日の感想は特に 必要ありませんので…(あわあわ
リコリス・ラディアータ トール・フォルクス
女性 / エレメンツ / 魔性憑き 男性 / 人間 / 悪魔祓い

試合に参加するわ
こういうのはタイマンがお約束よね
というわけで、トールは準備やお手伝いの方に回ってね

さて、死なないらしいから最初から飛ばしていくわよ
相手の武器は太刀、リーチはこちらが短いから致命傷だけは避け、臆せず懐に飛び込む
武士団とはいっても、武士以外と戦う場面もあるでしょうし
私のような戦い方をする相手にも慣れておくことはきっと役に立つわ
まあ、あなたほどの使い手なら余計な心配かもしれないけれどね?と挑発も混ぜ
勝っても負けても健闘を称える

本当だわ、しょっぱくて美味しい
ありがとうトール、大好きよ
わざとらしく微笑んで
…どうして照れないのよ…渾身のデレだったのに、こっちが恥ずかしいじゃない
リチェルカーレ・リモージュ シリウス・セイアッド
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / ヴァンピール / 断罪者
新しい当主の選定方法…すてきね
皆で少しずつ力を出し合って 新しい道を選ぶのって
わたし達も精一杯お手伝いしなくっちゃ

和気あいあい?とした 守護天使様や真神様を微笑ましく見て
皆さん 生き生きした顔をしているわ
良い試験になるといいわね
たいへん…って何が?
不思議そうに首を傾げ

1 試験のお手伝い
シアちゃんと一緒に 救護班
緊張したり軽いケガの人の手当て
がんばってくださいね
お疲れ様です
心がほぐれるよう 笑顔で接する

リコちゃんに気付き全力で応援
クリスさんに連れられて 試合に出たシリウスにぱっと笑顔
ふたりとも がんばって!
勝敗に関わらず 試合が終われば満面の笑みで拍手
お疲れ様!
向いてないって… ふふ、だけど息がぴったりだったわ 
アリシア・ムーンライト クリストフ・フォンシラー
女性 / 人間 / 陰陽師 男性 / アンデッド / 断罪者
お手伝い…何ができるか分かりませんが、頑張ります

大口真神様、なんだか、大変そうに見えるのは、気のせいでしょうか
でも皆さん、とても楽しそうですね(ほんの少し微笑んで

私は、試験会場の方をお手伝い、してきます
大丈夫、クリスは試合、したいのですよね?
行ってきて、ください
終わったら、見に行きます、ね

1.試験会場の準備等お手伝いを
荷物を運んでたらリューイくんが
ありがとう、ございます
さすが男の子、ですね
力持ちです(ちょっとだけ笑いかけて

リチェちゃんと救護班の活動も
気持ちを楽にして、くださいね
受験者を応援

2.手が空いたら試合会場見学
リコちゃん、すごい、かっこいいです……!

クリスとシリウスさん、息合ってますよね
アルトナ・ディール シキ・ファイネン
男性 / 人間 / 断罪者 男性 / エレメンツ / 悪魔祓い
…まあ、まだそんなに経験とかないしな
そんな落ち込まなくても…
できることは、ある
例えば…宴の準備手伝ったり

誤解招くだろ そんな言い方するな
『俺の』ってなんなんだ…
マイペースだな…アンタ
…は? 俺がマイペース…?

はいはい 訊いてみよう
ん、そう…だな それくらいなら
よくそんなに元気に…いや いいけど

・料理を手伝ったりではなく、
 料理を運んだり、手が足りないところがあれば、手を貸す等 そういった方面で手伝う
・その他サポートへ
リューイ・ウィンダリア セシリア・ブルー
男性 / エレメンツ / 魔性憑き 女性 / マドールチェ / 占星術師
1~3
当主選定会の手伝いを
少しでもスムーズに進むため 会場設営をしたり備品を運んだり
ニホンの武士の人や 皆の戦いを近くで見られるのも楽しみ

リ:わ、身分の高そうな人が沢山。
  各家の代表だけでなく、将軍様や守護天使に八百万の神まで… 
  真神八家ってすごいんだね
お偉方と目が合えば 慌てて頭を下げて挨拶

セ:リューイ、口が開いているわよ(小さく笑いながら)
  由緒ある家柄だから、余計にしがらみが多いんでしょうね
リ:でも「変わる」という選択をしたんでしょう?すごいと思う
セ:ええ より良い方向へ進むよう、私たちもお手伝いしましょう

運営がうまくいくように 周りの人と協力して裏方を
参加者が余計なことを考えず 試験に専念できるように
ショーン・ハイド レオノル・ペリエ
男性 / アンデッド / 悪魔祓い 女性 / エレメンツ / 狂信者
【魔】
ドクターが変な歌歌いながら書類の束を持ってるぞ…
は、はぁ…自然という書物は数式という言語によって書かれている、ですか…
まぁ気合い入ってるしいいか
ペーパーテストの試験監督に
不正が起きない前提で試験をするのも変な話だろうさ
ドクターの作ったテストが配られた途端一部凍りつくのを見て首を傾げる
あの人は一体何を作ったんだ…
とはいえ、戦いだったら不意打ちを食らったようなもんだからな
精神面のテスト…いやドクターそこまで考えてないか
明らかに動揺した人間や挙動がおかしい人間はリストアップして報告する
カンニングは即刻失格
動揺した人間も一応注意を払うようにな
動揺から挽回して好成績ならそれは天晴れだが


~ リザルトノベル ~

●開幕準備
「全力を見せてみよ!」
 将軍徳川吉宗の檄に、この場に訪れた武士達が血気を漲らせる。
 真神八家当主選定を前にした挨拶が進む中、浄化師は動いていた。

「嬉しそうだな、ナツキ」
 武士団を見詰めていた『ナツキ・ヤクト』に『ルーノ・クロード』が声を掛ける。
 すると笑顔でナツキは応えた。
「ああ! だって、真神八家が変わろうとしてる。俺1人じゃダメでも、たくさんの人のおかげで今があって、それがすごく嬉しいんだ」
「そうだな。なら、成功させないと。やるぞ、ナツキ」
「おう! 頼りにしてるぜ、相棒!」
 2人は拳を打ち合わせ、試合会場に向かう。

 そうして試合会場に向かう者もいれば、雑務に向かう者も。

「このあいだ話し合いがされたと思えばもう選定か。段取りが早い」
 吉宗の檄を聞く武士団を見詰めながら『ベルトルド・レーヴェ』が呟くと『ヨナ・ミューエ』が返した。
「この前……朧げに楽しかったような記憶しかないんですよね……」
 首を傾げるヨナに、ベルトルドは生暖かい視線を返しながら応えた。
「お前はそうだろうな。帰りは大口真神の背中でぐっすりだったぞ」
「……うそですよね?」
 顔を引きつらせるヨナに、笑顔で応えるベルトルド。
 羞恥と気まずさで顔を赤くしたヨナは、お偉いさんの挨拶が終った頃、大口真神とヤマトタケルに挨拶に行く。
「お二方とも先日は失礼いたしました。今日は真面目にお手伝いさせて頂きますのでどうかご容赦を」
 きりっ、とした表情でヨナは大人の対応をしようとするが――
「気にせずとも好い。はしゃいで疲れておったのであろう」
「はははっ。子供は元気が一番よ!」
「疲れたら、また背で運んでやろう」
「高い高いをしてやっても良いぞ!」
「あ、あの日の感想は特に、必要ありませんので……あと子供じゃないので大丈夫です……」
 千年単位で生きている2人の感覚で幼女扱いされるヨナは、あわあわしながら応えていった。
 そして八家の者達に試合会場や時間の案内を行う。
「皆さんあまり緊張せず全力を出し切ってくださいね」
 応援の声を掛けながら、2人は雑事に動く。

 そうして雑事に動く者がいれば、試合に向けストレッチをする者も。

「じゃあ、1人で試合に参加するんだな」
「ええ」
 ストレッチをしながら『リコリス・ラディアータ』は『トール・フォルクス』に返す。
「こういうのはタイマンがお約束よね。というわけで、トールは準備やお手伝いの方に回ってね」
「分かった。ニホン武士は弓矢も凄いと聞いたから、試合してみたかったんだけど、そういうことなら俺は応援してるよ」
「ありがとう」
 笑顔で応えるリコリスが試合会場に向かうと、トールは観客席に向かう。
 その途中、真神八家の1人が声を掛けてきた。
「今回協力してくださる皆さんに、望まれる方には根付けを記念品としてお渡しする予定です。何か希望がありますか?」
「……どんな物でも良いんですか?」
 トールは少し考えたあと尋ねた。
「商家の家紋が入った根付けが良いんですが、用意出来ますか?」
「出来ますよ。どこの家紋ですか?」
 これにトールが説明すると、宴までには出来あがると応えが返ってくる。
「それでお願いします」
 トールは礼を返すと、他の手伝いに向かう前にリコリスの応援をするため観客席に向かった。

 そうしてパートナーと行動する者もいれば、他の仲間と一緒に動く者も。

「新しい当主の選定方法……すてきね。皆で少しずつ力を出し合って、新しい道を選ぶのって」
 心和む笑顔を浮かべながら『リチェルカーレ・リモージュ』は言った。
「私達も精一杯お手伝いしなくっちゃ」
 同意するように『アリシア・ムーンライト』は応える。
「はい。お手伝い……何ができるか分かりませんが、頑張ります」
「ええ。一緒に頑張りましょうね、シアちゃん」
「はい。リチェちゃん」
 2人は笑顔で応えあう。
 そんな2人の様子に『クリストフ・フォンシラー』は、くすりと笑みを浮かべ、『シリウス・セイアッド』は心地好さ気に目を細める。
 そうしている間も、お偉いさんたちの挨拶が続いている。
「怪我はせぬので励むが好い! なんなら私も出るぞ!」
「ならば私も!」
「趣旨が変わるので出ちゃダメでしょ2人とも」
 前のめりなタケルと吉宗を抑える真神。
「皆さん、生き生きした顔をしているわ。良い試験になるといいわね」
 真神たちの様子に、微笑ましげに言うリチェルカーレ。
 これにアリシアは小首を傾げ応える。
「大口真神様、なんだか、大変そうに見えるのは、気のせいでしょうか」
 アリシア達と同じく真神を見ていたシリウスは、タケルと吉宗に振り回されている真神の姿に、思わず遠い目をすると呟く。
「……保護者役はどこも大変だな」
「たいへん……って何が?」
 不思議そうに聞き返すリチェルカーレに、シリウスは視線を逸らすと小さく返す。
「別に」
 すると小首を傾げ、真神達を見詰めるリチェルカーレ。
「でも、楽しそうよ」
「そう、ですね」
 アリシアは同意する。
「皆さん、とても楽しそうですね」
 小さく微笑むアリシアに、同じように微笑むリチェルカーレだった。
 そして4人は、それぞれ別れて行動することに。
「私は、試験会場の方をお手伝い、してきます」
「アリシアは試験の方の手伝い? そっち手伝おうか?」
 クリストフの言葉にアリシアは応える。
「大丈夫、クリスは試合、したいのですよね? 行ってきて、ください。終わったら、見に行きます、ね」
「そうか、ありがとう。じゃあ、また後で」
 クリストフは笑顔でアリシアとリチェルカーレを見送ると――
「ほら、シリウス、行くよ!」
 無言でその場を離れようとするシリウスを、にょいっと捕まえる。
「……待て、どこにだ」
 人前は苦手なのでと裏方に行こうとしていたシリウスは、困ったような顔つきで聞き返す。
 これにクリストフは『逃がさないぞ♪』とでも言うような笑顔を浮かべ、ぐいぐい試合会場に押しやっていく。
「それだけの腕前があるのに引っ込んでるなんて勿体ないだろう」
 そう言うと受付に申し込みをする。
「2人組でお願いします」
「……何で俺が!?」
 思わず声を上げるも、なし崩し的に試合に参加することになるシリウスだった。

 そうこうしている間に、試験会場の設営や準備を手伝う者も。

「わ、身分の高そうな人が沢山」
 視線を巡らせれば格式の高い服装の人物があちらこちらに見える状況に『リューイ・ウィンダリア』は驚いたように声を上げる。
 そんな彼の様子に、『セシリア・ブルー』は小さく笑みを浮かべる。
「リューイ、口が開いているわよ」
 これに慌てたようにリューイは口元に手を当てると、居住まいを正すように気をつけたあと続けて言った。
「各家の代表だけでなく、将軍様や守護天使に八百万の神まで……真神八家ってすごいんだね」
「それだけ由緒ある家柄ということなんでしょう。でもそれだけに、余計にしがらみが多いんでしょうね」
「でも『変わる』という選択をしたんでしょう? すごいと思う」
 リューイの言葉に、セシリアは静かに頷く。
「ええ。より良い方向へ進むよう、私たちもお手伝いしましょう」
「うん。少しでも力になれるよう頑張ろう」
 そして2人は、運営がうまくいくよう周りの人と協力して裏方をこなしていく。
「会場の備品をあちらに持って行けばいいんですね」
 リューイは試験会場の設営係から話を聞くと、セシリアと一緒に現場に向かう。
 そこでは先に来ていたリチェルカーレとアリシアの姿が。
 重そうな物を持って行こうとしていたので、リューイは声を掛ける。
「手伝います」
「ありがとう」
「ありがとう、ございます」
 2人に礼を言われ、リューイは余裕を見せるように荷物を持って行こうとするが見た目よりも重かったので、ちょっとよろけそうになる。
 けれど男の子の意地を見せ、なんでもないかのように持って行く。
 その姿をセシリアは面白そうに後ろで見つめ。アリシアは、ちょっとだけ笑いかけながらも、感心するように言った。
「さすが男の子、ですね。力持ちです」
 そのあと、リチェルカーレとアリシアは救護班に向かい、リューイとセシリアは試合会場の手伝いに向かう。
 そこで将軍吉宗に声を掛けられる。
「大儀である。手伝い、よろしく頼むぞ」
「はい。頑張ります」
 慌てて頭を下げて挨拶するリューイ。
 そんなこんなで手伝いをしていると、セシリアは魔術通信を使っての放送係を申し出る。
「もう、呼び出しを掛けても良いんですね?」
 確認を終えたあと、呼び出し開始。
「第一試合に参加される、八狗頭茜さん、斉藤葵さん。受付まで、お越しください」
 そうして呼び出しをしているセシリアの隣でリューイは、そわそわしている。
「武術の試合、気になるの?」
「……うん」
 気まずそうに返すリューイに、セシリアは小さく笑みを浮かべ返す。
「もう大丈夫だから行っていらっしゃい」
 セシリアの言葉にリューイは笑顔になると――
「ごめん、ちょっとだけ!」
 そう言って楽しげな表情で試合会場に向け走っていく。
「しっかり勉強していらっしゃい」
 駆け出すリューイの後ろ姿に、笑顔で送り出すセシリアだった。

 そうして試合会場の準備が進む中、試験会場でも準備は進む。

「しけんーえぐざむー大好きー」
(ドクターが変な歌歌いながら書類の束を持ってるぞ……)
 試験会場の机を設置していた『ショーン・ハイド』は、機嫌好さげな『レオノル・ペリエ』に声を掛ける。
「ドクター、その書類は?」
「これ? 試験に使うものだよ。私数学の試験やるんだー」
 笑顔を浮かべレオノルは続ける。
「ニホンは建築技術鑑みるに幾何学進んでるし楽しみ」
「建築技術を見ただけでそんなことが分かるんですか?」
 疑問を浮かべるショーンにレオノルは応え、それを聞いたショーンは思わず返す。
「は、はぁ……自然という書物は数式という言語によって書かれている、ですか……」
 話を聞いても、いまいち理解できない。とはいえ――
(まぁ気合い入ってるしいいか)
 とりあえず手伝いに集中することにするのだった。

 かなりエグい試験の準備が進む中、選定会が終わった後の宴の準備を手伝う者も。

「ねえねえ、アル。俺らはどうしよ?」
 皆が準備を進める中、『シキ・ファイネン』は気落ちした様子で『アルトナ・ディール』に尋ねる。
「対戦相手とかはそんなに自信ねえし、試験は……うーん あんま役にたてねえかも」
 しょぼんとするシキをアルトナは気に掛ける。
(こういう表情もするんだな)
 いつもの元気の良さとは違うシキの様子に、言葉を選ぶような間を空けてアルトナは言った。
「……まあ、まだそんなに経験とかないしな。そんな落ち込まなくても……」
 アルトナに声を掛けられ、視線を向けるシキ。
「そうかなぁ……でも、なにをしたら……」
 不安を滲ませるシキに、アルトナは安心させるようなしっかりとした口調で返す。
「できることは、ある。例えば……宴の準備手伝ったり」
 アルトナの言葉に、シキは目をキラキラと輝かせる。
「あ、そーだな。さすが俺のアルトナきゅんっ」
 いつもの様子に戻ったシキに、どこか安堵するような想いを抱きながら、同時に欠片も表情には出さずアルトナは応える。
「誤解招くだろ、そんな言い方するな。『俺の』ってなんなんだ……」
「パートナーなんだし、俺のって言っても過言じゃなくね?」
 無邪気な声で言うシキにアルトナは、ため息をつくように返す。
「マイペースだな……アンタ」
「え、うーん、マイペースはアルの方が勝ってると思う、ぜ?」
 小首を傾げるシキに、生真面目に受け止めるアルトナ。
「……は? 俺がマイペース……?」
(傍から見たら、そう見えるのか?)
 ちょっと考え込みそうになったアルトナを、シキが明るい声で引っ張っていく。
「じゃあじゃあっ、宴の準備、なにか手伝えることないか訊いてみよーぜ!」
 腕を取り引っ張っていくシキに、アルトナは無意識に小さく笑みを浮かべながら引っ張られていく。
「はいはい、訊いてみよう」
 そして2人は、宴の準備をしている場所に向かう。
「料理はからっきしだけど運んだり、その他のことならできそうかな」
 道中シキの提案に、アルトナは少し考えて頷く。
「ん、そう……だな。それくらいなら」
「アルトナきゅんったらすなおー!」
「出来ることをするだけだ」
「えへへ、それじゃ頑張ろうー」
「よくそんなに元気に……いや、いいけど」
 やる気を見せるシキに、苦笑する様に返すアルトナだった。

 そうして各自準備が進む中、選定会は始まった。

●試合開始
「第一試合。八狗頭茜さん、斉藤葵さん。ナツキ・ヤクトさん、ルーノ・クロードさん。試合場に進んで下さい」
 魔術通信でセシリアがアナウンスする中、2組の対戦相手が向かい合う。
 真神武士側は、ナツキよりもやや若い女性と、同じくやや若い青年。
「従兄弟殿。腕前見せて貰うぞ」
 闘志を見せる茜。
「お手柔らかに、従兄弟殿」
 漂々とした様子の葵。
 親戚と戦うことになるとは思っていなかったナツキが驚いていると、気合を入れるようにルーノが声を掛ける。
「神前の選定試合に恥じない戦いを」
「おう! やるからには全力だ!」
 2人は拳を合わせ、いざ勝負。
「いくぜ!」
 先行してナツキが跳び出す。
 それに合わせ茜も跳び出し刃を撃ち合わせる。
 撃ち合せた瞬間、ほぼ力量が同じだということを実感した。
 力ではナツキが。巧みさでは茜が有利だが、お互い引けを取らない。
 そこに葵が側面から援護に向かう。
 だが、それをルーノが防ぐ。
 魔力弾を打ち出し牽制。
 葵は避けるも、距離を取らざるを得ない。
 そこから目まぐるしく撃ち合うも、力量が拮抗しているが故の千日手に。
 だからこそ、ルーノが仕掛ける
 あえて前に出て距離を詰める。
 それは囮としての誘い。
 葵は気付くも、決着をつけるべくあえて踏み込む。
 今まで以上の猛攻にルーノは防戦になるが、そこで葵以外に向け魔力弾を放つ。
「――っ」
 葵は意図に気付くも、すでに遅い。
 ナツキの相手をしていた茜に魔力弾が向かい、茜は危なげなく避けるも、その隙にナツキがルーノの援護に。
 2人掛かりで葵を倒し、続けて茜も打ち倒した。
「勝負あり!」
 号令と共に勝負が決まる。
「好き試合だったぞ。またやろう」
「留学できたら、挨拶に行きます」
「おう! またな!」
 茜と葵に、笑顔で返すナツキだった。

 試合が終われば、念のために救護班が傷を見てくれる。

「お疲れ様です」
 リチェルカーレが、心がほぐれるような笑顔で接し。
「気持ちを楽にして、くださいね」
 これから試合を行う武士に、アリシアは励ますように声を掛けた。

 そんな中、2人のパートナーも試合に出る。

「よろしく頼むよ」
 対戦相手にクリストフが声を掛けると、シリウスも静かに声を掛ける。
「……よろしく頼む」
 応じる相手は緊張していた。
 なぜなら、明らかにシリウスとクリストフの方が強いことを嗅ぎとったからだ。
 そんな対戦相手の緊張をほぐすようにクリストフは声を掛ける。
「好い試合にしよう」
 これに相手は頷き、勝負を始める。
(シリウスのレベルの高さと回避力に気付けば俺の方を狙ってくるかな?)
 クリストフの見立て通り、最初2人掛かりでシリウスに切り掛かった対戦相手は、狙いを変え向かって来る。だが――
「自由に動ける敵を作ってどうする」
 即座に対戦相手の背後に踏み込んだシリウスが、声を掛けながら軽く打ち据える。
 打ち据えられた相手がたまらず距離を取ると、クリストフはシリウスに提案する。
「シリウス」
「分かった」
 短く言葉を交わし意図を汲みあった2人は、連携を取り対戦相手を翻弄する。
 それは相手を倒すためではなく、伝えるための戦い。
(偉い人達の判断材料になればいいかな)
 クリストフの意図は、対戦相手が選定者にアピールできる点を見極めて貰うこと。
 連携の仕方や相手の力量を見定める目、そしてどんな戦略を立ててくるかに注力できるようシリウスと共に戦っていく。
 それは相手の力を引き出すような戦い。十分に戦った所で――
「負けました」
 対戦相手は出せる力の全てを出し切った後、負けを認めて刀を納める。
「お疲れさま」
 クリストフは対戦相手に声を掛けると、アドバイスをするように講評する。
「戦いは1対1とは限らないからね。こう言う時にどう連携して対処するかも、資質としては大事だと思う」
 クリストフに講評を任せシリウスは黙っていたが、対戦相手の1人が尋ねてくる。
「御二人より、強い方はそちらに居られるのですか?」
「……いる」
 短いシリウスの応えに、対戦相手の2人は意気込むような強い意志を瞳に宿し、頭を下げ礼を告げた。

 試合が終わり2人が戻ると――

「お疲れ様!」
 リチェルカーレが満面の笑顔を浮かべアリシアと一緒に迎える。
 その笑顔に、シリウスは軽くため息をして応える。
「……こういう事には向いていない……」
「向いてないって……」
 リチェルカーレは不思議そうに小首を傾げると、笑顔を浮かべ言った。
「ふふ、だけど息がぴったりだったわ」
 息がぴったりというリチェルカーレの言葉にシリウスがぽかんとしていると、アリシアがリチェルカーレの言葉に同意するように言った。
「クリスとシリウスさん、息合ってますよね」
「ああ、お蔭で巧く戦えたよ」
「……そうか」
 アリシアとクリストフの言葉に、どう返して良いか分からず、困ったように眉を寄せるシリウスだった。

 試合は続々進む。
 先に試合をしていた仲間達の応援をしていたリコリスは、自分の番が来たので試合場に進む。

「リコ、頑張れ」
「ありがと」
 トールの声援を受けながら、リコリスは試合場に立つ。
「よろしくね」
「……よろしく頼む」
 生真面目そうな対戦相手と言葉を交わし、リコリスは相手の戦力を見極める。
(武器は太刀。リーチはこちらが短いから致命傷だけは避け無いとダメね)
 今までの実践で得た経験を活かし、即座に戦術を組み上げる。そして――
「始め!」
 開始の号令と共にリコリスは動いた。
「さて、死なないらしいから最初から飛ばしていくわよ」
 臆することなく、一気に懐に跳び込む。
 対戦相手は予想外の動きに反応が遅れ、初手の斬撃を手首に食らう。
「ぬっ!」
 対戦相手はリコリスを振り払うように太刀で斬りつけるが、常に動き続けるリコリスに翻弄されまるで当たらない。
「おのれ」
 焦る対戦相手に、リコリスは余裕を見せるように声を掛ける。
「武士団とはいっても、武士以外と戦う場面もあるでしょうし、私のような戦い方をする相手にも慣れておくことはきっと役に立つわ。まあ――」
 対戦相手に笑顔を向け挑発するように続ける。
「あなたほどの使い手なら余計な心配かもしれないけれどね?」
「くっ!」
 挑発に掛かった対戦相手は、無駄な力が入り動きが単調になる。
 それを舞うような軽やかさで避け続けるリコリス。

 そんな彼女を、試合を見ていた仲間達が応援する。

「リコちゃん、すごい、かっこいいです……!」
 アリシアが感嘆し、リチェルカーレが声援を送る。
「リコちゃん、頑張ってー」
 同じように、皆の試合を見ていたリューイも声援を送る。
「リコリスさん、頑張ってください!」
 同じ魔性憑きということもあって、観戦に力が入る。
(みんなも凄かったけど、リコリスさんも凄い)
 目を輝かせながら観戦しつつ、うずうずする。
(僕も、試合に出れば良かったかなぁ)
 自分が試合に出たならどう戦うのか、頭の中で描きながら見ていると、明らかにお偉いさんな年輩の武士達がリューイの傍で言葉を交わす。
「速いな」
「忍びの類か?」
「いや、魔性憑きというらしいが」
 リコリスの動きに興味を持っているらしい武士達の話が聞こえたリューイは、同じ魔性憑きとして動きを説明する。
「――というように、近い間合いで戦うんです」
 お偉いさん相手で緊張しながらもリューイが説明すると、武士たちは熱心に耳を傾けていた。

 その間に、リコリスの戦いは佳境を迎える。

「来なさい」
 あえてリコリスは、対戦相手と距離を取り挑発する。
 それは誘い。むやみに跳び込むのは得策ではない。
 だが対戦相手は、度重なるリコリスの攻撃で頭に血が昇っていることもあり、勢い良く吶喊。
「きええええいっ!」
 裂帛の気合いと共に打ち降ろし。
 しかし相手の動きを見極めていたリコリスはカウンターで迎撃する。
 相手の踏み込みより早く回避を開始。
 あえてギリギリで躱すと、目にも留まらぬ素早いステップで連続した蹴りを叩き込む。
 蘭身撃。
 攻撃直後の隙を突かれた相手はまともに食らい、堪らず膝を屈した。
「勝負あり!」
 号令と共にお互い一礼。
「お疲れさま。良い試合だったわ」
 健闘を称えるリコリスに、先程よりも深く礼を重ねる対戦相手だった。

 試合は盛り上がっていく。
 そこにヨナとベルトルドは、個別に試合をしていた。

「……全力を出し切ってくださいね」
「承知した」
 まだ若い対戦相手は、真っ直ぐな視線を向け返す。
 初手から全力を振り絞ろうとする相手に、同じくヨナも全力で応える。
 先行して踏み込んできたのは対戦相手の若武者。
 迷いのない、瞳に宿したものと同じ、真っ直ぐな太刀筋。
(良い踏み込みです)
 ヨナは笑みを浮かべるとオーパーツグラウンド。
 魔力で形作った無数の武器を四方から叩きつける。
 それを太刀で捌く対戦相手。
 その隙にヨナは距離を取り、次弾の魔術の準備に動く。
 彼女の動きに無駄は無い。
 繰り返した実戦。そしてベルトルドとの訓練がいかんなく活きている。

 その頃、同時に隣りの試合場で戦うベルトルドは晴れやかな顔で戦っていた。

(偶には良いものだな)
 楽しげに全力を引き出し、ベルトルドは戦う。
(これは、あの時のことを思い出すな)
 ベルトルドの脳裏に浮かぶのは、以前ニホンに来た時に、師の友人だという達人と戦った時のこと。
(あの時は相手にならなかったが、今なら――)
 達人との戦いを思い出し、彼が使った技を見よう見まねで試してみる。
 地響きと共に叩き込んだ体当たりで相手は吹っ飛ぶも、すぐに立ち上がり向かって来る。
 視線を合わせれば、相手もどこか楽しげだった。
 知らず笑みが浮かぶ。
「ベルトルド・レーヴェ。改めて参る」
「藤原御剣。押して参る」
 お互い笑みを浮かべ、戦う。
 それは自分を信じて疑わず、相手を認め全力を尽くす喜びに満ちていた。

(私もまだこんな瞳で戦えているでしょうか)
 ベルトルド達。そして目の前の相手の眼差しにヨナは思う。
(そうでありたい)
 その意志を体現するようにヨナも全力を尽くして戦い、勝負はついた。

「そこまで!」
 ほぼ同じタイミングで決着がつく。
 共にヨナとベルトルドの勝利で終わり、対戦相手の健闘を称え終わりをみせた。

 こうして試合は活況を見せる。
 選定する側も好印象の中で全ての試合が終わり、続けて試験へと移ることになった。


●試験会場
(あの人は一体何を作ったんだ……)
 レオノルの作ったテストが配られた途端、一部凍りつくのを見てショーンは首を傾げる。
 気になったので小声で訊いてみると、レオノルは笑顔で応えた。
「用意してある教科書を参考にしながら、この問題解いてもらうんだ」
 そういって試験用紙を見せてくれる。
「円周率は3.05より大きいか? ですか……」
 いまいちピンとこないショーンにレオノルは続ける。
「初見でビビる人もいたけど、それが目的。馬鹿馬鹿しいと思って辞める人もいるだろうからふるいにもなるよ」
「はぁ……ですが、教科書を見ていいなら全員解けるのでは?」
「教科書には円周率載ってるけどそれ丸写しだとアウト」
 レオノルは指導者としての顔を見せながら説明する。
「ちゃんと自分で考えたものに合理的な説明が書けるかを見たいんだ。教科書は試験中見ていいから、回答までの方針が立てられるなら評価はするし、予想外ないい解答見られたら幸せだなぁ」
「そいうものなのですか……しかし、こういう数学が当主選定に関わる試験で出るとは思っていなかったでしょうね」
「そうとは限らないよ。だって当主になる人には、ある程度数字に強い方がいいんだから。あるなしで見る定性的な見方じゃなくて定量的なものの見方は必要だしね」
 レオノルが説明していると、いつの間にか試験会場に来ていた初老の武士が、話を聞いていたらしく声を掛けて来る。
「面白そうな試験を作られたようですな」
「貴方は?」
 ショーンの問い掛けに初老の武士は応える。
「八家のひとつ、関家の財務をしておった孝和と申す者です。試験内容を拝見させていただき、好き問題でしたので、誰が作られたのか気になり声を掛けさせて貰いました」
 そう言うと続けて言った。
「わが国ですと、円に内接する正多角形を用いた方法で求めますな」
 これにレオノルは笑顔で返す。
「ええ、それも方法のひとつです。あとは、積分を用いたりする方法もありますね」
「それです」
 孝和は熱の篭もった声で返す。
「我が国の算術、和算と申しますが、そうした微分積分が発達しておらぬのです。鎖国のせいで海外の知識が入って来ず、独自に発達し過ぎた弊害と申しますか……此度の試験、そうした物にも気付ける好き問題だと思っております」
 そしてしばし、数学論を交わす。
「正131072角形まで計算したんですか!?」
「はい。当時は他に方法が思いつかなんだものでしてな」
 専門的な話をしている横で、ショーンは試験を前にした武士達を見る。
 完全に頭を抱える者と、悪戦苦闘しつつも計算を続ける物の2パターンに分かれていた。
(予想外の問題だってみたいだな。とはいえ、戦いだったら不意打ちを食らったようなもんだからな。精神面のテスト……いやドクターそこまで考えてないか)
 カンニング防止のために、明らかに動揺した人間や挙動がおかしい人間はリストアップしようと思っていたショーンだったが、そうした兆候は見られない。
 ただ、予想外で顔を青くする者はいた。
(不意打ちを受けて顔を青くしているだけのようではあるが……一応注意を払っておくか。あの状態から挽回して好成績ならそれは天晴れだが)
 試験員としてきっちり仕事をしていくショーンだった。

 かくして試験は続いていく。
 数学以外の教科も割と容赦のない内容だったので動揺する者がぽろぽろ出る。
 そうして受験生が苦労している頃、全てが終わった後の宴の用意が着々と出来あがっていた。

●宴
「ア~ル~。この花、ここに置いとくのが良くない?」
「そうだな。良いと思う」
 宴の会場の準備に動いていたシキとアルトナは、料理を置くテーブルを設置し終えたあと、彩りを添える花の配置を頼まれ動いていた。
「アル~、この花綺麗だよー」
「そうだな」
「生け花って言うんだって。色んな花を組み合わせて飾るんだってさ」
「フラワーアレンジメントみたいなものか」
「ん~、そうかも。花が余ってるみたいだからさ、あとで一緒に生け花しよう」
「遊んでるんじゃないんだがな……」
 にこにこ笑顔を浮かべるシキに、軽くため息をつくアルトナ。
(さぼってる訳じゃないから、それは良いんだが)
 アルトナと一緒に動けるのが嬉しいと全身で表現しているシキだったが、手は抜かず仕事をこなしていく。
 その甲斐もあり、会場準備は終わる。
 まだ時間があるので他に仕事は無いかと、宴の準備をしている料理場に行けば味見を頼まれる。
「アルトナきゅん、あ~ん」
「自分で食べれる」
 そう言いながらも、シキの差し出した刺身を一口食べるアルトナ。
「ん、悪くない。皆も喜ぶんじゃないか」
「そっか。大丈夫だって」
 外国人の舌に合うか尋ねた料理人に応えるシキ。
 そして追加でお団子も貰う。
「アル~、2つあるから半分こにしよう。甘い物だってさ。年の初めに、この国に指令で来た時のことを思い出すね」
「……あの時のことか」
 シキの言葉に、その時のことを思い出したのか、知らず目元が優しくなるアルトナ。
 そうして料理の味見を手伝ったあとは、会場に料理が盛りつけられた皿を持って行く。
 全てを並べ終え、小休憩をしていると、試合と試験が終わった皆がやって来た。
「終わったみたいだな」
「みたいだね。じゃ、俺達も参加しよう。配ってた時から、食べてみたいのがあったんだよね~」
 そう言ってアルトナを引っ張っていくシキに、苦笑しながら連いていくアルトナだった。

 料理の手伝いをするのはトールも同じだ。

「動いたあとだから、栄養たっぷりで疲れが取れるメニューが良いと思う」
 トールは料理人に提案しながら手伝っていく。
「こっちのは、少し濃い目で。そういう味付けが好きな子がいるんだ」
 パートナーのことも考えて作っていった。

 そして皆は宴に参加する。

「シリウス、これ美味しそうよ」
 人の集まっている所を避け、会場の端に移動していたシリウスにリチェルカーレが料理を持って行く。
「そうだな」
 静かに頷き皿を受け取ったシリウスに、リチェルカーレは笑顔を向ける。
「試合でいっぱい動いたんだから、食べましょう」
「……分かった」
 苦笑するように目を細め、2人で食事を摂るシリウスだった。

 パートナーと食事を摂るのは他にも。

「あ、これ美味しい。食べてごらん、アリシア」
「はい……美味しい、ですね。どう、作るんでしょう?」
「気になる? なら、あとで一緒に訊きに行こう」
「はい」
 クリストフの言葉に、笑顔で応えるアリシアだった。

 食事を摂る皆に声を掛けながら、パートナーに料理を勧める者も。

「皆お疲れ様。たくさん食べて疲れを癒してくれ」
 トールはシリウス達に声を掛けたあと、リコリスにも声を掛ける。
「リコにはこっち。汗をかいた時には水分と一緒に塩分をとるといいんだ。だからリコ好みの濃い味付けにしてみた。試合を頑張ったから、今日は特別な」
 そう言って招きよせたテーブルには、事前に調理場に行って味の調整をした、濃いめの味付けがされた料理が置かれている。
「ありがとう。いただくわね」 
 一口食べれば、それはリコリス好みの味になっている。
「本当だわ、しょっぱくて美味しい」
「口に合ったようで何よりだ」
 喜ぶトールに、少し悪戯心の芽生えたリコリスは、意識して微笑みながら好意を口にする。
「ありがとうトール、大好きよ」
 これにトールは耳元に口を寄せ、囁くように返した。
「俺も大好きだよ、ララ」
 好意を返されたリコリスは、僅かに頬を染めながら言った。
「……どうして照れないのよ……渾身のデレだったのに、こっちが恥ずかしいじゃない」
「照れ……?」
 不思議そうに見つめながらトールは返す。
「好きな子に嬉しいことを言われたら喜んで当然だろう? 何も恥ずかしいことはないよ」
 当然だ、というようなトールの様子に、さらに頬を赤らめながら、照れ隠しのように料理を食べるリコリスだった。

 そうして料理を食べながら、武士達と会話を交わす者も。

「皆さん、色々な解法を書かれていて面白かったですね」
 レオノルが事務方の武士達と試験の答えで盛り上がる。
「あれだけ数学が得意な人が多いのは、やっぱり和算、というものが盛んだからですか?」
「左様。神社に問題を書いた絵馬を奉納するのが流行っておりましてな。男女身分関わりなく、新しい問題が出され解かれておりますよ」
「うわ、面白そう。どんな問題があるんですか?」
「ああ、それは――」
 数学談議で盛り上がっている横で、ショーンはレオノルに持って行く料理を真剣に選んでいる。
(野菜や肉をバランス良く……確か以前ドクターに聞いた所だと、複数の栄養素を組み合わせると良いと――)
 レオノルの健康を考え、テーブルの料理とにらめっこするショーンだった。

 そうして料理の傍ら、武士達と会話を交わすのは他にも。

「ほう。父御は軍人であるか」
 武士の問い掛けにリューイは、しっかりとした声で返す。
「はい。国や、そこに生きる人達のために頑張っています」
 試合会場で、偶々傍で見ていたお偉方の武士たちに試合内容を説明していたリューイだったが、そこから話が膨らみ会話が進んでいる。
 話を聞いている武士も、同じ軍人階級の話に興味を示し、聞くだけでなく自分達のことも話してくれた。
 その様子を見ていたセシリアは、小さく微笑む。
(最初は緊張していたけれど、今は大丈夫みたいね)
 小さな、けれど確実な成長をセシリアは喜びながら、一抹の寂しさも覚え、料理を取りに行く。
(これはリューイが好きそうね。持って行ってあげましょう)
 世話焼きな姉のように、リューイの好きそうな料理を皿に載せていくセシリアだった。

 そうして武士達と会話を交わす者もいれば、パートナーと料理を選ぶ者も。

「ねえねえ、アル、どれにする?」
「……別に1人で選べるぞ」
「えー、いいじゃんか~。あっ、あれ美味しそう。並べてる時も、食べてみたかったんだ」
 そう言うとアルトナを引っ張っていくシキ。
「アルも食べる?」
「そうだな……じゃあ、少し貰う」
「は~い。それじゃ、山盛りで」
「いや、そんなには要らない」
「えー、じゃ、半分っこしようか」
「ああ、そうしてくれ」
 そう言うとアルトナは、自分の皿からシキの皿に分けていく。
 分けて貰った料理をシキはパクリと。
「美味しい。アルも食べてみて」
「……急かさなくても食べる」
 苦笑する様に返しながら、2人で料理を楽しむアルトナとシキだった。

 そうして皆が料理を楽しむ中、試合で対戦した相手に声を掛ける者も。

「怪我はありませんでしたか?」
 試合で割と容赦なく全力の魔術を叩き込んだヨナが、対戦相手の武士に声を掛ける。
 これに対戦相手だった青年は静かに返した。
「いえ、仔細ありません」
 異様に生真面目な口調で応える彼に、肩の力を抜くように返そうとするも――
(……なんと言えば……)
 好い言葉が出てくれない。
 戦いよりもコミュニケーションで戦々恐々とするヨナだった。
 そんなヨナの隣では、ベルトルドが気安い声で対戦相手だった青年に声を掛ける。
「この国の武術も興味深い。試合で使った技は、他所の試合で受けた技だ」
「どうりで。あれは確か、チョウシュウの師範である――」
 武術という共通話題があるせいか話が進み、終始笑顔で会話を交わしていた。
「アークソサエティで再び会えるのを楽しみにしている」
「はい。そうなるよう精進したいです」
 談笑する2人にヨナは和やかな気持ちになる。
 その気持ちに押され、目の前の対戦相手だった青年にも、どうにか会話を交わすヨナだった。

 そして宴が進む中、希望者に根付けが渡される。

「私達にもですか? 有難うございます。大切にしますね」
 ヨナや他の者達も礼を口にする中、血縁者から根付けを貰う者も。

「どうしたんだ、ナツキ」
 少し遠巻きに宴の賑やかさを眺めていたナツキにルーノが尋ねる。
 するとナツキは苦笑するような表情を浮かべ応えた。
「今まで関わった誰が欠けても、この結果は無かっただろうなって考えてた」
「……人の縁というのは不思議なものだな」 
 苦笑するようにルーノは思う。
(楽しそうに戦ったかと思えば物思いにふけって……忙しい奴だな。まぁ、彼が自分の心に素直なのはいつもの事だ)
 そう思っていると、ナツキの視線にルーノは気付いた。
 視線を辿れば、そこに居るのは八狗頭源隆斉と斉藤万斉。
(……わかりやすいのも、いつもの事だな)
「ナツキ」
「え?」
 ルーノは声を掛けると、ナツキの背を押しながら言った。
「遠慮するなんて君らしくもない」
 ルーノは預かっていた形見の根付けを手渡すとナツキを送り出す。
「行って来い」
 ルーノに応えナツキは2人の元に。
 そして2人の前に出ると、一の話を思い出し、母の形見である根付けを見せて言った。
「母さんの根付けが、俺をここに連れてきてみんなに会わせてくれた。……だから、もっと話したい。ここの事やみんなの事、教えて欲しいんだ」
 これに源隆斉と万斉は黙っていたが、やがて力を抜くように笑みを浮かべ言った。
「試合、見せて貰った」
「好き試合であった。お前の従兄弟達も話したいと言っている。彼も連れて来るがよい」
 ルーノに視線を向け告げる万斉に笑顔でナツキは応える。
 そしてナツキは思いを口にした。
「真神八家が変わろうとしてる。俺一人じゃダメでも、たくさんの人のおかげで今があって、それがすごく嬉しいんだ」
 笑顔のまま根付けに視線を落とし、神妙な顔つきになると続ける。
「……根付けを遺した理由は、もう母さんには聞けないけど、この根付けが繋いでくれた絆、ちゃんと受け継いでいきたいって思ってる」
「ならば、父の根付けも受け継ぐがよい」
 万斉はそう言うと、体を丸めて寝ている仔狼を象った根付けを渡す。
「お前の父が生まれ、なんじゃもんじゃ様より賜った枝から私が削り作った物だ。お前が手にするのが、あれも喜ぼう」
 ナツキは母の形見の根付けと一緒に手に取ると、源隆斉と万斉に笑顔で向き直り言った。
「ありがとう、爺ちゃん!」
 満面の笑顔を浮かべるナツキに、穏やかに目を細める万斉だった。
 その後、ルーノを引っ張ってきたナツキは、試合で戦った従兄弟の2人と会話を弾ませ、楽しい一日を過ごした。

 かくして選定試験は無事終わりをみせる。
 浄化師の助けのお蔭で選定は順調に進み、10名ほどの候補者がアークソサエティに留学することになった。
 その仲介を教団本部がすることも決まる。
 必要であったが、長い年月の間に軋轢が生まれていた当主制度に、新たな風が吹く。
 好い未来に繋がるに違いない。
 そう思える結末だった。


当主選定に協力しよう
(執筆:春夏秋冬 GM)



*** 活躍者 ***

  • ルーノ・クロード
    まぁ、ほどほどに頑張ろうか。
  • ナツキ・ヤクト
    よーし、やるか!
  • リチェルカーレ・リモージュ
    お願い、笑って。そんな顔しないで
  • シリウス・セイアッド
    …俺は、殺すことしかできない。
  • アリシア・ムーンライト
    私に何ができるのでしょうか
  • クリストフ・フォンシラー
    せっかく蘇ったんだしな
  • ショーン・ハイド
    全ては生きる為。ただそれだけです
  • レオノル・ペリエ
    君が誰であっても私には関係ないよ

ルーノ・クロード
男性 / ヴァンピール / 陰陽師
ナツキ・ヤクト
男性 / ライカンスロープ / 断罪者

リチェルカーレ・リモージュ
女性 / 人間 / 陰陽師
シリウス・セイアッド
男性 / ヴァンピール / 断罪者

アリシア・ムーンライト
女性 / 人間 / 陰陽師
クリストフ・フォンシラー
男性 / アンデッド / 断罪者

ショーン・ハイド
男性 / アンデッド / 悪魔祓い
レオノル・ペリエ
女性 / エレメンツ / 狂信者




作戦掲示板

[1] エノク・アゼル 2020/05/28-00:00

ここは、本指令の作戦会議などを行う場だ。
まずは、参加する仲間へ挨拶し、コミュニケーションを取るのが良いだろう。  
 

[7] アリシア・ムーンライト 2020/06/04-22:05

アリシアと、クリスです。よろしくお願い、します。

えと、精一杯、お手伝いさせて、頂きます……(ぺこり)  
 

[6] リチェルカーレ・リモージュ 2020/06/04-22:05

リチェルカーレです。パートナーはシリウス。
どうぞよろしくお願いします。
わたしはお手伝いを、シリウスは折角なので試合に行ってもらおうと思っています。
よりよい道が選べるよう、わたしたちも精一杯がんばりたいです。  
 

[5] シキ・ファイネン 2020/06/04-21:44

まとまったからこっちも遅れながらも挨拶に来たぜ。
アルトナきゅんとシキでっす!
俺らは、裏の方でできそうなことを手伝わさせてもらうな。
精いっぱい頑張るんでよろしくなっ!  
 

[4] リューイ・ウィンダリア 2020/06/04-21:03

魔性憑きのリューイと、占星術師のセシリアです。
どうぞよろしくお願いします。

試験が滞りなく進むよう、お手伝いをさせてもらうつもりです。  
 

[3] ナツキ・ヤクト 2020/06/04-20:31

ナツキ・ヤクトとルーノ・クロードだぜ。今回もよろしくな!

ずっと長子だけって決めて当主にしてきたなら、テストして選ぶなんて今まで無かったと思う。
全部順調!…ってわけにもいかないみたいだけど、
前回みんな色々考えてくれたおかげで、良い方向に向かってるって事だよな!

よーし!選定の手伝い、頑張ろうぜ!  
 

[2] ヨナ・ミューエ 2020/06/04-14:25

ご挨拶には遅いような気もしますけど…、
ヨナ・ミューエおよびベルトルドレーヴェ。宜しくお願いします。

いよいよ新しい方法での選定が始まりますね。私も少しだけ緊張しています。
私達は裏方や試合のサポートに回ろうと思います。
八家の方々がうまく纏まるよう、微力ながら精一杯お手伝いさせて頂きますね。