アブソリュートスペルを決めなきゃいけない…そう聞いた時、ふと過去のことを思い出した教団に行く少し前のこと★お父様の庵の庭にある一番大きな木の上は、小さい頃からわたしの一番好きな遊び場所だった庵は高台にあったから、景色が綺麗でずっと見ていても飽きなくてお父様が死んだ時、わたしはずっと塞ぎ込んで、なかなか木の上から降りて来なかったその時ロウハが来て、一番星が見えるまで一緒にいてくれたロウハはあの星に、わたしをずっと守ると誓ってくれただからわたしも強くなるって誓った★『紅き星に誓う』…自然とそう口にしていた「お嬢も、あの時のこと考えてたんだな」ロウハがそう言ってくれた時、わたしたちのスペルは決まった
◆作戦二手に分かれて4体ずつのベリアルを倒す狙いわたしとロウハはフィデリオさん&ザックさんエリィさん&レイさんと一緒にチームを組む基本的には各個撃破常に声を掛け合い、戦況の確認と連携を怠らない◆戦闘戦闘前に魔術真名を唱えるロウハは前衛ターゲットとなる個体に対し積極的に攻撃を行う指笛や攻撃により敵を引き付ける通常攻撃の他クロス・ジャッジも使用わたしは中衛から攻撃支援敵の足元や触手を重点的に狙い、前衛が攻撃しやすいようサポートターゲットと別の個体が出てきたら攻撃を飛ばして牽制敵の攻撃を注視し、まともに喰らわないよう努める攻撃の癖を探してみるベリアルの魂が体から出てきたらすかさず鎖を破壊する
性別ごとの部屋で採寸◆シュリロウハ、どうしたの?不機嫌そうだけどこれも浄化師の務めなんだから、しっかりね採寸室には浄化師らしき人も何人かいるみたいこの先同じ指令に同行することもあるかもしれないし、挨拶しなきゃでも考えてみればわたし、お父様やロウハ以外の人とまともに会話したことなかった…どうしよう、なんて言えばいいの採寸中はとても緊張している◆ロウハあ?別に不機嫌じゃねーよお嬢こそ迷子になるんじゃねーぞ…採寸とかめんどくせーここの制服、堅苦しくて息が詰まりそうなんだよなだが、翼や尻尾部分の構造がどうなってんのか多少興味はある採寸中は「早く済ませやがれ…」と言いたげな顔で担当者を終始睨みつけている
◆作戦猪のベリアル(以下猪)を探し出し誘導して木に衝突させ、動きが止まった所に攻撃を叩き込み倒す作戦前衛で囮になり猪を誘導する班と、衝突させる木の付近で待機し狙撃する班に分かれる予め村で猪の生態や弱点・衝突させるのに良い大木の場所等を猟師に聞き情報収集齟齬ある部分は仲間に合わせる◆戦闘シュリ:猪が所定の場所に誘導されるまで、所定場所から攻撃が届くギリギリ遠くの位置で待機囮班の合図を確認したら攻撃準備猪が木に衝突したら攻撃ロウハ:前衛で囮役猪を挑発しつつ攻撃しながら所定場所まで誘導猪が突進前の予備動作に入ったらランタンの光を点滅させ待機班に合図突進は全力で避け、猪の停止時間が長ければ接近して攻撃
「お嬢、怖いのか?」わたしの不安を見透かすようにロウハが言うからかうような笑顔になんだか悔しくなって「怖くなんかないわ。これから浄化師として戦っていくんだもの、これくらい…」「パートナーの前でくらいは、無理すんなよ」予想外に優しい言葉をかけられてドキリとしてしまう固まっているとポンと頭に手を置かれた「どんな時も、あんたはあんたらしくいればいい。それがユベール様の願いでもあるんだからな。そのために俺がいるんだ」その言葉と手の温かさに、安心感がこみ上げてきて「ありがと、ロウハ」微笑み、そっと彼の手を取った傷だらけのロウハの肌に、新しい傷をつけてしまうでもそれは、二人で進むための大事な傷…そうよね?