「カグちゃんが2人?!」慣れた声が聞こえて、振り向けば隣のカグちゃんと瓜二つのカグちゃんがもう1人居た慌てて2人のカグちゃんを交互に見る隣のカグちゃんは表情にはあまり出てないが困惑した風にもう1人を見詰てる後から来たカグちゃんは首を傾げて隣のカグちゃんを見て考え事をしてる「…カグちゃんこの状況、どう思う?」想像通りなら僕のカグちゃんは第一にどんな魔術を使えばこの状態になるのかを考える「君は僕のカグちゃんじゃないね」10年も一緒に居るんだもん、どちらがなんてすぐ判るよ判明した偽物を突き放して、追いかけるあれが研究成果なのかな?帰り道で腕に抱き着かれて「嬉しいけど…照れるね」いや、その…胸が、ね
早朝必死な張り紙を見て来店料理や菓子作りはできるけど、素人だし無難にフロアで接客パートナー?あぁ…うん、黙ってきちゃった伝言残して来たけど、彼女社交性ないから…それに…カグちゃんのウェイトレス姿、他人に見られたくないし「まぁ、接客なら任せて!」珈琲と紅茶はフロア担当が用意するでいいのかな?本当に今日一日だけで大丈夫?とか言ってたら「カグちゃん?」入り口にぼうっと立ってるパートナー発見「うん、仕事してるの」とりあえずカフェスペースにご案内娘さんに「紅茶とザッハトルテ1人分、僕のお給金から天引きしてくれる?」と伝えて、カグちゃんの席へ持っていく「はい、僕のおごり」ウインク一つして他の客の所へ行くよ
「…帰ってみようかな」魔力量の異常を理由に出て行ったきりの故郷を思う8歳で村を出て、もうすぐ11年…どうしてるかな「少し、帰郷しようと思うけど…カグちゃんはどうする?」…そうだねカグちゃんのお母さんのお墓参りしたし、今度は僕の番だねそうと決まったら、確か村長の家に固定魔信があったと思ったから連絡して帰郷準備翌日定期の馬車内僕の村は葡萄農家なんだその葡萄でワインやお酢を作るんだよ「確か、古くて良い出来のは教皇の口にも入る、とか」僕の家は…まだ居れば祖父母、両親、兄2人、妹1人…と弟か妹が最低一人覚悟してねカグちゃんきっと、手荒い歓迎受けるから「父さん母さん、紹介するね」僕のお嫁さん予定の子だよ!
訓練に、斧の素振りしてたけど…ただ素振りしてたんじゃなぁ…寮母さんか料理長さんに聞けば、割る薪あったりするかな?…と考えていたら、庭園の端に見慣れた青を見る「あれ、カグちゃんだ…どこ行くんだろう?」振るっていた斧は口寄せで部屋に戻して、カグちゃんの元へ行く「カグちゃん!どこいくの?」お墓、と聞いて考える…確か、カグちゃんにはお母さんがいない簿kの家族は今もルネサンス北部のあの村で畑仕事してるだろう「うん、行こう」8歳の時に祓魔人だと判って家族とは別れてきたでも後悔はしていないその代わりに大事な人と出会えた…まぁ、ちょっと死にかけたけど「僕は、何時だってカグちゃんの側に居るよ」
僕の中の怪物が出てきてしまう「か、カグちゃん、はな、れて…!」カグちゃんを見ないで―それは僕のだ、勝手に見るなカグちゃんに触るな―それは僕のだ、触るな他を見るな―僕だけを見て!それは、狂おしいまでの嫉妬蛇はその長い体を相手に巻き付けて、動けないようにするらしいだから僕は蛇になったのだろうか?「カグちゃん…僕だけの、カグちゃんで、いて…?」醜い蛇でも君は僕だと、僕が必要だと言ってくれるなら…「僕は…!」僕の中の怪物を受け入れようさて。人の秘め事を無理やりさらけ出すとか、趣味悪いよね捕縛する方向で動くけど「…一発くらい、殴ってもいいよね!」