ホムンクルス            

魔術によって、人工的に生み出された生命体。
死者の世界に存在する魂を無理矢理引っ張り出し、肉体に封印している
肉体に封印された際の影響で生前の記憶を思い出すことはほぼなく、ホムンクルスとして生まれた時点で人格が形成される。

身体の一部に魔方陣が描かれており、身体を破壊された場合、魔方陣を中心に身体が再生する
喰人同様「アシッド」に抗体を持っており、魔力の保有量も魔術センスも他の追随を許さない。
ヨハネの使徒」には、人間よりもさらに追い回される特性を持つ。

  目的            

彼らは、「アレイスター・エリファス」に生成された存在であると「教皇国家アークソサエティ」に保管されている「法の書」に記載されている。
度々目撃情報や、事件などを引き起こすことがあり、基本的にそれぞれの趣味や目的のために、世界を行動しているようだ。
度々「優秀な魔術師」を見つけ、「終焉の夜明け団」に引き込んだり、「エリクサー」の素材にしているなど怪しい情報がある。

エクソシストや、優秀な魔術師を攫おうとすることがあり、教団と交戦する例も過去に数度確認されている。

  構成メンバー            

アナスタシス

原初のホムンクルス。女性の姿をしており、ほぼすべての魔術知識を有している。
触れる、もしくは一瞥しただけで魔方陣を崩壊させることで、魔術を破壊することができる。
アレイスター・エリファスへ愛してもらうという目的のために、魔術師を献上することを生きがいとしており、
他のホムンクルスにもノルマとして強引に献上をさせている。
その気になれば、ホムンクルスの魔方陣をも一撃で破壊する力を持っているので、事実上のリーダーとして君臨している。

ルシファー

傲慢を司るホムンクルス。
自身の言葉によって、人間や生物の傲慢な気持ちを増幅させることができる。
浄化師に対してはこの力を使って、「アウェイクニング・ベリアル」を発症させる手前まで陥れることが可能で、
ベリアル化ギリギリにし、生け捕りにしたりする。
「相手を知りたい、相手を束縛したい、相手に成りたい、相手に好かれたい など、
愛は傲慢なものであり、その傲慢さを持つ人間の愛を暴走させることが好き」という、歪んだ人格を持つ。

サタン

憤怒を司るホムンクルス。
怒れば怒るほど、自身の膂力と魔力量が向上していく。雷の魔術を得意とし、周囲の敵すべてを焼き払ってしまう。
「全身に電流が奔り、焼き焦げるほどの恋でなくては、愛ではないという思想」を持ち、
自分の愛を受け止められる相手を常に探している歪んだ人格を持つ。

レヴィアタン

嫉妬を司るホムンクルス。
額に第三の目を有しており、その魔術眼から人々の記憶や知識を覗くことができる。
また、触れたものの記憶や知識をそぎ落とすことが可能で、記憶を共有することも可能。
「愛することは、相手を知りたくなること。そのすべてを知り尽くし、
そして自分のすべてを理解させることこそが愛なのであり、
『愛する相手から自分以外の記憶をすべて奪うことが愛』」だという歪んだ思想を持つ。

ベルフェゴール

怠惰を司るホムンクルス。
触れた物体を自在に捻じ曲げる能力を持つ。
魔力回路を持つ者であれば能力の行使が可能で、触れただけで四肢すべてを折ることも可能。
ただし、魔術で防御することができる。
「四肢を損傷するなどして、動けなくなった相手を介護することこそが、すべての主導権を自分が握る最高の愛」
だという歪んだ思想を持つ。

マモン

強欲を司るホムンクルス。
魔術攻撃や魔術防御を除く、すべての物質をすり抜けることが可能で、
人間の身体に手を差し入れることで、心臓を抜き取ることができる。
「持つモノを奪い、ハート(心臓)をキャッチすることこそが愛」だという歪んだ思想を持つ。

ベルゼブブ

暴食を司るホムンクルス。
生物の魂を喰らうことで、一定時間その生物の特色を反映することができる能力を持つ。
魔術師を喰った場合は、その魔術師が使用した魔術を使用可能となる。
「愛した人間に、自身の作った料理を振舞うなどして食べさせることが、
『その人間の血肉を構成しているのは自分』であると考え、
最終的にその人間を自分が食事することが愛」だという歪んだ思想を持つ。

アスモデウス

色欲を司るホムンクルス。
魔術によって、一度見た様々な姿に変化することができ、声色も真似ることができる。
「愛した人間のことを考えたら、道具をおそろいにしたり、行動を真似る。
そうやって近づいていき『最終的に自分がその人間に成る』ことが愛」という歪んだ思想を持つ。

  ホムンクルスに関連するPL情報            

ホムンクルスは、元々はアレイスターの恋人を蘇らせるために作り出されたもの。
しかし、その全ては失敗した。
肉体と記憶は完璧に用意されたが、そこに入るべきアレイスターの恋人の魂を降ろすことが出来なかった。
合計七度繰り返したが、アレイスターの恋人以外の魂が降りてしまい、成功することは無かった。
この時生まれた七人が、ホムンクルスである。
アレイスターは、恋人を蘇らせることが出来ず、ホムンクルスが生まれたのは、創造神であるネームレス・ワンの妨害が関係していると判断する。

この判断は間違えである。

アレイスターは知らないことだが、ネームレス・ワンは、アレイスターが恋人の魂を呼び出すことを邪魔してはいない。
アレイスターの使用した、『死者』の魂を呼び出す魔術では『遅かった』だけである。
基本的には、完全な『すれ違い』が起きている。

ネームレス・ワンは、アレイスターを含めた人類が自分に対抗し得るよう、そのための力となる者を配置していた。
しかし現在、『彼女』はアレイスターの支配下にある。
そして『彼女』と、『彼女』の兄姉は、『彼女』について話すことを禁じられている。
それはネームレス・ワンによる試練であった。
本来、ネームレス・ワンがアレイスターと交わした契約では、1999年7の月までに決着をつけることになっていた。
これは、世界中の人々が手を取り合い、力を合わせてネームレス・ワンに対抗するために必要な時間である。
それを計算し、提示していたネームレス・ワンであったが、それをアレイスターは嫌う。
少しでも早く、恋人と再会するために。
少しでも早く、死の無い世界を創るために。
最も効率良い手段を取り、そのための犠牲は止むを得ないと、割り切っている。

現在のホムンクルス達は、その犠牲のひとつである。
ホムンクルス達は、アレイスターの恋人の肉体と記憶を持って生まれた。
そのため、アレイスターに対する強い愛情を抱いている。
それは本能のようなものである。
しかし『彼女』ではないホムンクルス達を、アレイスターは決して愛さなかった。
けれど放置するには効率が悪いため、神殺しの計画に組み込んだ。
もし、ホムンクルス達を愛したならば、彼女達は変わっていただろう。
けれどアレイスターは愛さなかった。
彼が愛していたのは、死亡した恋人である『彼女』のみ。

アレイスターの愛は純粋である。
その愛が向けられるのはただ1人であり、それ以外には応えない。
たとえ、どれほど求められたとしても。

そしてアレイスターは、合理的な人間である。
必要であれば、ためらわない。
正義も愛も理解した上で、全てを犠牲にし得る。
それはホムンクルス達も例外ではない。

ホムンクルス達は、無限の魔力を精製する力を持っており、存在の強度は八百万の神に匹敵する。
だからこそ、八百万の神の代わりに生贄に成り得る。
現在、神殺しのための力場を造るため、国土魔方陣が展開されている。
その完成には、八百万の神を回路として組み込むことが必要である。
しかし浄化師達の活躍により、それは叶っていない。
だがアレイスターは焦らない。
八百万の神に代わる者は居るからだ。

その時、彼女達は言うだろう。

「愛しています」

けれどアレイスターは応えない。
彼は嘘をつかないからだ。

ホムンクルス達には、未来はない。
そんな可能性はない。
少なくとも、今は――