イレイス            

ベリアル」を生け捕りにし、再生能力と殺戮衝動を抑えつつ、形状を変化させた武器の総称。
ベリアルに囚われた魂を縛る鎖を喰うことで、魂を解放するという性質を必ず有している。
その特質から、「魔喰器(まぐいき)」とも呼ばれることがある。

使用するためには、魔術を理解する喰人並みのセンスか、祓魔人並みの魔力が必要である。
また、精神状態に影響を及ぼす性質を持つことから、魔力の安定が行えていない未契約の喰人と祓魔人では扱うことができない。
契約を済ませ「エクソシスト」となり、魔力を安定させる術を身に着けている必要がある。

さらに、使用者の血を喰うことで最大限の能力を解放するという性質をもっており、
魔術の知識を持たない一般人や、魔力の安定していない喰人や祓魔人が使用した場合、必要以上の血を喰われ死に至る。
喰われた者は、干からびるように体が朽ちて行き、最終的には砂となって消えてしまう。
イレイス
Illust: 礎 たちつ


  鎖の喰い方            

ベリアルが死に瀕すると、その身から鎖に捕らえられた魂が出現する。
その隙をついて、イレイスで鎖を喰うことで、魂は光となって天へ還っていく。
喰うといっても、刀であれば斬る、ハンマーであれば叩き壊す、などで破壊することを言う場合が多い。
形状や武器の性質によっては本当に喰う場合もある。

鎖を喰われ、魂がすべて天に還ると、ベリアルの肉体は砂となって滅び、消え失せる

  口寄魔方陣(くちよせまほうじん)            

イレイス」は、常に携帯しておくことも可能だが、持ち主の精神状態に強く影響を与える特質上、常時携帯はあまり推奨されていない。
そのため、エクソシストは「口寄魔方陣」と呼ばれる特殊な魔方陣を展開できる状態にしている。

基本的に、イレイスは自室や教団内に展開した「口寄魔方陣」内に保管しており、その魔方陣の上にあるイレイスは離れた場所からでも魔方陣を展開して出現させることが可能
また、「口寄魔方陣」を展開して、その魔方陣に身体全体を通過させることで、一瞬の内に防具へ着替えることもできる
通常は、防具を着ていくのが一般的だが、突発的な戦闘が起こった際にはこの魔術を使用する場合がある。

イレイスの出現は、魔力回路が破壊・封印されていない限り、魔力を消費せず行うことができ、魔方陣の色彩は術者の属性によって変化する
また、イレイスが大きければ大きいほど魔方陣も比例して巨大となるが、取り出すスピードに変化はない。

魔方陣の展開中に、魔方陣の破壊・阻害をされてしまった場合に、イレイスがすべて出現していないと魔方陣は崩壊してしまう。
その場合は、再び魔方陣を展開しなおさなければならない。

  アウェイクニング・ベリアル            

喰人もしくは祓魔人が「イレイス」の影響によって、精神疾患を起こし暴走する症状のこと。
教団は症状名として「アウェイクニング・ベリアル」と呼び、「覚醒」と呼称している。
発症した場合「瞳以外の白目部分が黒く染まる」、「犬歯が剥き出しになる」、「体の一部に魔方陣が浮かぶ」などの症状が発症し、正気を失った様子となる。

症状は「アムネシア・ベリアル」と「ルナティック・ベリアル」に分類され、重篤な症状を引き起こす。
狂人や廃人となり、ベリアルと化して教団に処断されることになりかねない、恐ろしい病気である。

◆発症原因
この症状は、下記の二つの原因によって引き起こされる。
基本的には1による発症理由が多勢を占める。

1.「自身の存在理由を見失う」、「自身の存在理由に傾倒しすぎる」などの精神的な影響によるもの。
2.イレイスが一定以上ベリアルを喰わなかった場合、イレイスからの捕食に対する欲求によるもの。

2での発症については、教団に所属している限り、ベリアルを喰う指令をこなすため、ほとんど見られない。
しかし、何らかの理由でベリアルを喰えない状況に陥った際に、多く見受けられる。
アウェイクニング・ベリアル
(Illust:成世セイチ)

◆症状
・「アムネシア・ベリアル
「自身の存在理由」を見失ってしまったことで発症する。
戦闘能力が低下し、『目的』に対する感情や意識が薄れていたり、記憶が薄れていく
※「パートナーを護る」である場合は、「パートナーへの興味」、「パートナーとの思い出の一部」を失ったり、薄れたりする。
最終的には、すべての記憶や思い出を失う。場合によっては、心が死に廃人と化してしまう。

・「ルナティック・ベリアル
「自身の存在理由に傾倒しすぎる」ことで、発症する。
戦闘能力が向上するが、「すべての『目的』を同時に遂行しなければ、すべてを失うだろう」という強い焦燥感と絶望感に襲われ、発狂状態となる
※「パートナーを護る」である場合は、「パートナーに異常なほど執着する」など。
その者によって症状は変わるが、最終的な症例では、下記のような症状の発症が確認されている。
「幻覚や妄想を見る」、「幼児退行してしまう」、「激しい恐怖症に襲われる」、「一時的に五感のどれか1つが失われる(心因性)」、
「強迫観念に取り付かれる(延々と武器の手入れをする、延々と手を洗い続けるなど)」、「他人や自分に攻撃的になる」

この症状が発症すると、少しずつ体がアシッドに蝕まれていき、ベリアルへと姿を変えてしまう。
ベリアルへと姿を変えた者は二度と本来の姿に戻ることはなく、教団から討伐指示が発令される
せめてもの情けとして、パートナーがいる場合には、そのパートナーに討伐をさせるのが一般的である。