からの裁きを受ける世界


 様々な生物と、人間が暮らしている世界「アースガルズ」。
 平和を謳歌していた人間達であったが、
人種同士の差別が発端となった世界大戦を引き起こしてしまう。
 戦いは悲劇を生み、悲劇が悲劇を生み……ついに人間は、世界の禁忌に触れてしまった。
 神は禁忌に触れた人間達を滅ぼすため「ラグナロク」を引き起こし、世界は大混乱となる。

 世界から人間の存在が失われるかと思われたが、
人種達が手を取り合ったことで世界は少しずつ復興を遂げていった。
 魔術の発展と技術革新によって生活水準も向上し、「薔薇十字教団」と呼ばれる魔術組織が発足する。
 教団が魔術の発展と、人間の脅威に立ち向かうことで、人々は再び平和を享受しはじめている。

 しかし、「ラグナロク」によって残された爪痕は、未だに世界に影響を与え続けている。
 世界の平和と、人間の未来を護るため、力持つ者は立ち上がらなくてはならない。

 希望は、あなた達「エクソシスト」に託された。


界情勢


ワールドマップ
TOPIC

 「アースガルズ」は、大別すると6つの地方となる。

ミズガルズ地方

世界最大規模の教皇絶対主義国家「教皇国家アークソサエティ」があり、「エクソシスト(浄化師)」達が物語を紡ぐ中心となる国で、生活の拠点となる教団本部も存在する。

ムスペルヘイム地方

全土の中でも最高気温を誇り、砂漠地帯が数多く存在する地帯である。
 教皇国家アークソサエティに次ぐ、巨大な魔術都市「砂塵の街サンディスタム」が存在している。

ヨトゥンヘイム地方

火山帯が多い地域ではあるが、高度な文明を発達しつつある機械都市「機械都市マーデナクキス」が存在し、
 今後の発展に、各国が期待を示しているようだ。

アルフヘイム地方

熱帯雨林が数多く、中でもその最奥地に存在する「アルフ聖樹森」には、様々な固有の生物が生息している。

ニダヴェリール地方

全土の中でも、広大な荒野が広がり、比較的低い断崖絶壁の山脈が続く地方である。
 「希望の塔」が存在しているため、危険地域に近い場所ではあるが、美しい海に囲まれた地域も存在するようだ。

ニヴルヘイム地方

全土の中でも最低気温を誇り、地面がほぼすべて永久凍土で氷ついている。
 常に降り続ける雪と、生物を凍死に追い込む極寒の気候は、生物が住むには非常に厳しい環境。

Illust:HUKI

CHECK

  アースガルズの生活水準            

◆衣類
 毛織物、木綿織物などの衣類が作られ、販売されている。
 様々な様式の衣類が作られ、各国や民族に合わせたデザインが存在するが、化学繊維は研究段階となっており実物はほとんど存在しない。

◆食事
 炭水化物を基本として、肉・魚・野菜類を食事として摂ることが多く、保存のきかない生食は一般的な家庭ではあまり食卓に並ばない。
 調理器具は、鍋やダッチオーブン、石釜、フライパン、やかんなどの加熱調理に使うものと、まな板、包丁、しゃもじ、おろし金などが、一般市民の間でも比較的普及しているようだ。
 また、生食が普及していない代わりに、燻蒸・塩漬け・ピクルス・砂糖漬け・発酵などは調理方法として広く活用されている。
 ヨハネの使徒の残骸で作られた冷蔵庫が存在し、氷を常備しておくことで保冷することが可能となっているが、特に夏場はそれほど日持ちしない。

 調理は、火を熾し、汲んだ水で行うことが基本として挙げられるが、
 印刷されている魔方陣から発火する魔術式が組み込まれた紙「調理用発火符(ちょうりようはっかふ)」、
 印刷されている魔方陣から水が出る魔術式が組み込まれた紙「多目的発水符(たもくてきはっすいふ)」を使用して調理を行う手法が一般化している。

 食材の購入は、各食材(肉・魚・野菜など)の専門店へ買いに行くのが主流だが、一部地域には食料雑貨店のように複数の専門店が並ぶ市場が存在する。

◆住居
 基本的にはレンガ・瓦・木材・ヨハネの使徒の残骸によって建設される。
 教皇の住まう宮殿や、教団などは、高い耐久性などを重視してヨハネの使徒の残骸を多く活用して、建設されている。

◆職業
 農業や猟師・漁師など食料品を生産する職業、宗教的な業種が存在し、多種多様な職業があふれている。
 また、同一業種の事業者が営業上の弊害を防止し、共同の利益を図るために組織する団体である、同業者組合が発足している。
 職業の申請も許可も特に存在しないため、詐欺紛いの業者なども紛れていることがある。騙されたり、損をしないように注意だ。
 しかし、大きな収入を得る業種であればあるほど、同業者組合が目を光らせているため、巧妙な詐欺師ではない限り人々を騙すこと、存在することが難しい。

◆学校
 「読み書き算」及び「魔術」を基本とした学問を教える学校が存在している。
 学校へ通うためには、学校への資金支払いが必要であるため、学校に通えない子供も一定数存在する。

 教団内に存在する「魔術学院(まじゅつがくいん)」でも、魔術の教鞭をとることができるが、許可証を持っていない場合は入れないため、一般的ではない。

◆医療
 一般的な医療の「一般医療」、魔術を利用した医療「魔術医療」を主流としている。
 治病医学・予防医学の発展によって、重篤な症状でない限り救命することが可能となっており、病気による死亡率はそれほど高くない。

 現在ではほとんど行われていないが、人体実験などの犠牲によって発展した医療技術も数多くある。
 特に、黒死病(ペスト)によって多くの死者を出した事件「デス・ワルツ」を経たことで、医療技術は革新的に進歩した。
 また、「デス・ワルツ」の原因の一端が、土葬での遺体処理あったことから、現在は火葬が主流となっている。

◆交通
 「馬車」、「人力車」、「小型舟」を基本として、蒸気機関を使用した「蒸気機関車」、「蒸気船」が運用されている。
 街中を移動する際には、基本的に「蒸気機関車」に乗るか、「馬車」、「人力車」が一般的。

 教団にのみ存在する「転移方舟」、通称ゲートリジェクトは、ゲートに印されている魔術式を離れた土地に書き込むことで、教団本部と書き込んだ土地を一瞬で移動することができる。
 ただし、エクソシストを中心とした教団内部の人間が使用するものであるため、一般人は使用することはできない。

生活水準
illust:吉比

  技術・工業            

「ブリテン」から起こった技術革新によって、魔術中心であった技術・工業技術が飛躍的に進化を果たした。
特に、蒸気機関車の誕生によって、交通事情は飛躍的に進化を遂げた。
また、糸を生産する「紡績機」や糸から服などを生産する「力織機」が発明され、「綿繰り機」の発明も重なり、服飾の生産効率も飛躍的に発展している。
さらに、蒸気機関技術を用いスクリュー・プロペラや外輪を廻すことより推進する「蒸気船」が発明され、海をも移動することが可能となった。

◆魔術道具
「魔術の威力を向上させる」、「魔術の発動をサポートする」、「魔術知識が無くても、魔術が使用できる」というような効果を持つ、魔術に関連する道具。
「調理用発火符(ちょうりようはっかふ)」 や、「多目的発水符(たもくてきはっすいふ)」などの画期的な魔術道具は、市民にも愛用されている。
こういった道具を生み出す職業「魔術鍛冶職人」の多くは、様々な魔術道具を造り、世に知らしめることを生きがいとしているようだ。

・魔術機構(まじゅつきこう) / クラフト・ウィッチ
 魔術を使用することで、通常の武器や防具などよりも強力な道具を生み出すことができる技術。
 魔術鍛冶職人の中でも、世界に数名しかこの技術を持つ人間は存在しない。
 この技術を持つ者しか、イレイスの製造や、ヨハネの使徒から防具の作成を行うことはできない。

◆工業技術
・蒸気機関(じょうききかん)
 技術革新をもたらした技術であり、交通手段並びに、産業効率が飛躍的に向上した。

・魔術縫合(まじゅつほうごう)
 布や糸に魔力を込めながら縫合することによって、緻密な刺繍などを行うことができる技術。
 主に貴族階級の人間や、教団に所属するエクソシストなどが優先して着用している。
 技術革新によって衣類が量産されるようになってからは、魔術を使用せずとも似たデザインの服が出回るようになったため、
 蒸気機関を利用したものは格安の服、魔術縫合を利用したものはブランド品として地位を分けた。

◆医療技術
・手刀切開(しゅとうせっかい) / ハンド・メス
 手刀を形作り、魔力を薄く集中させることでメスのような切れ味出す医療魔術。
 手術の箇所のよって指の本数を変えて、対応する。

・心音視(しんおんし) / ハート・チェック
 瞳に魔力を集中させることで、患者の心拍数を数値で判別する医療魔術。

・電流伝播(でんりゅうでんぱ) / ショック  両手を重ね合わせ、対象部位に魔力を込めることで電流を生じさせる医療魔術。
 電気ショックの効果があり、心拍停止の際などに用いる。

・回路触聴(かいろしょくちょう) / ヒアリング
意識を対象の場所に集中させ、触覚と聴覚を数倍にする医療魔術。
発動中は無防備になるため、戦場では護衛が必要となる。

◆通信技術
・郵便
 手紙、小さな荷物などを、収集し、記載された住所へ宅配する。
 人力車に荷物や手紙を積んで郵送する姿を、街で見ない日はない。

・魔伝回線(ませきかいせん)
 「固定魔信」を使って通話を行うために必要な、魔術回線。
 この回線を繋げるためには、通話を行いたい地域に魔術による電波を受け取るアンテナを用意し、常に一定量の魔力の放出を行う必要がある。
 基本的には、魔結晶を利用して魔力の放出を半自動で行っている。

・固定魔信(こていましん)
 魔術によって電気を供給することで動く、固定電話。
 教団には必ず設置されており、重要案件の呼び出しなどで使用される。




国の関係性


ワールドマップ(各国)
TOPIC

 大国であれば、必ず教団の支部が存在し、教団本部との繋がりがあるため、
 戦争を引き起こすような目立った動きは見られないが、国力が安定しない国は、戦争を引き起こす機会を伺っている。
 内紛や、冷戦状態の地域もあり、世界中が平和な状態とはいえない状況が続いている。


Illust:HUKI
各国相関図
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グナロクによる爪痕


 神が人間を滅ぼすために引き起こした「ラグナロク」は、突如として世界を襲った。
 天を衝く塔「希望の塔」が出現し、そこから現れた人間の命を狙う「ヨハネの使徒」が侵攻を開始。
 同時期に「ベリアル」と呼ばれる化け物に生物を変質させる力を持つ、死の雨「アシッドレイン」が降り注いだ。
 なす術も無く失われた命は億単位であり、人間の生活拠点は瞬く間に奪われていった。

 だが、各地で異能な力を持つ者たちが抵抗し、やがて集結していく。
 人々は、その組織のことを「教団」、そして彼らのことを「エクソシスト(浄化師)」と呼んだ。

さて、神への反逆を始めようか―――
Illust:藍太